テルヨフの恐怖

最初は部屋の片隅だった。置き忘れた物の様に、さり気なくそれがいた。
リンゴほどの大きさのテルヨフ。

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いつの間にか部屋に湧くゆっくりだという話を聞いていたので、俺は特に気にもしていなかった。

翌朝、テルヨフはそこから消えていた。
何処にいったものかと思いつつ、卵を取ろうと冷蔵庫を開けると、

テルヨフがいた。

……当然だが、一体どうやって入ったのか見当もつかない。気味が悪いので、ひとまず虫かごの中に入れて置いた。

翌日、仕事から帰ると、玄関のマットの上に

テルヨフがいた。

どういう事か分からなかった。虫かごを調べたが、力ずくで開けた様子もない。
可哀相だと思ったが、やはり気味が悪い。俺は「拾ってください」
とに書いた段ボールにテルヨフを入れ、家から離れた路上に置いた。

翌日、休憩所で弁当箱を開けると、

テルヨフがいた。みつしりとつまつてゐる。

可哀相だなんて思っていられなかった。
ゴミ箱にテルヨフを放り込むと、ゴミ袋を縛ってゴミ捨て場に放り投げた。
休憩所に帰って来ると、また弁当箱にテルヨフがみつしりとつまつてゐた。

帰り道、弁当箱に詰まっていたテルヨフを橋から投げ落とした。
可哀そうどころか、余りに酷いことだと思ったが、もうそんなことは言ってられない。
家に帰ったが、テルヨフはマットの上にはいなかった。
俺が少し安心して部屋に入ると、万年床の上に、



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テルヨフがいた。

……発狂するとはこういうことか。


おれはテルヨフをかかえて近くの公えんにイくと、
もっていたライたーで火を起シ、テルヨフをそこに放りコんだ。



しばらくしテ、たき火を消スと、テルヨフはいなかった。



あもりに酷いことだとは思う。
仮にも生き物……らしきものを、燃やしたりするのは如何なものか。
ただ、これは仕方のないことだ。自分の身を守っただけなんだ。
自問自答を繰り越しながら家に戻ると、万年床の上に

テルヨフがいた。

しかも、枕ほどの大きさになっていた。心なしか、触ってみると暖かい。

「……ここから出て行くつもりはないんだな。」
俺がそう言うと、

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テルヨフは頬を染めた。




その日は枕を換えたが、大分ゆっくりと眠れた。

朝起きると、
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テルヨフの上にもこたんがonしていたが。
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ゆっくり怪談の人

※4月3日修正・追記

  • いいなあ、乙です
    こんなテルヨフが家に来てくれればなあっ! -- 名無しさん (2009-03-13 22:10:12)
  • 主人公が壊れていくさまが中々怖い
    そりゃあ何回捨てても帰ってくるんだしな…… -- 名無しさん (2009-03-13 23:05:08)
  • 怪談なのに妙に可笑しい。不思議w -- 名無しさん (2009-03-13 23:22:08)
  • もこたんon…どんな状態ですか?気になる
    内容は面白いです -- 名無しさん (2009-03-13 23:24:06)
  • 弁当箱にみつしりとつまつてゐるテルヨフかわいい -- 名無しさん (2010-04-03 17:27:10)
  • てるよともこたん欲しい・・・
    -- 名無しさん (2010-12-01 14:13:03)
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最終更新:2010年12月01日 14:13