「うおーい!! ちゃっちゃとかえってきたぞ~~~!!」
「ゆゆ!! おかえりなさい!!」
「……お、おかえりなさい!」
「ただいま」
そう言って、頭を撫でてやる。
「う? うう?!」
多少慌てているのもなかなか可愛い。
それは、昨日拾ってきたゆっくりフラン。
かなり知能は高いらしく、ある程度の事を教えたら、直ぐにこの家に適応できた。
う~~ん、まるで我が子が出迎えてくれたようだ。
「ゆゆ!! おに~さんどうしたの? ぼ~っとして?」
「うん。近未来予想図をな……」
「ゆ?」
「う?」
いや、なんでもないなんでもない、こいの魔法だ。
「それより、今日は何の日か知ってるか?」
「う~? しらない?」
「れいむもしらないよ!!」
ぺちん
「ゆ!!」
「おどれには毎年毎年教えてるだろうが」
「ゆ~~? ゆ~♪ おにーさんのもうそうけっこんきねんび!!!」
……そんなの作ったけ?
「違う違う。今日は土用丑の日だ!!」
「ゆ? ……!! おもいだしたよ!! きょねんもやったきおくがあるよ!!!」
「う~~?」
味方が0匹になったフランは、少し心配そうに俺の方を見上げてくる。
「大丈夫! 土用丑の日って言うのは、これからの暑い夏を乗り切るために栄養をつけろって始まった鰻宣伝のPRなんだよ!」
ガサッと帰るときに買ってきたスーパーの袋を二人の前に広げる。
「ゆ~~~~♪」
「う~~~!!!」
その中には、寿司、ステーキ肉、そして鰻、とスタミナの付くものばかり入っている。
もちろん、ワイン・ブランデー・日本酒 ビールも忘れていない。
「よし、明日は休みだ!! 先に風呂に入るぞ!!」
「ゆゆ!! そういうと思って♪」
「うー!!」
「ん?」
「もうじゅんびできてるよ!!!」
改めて、風呂場を見ると、確かに湯気がゆんわりと漂っている。
「そうか、有難うなフラン」
「ゆ~! ……」
「ゆゆ!! どうしてふらんがやったってわかるの?」
「お前、何処に手足が有るんだ?」
「ゆぶ!!」
三人で、楽しく風呂に入り、お待ちかねの食事の時間だ。
「先にステーキを焼いちまうから、テーブル片付けて拭いといてくれ!」
「うん……」
「おにーさん!! れいむは? れいむは?」
フランに布巾を渡すと、霊夢が自分の仕事は何かと引っ付いてきた。
「お前の仕事は……」
「ゆっゆ!!」
「つまみ食いしないで待っている事!!」
「ゆ!!!」
――
「おお!! ちゃんと待ってたな、偉いぞ!!」
キチンと、俺が来るまでつまみ食いしないで待っていた霊夢。
まぁ、食事中でもない限り絶対につまみ食いはしないけど。
「あったりまえだよ!! れーむはしっかりとしてるもん!!!」
「さて食おう! いただきまーす!!」
「……いただきます」
「ゆゆ!! むししないでよ!! い、いただきまーす!!!」
まずは、熱々のステーキ。
俺はレアが好きなので極レアに焼いてある。
その、殆ど表面しか焼いていないステーキを一口頬張り、ビールで一気に流し込む。
「かぁ~~~!! うまい!!」
やっぱり、キンキンに冷えたビールは美味い!!! いや、旨い!!!
「ゆ~~♪ おにくおいし~~!!」
「う~。おいしい」
ゆっくり達には良く冷えたジュース。
霊夢はバヤリ~ス、フランは麒麟檸檬。
俺と同じで、肉を魚に美味しそうに食っている。
「うまいか?」
「ゆっゆ!!」
「おいしいよ!!!」
そうか、良かった良かった。
「おにーさんももっとたべてね!!」
言われなくても、次の肉はワインで流し込む。
う~~ん、やっぱり赤ワインは肉に合う。
白は、……水みたいにごくごく飲むのが好きだな。
「ゆゆ~~♪ おに~さんおいし~ね!!」
「そうだな!!」
「おいしい~、です」
「そうか、良かったよ」
一時間もすると、食事は宴会の様子を見せてきた。
「ゆっゆ~~♪ ほぉおら~あなたにとぉって~~~♪」
「う~!! だ~いじな~ひと~ほぉどぉ~」
何でジュ~スでこんなに酔っ払ったようになっているんだ?
はぁ。
……。
まァ良いか。
「ほら、ここで俺が最高の一曲を歌ってやるから、お前等も続け!!」
「ゆゆ!! なにをうたうの?」
「う?」
「ふふふ!! それは、おれの仕事に対する熱い思いが溢れてくる歌だ!!」
別に酒に酔っている訳じゃあ無かったが、楽しそうな霊夢とフランに当てられて。
俺は全員でらららを熱唱した。
- この話もゲームにならないかなぁ・・・ -- 名無しさん (2008-07-24 11:27:07)
- 読んでると腹減ってきた -- 名無しさん (2008-07-24 23:31:57)
- いい話だ -- 名無しさん (2010-11-07 08:02:47)
- ほのぼのいいねぇ~ -- ちぇん飼いたい (2012-02-28 20:59:51)
最終更新:2012年02月28日 20:59