何とかしてあげるよ!入信してね!!!(前編)

 ※ 自分設定・不思議生物設定多し
 ※ グロくもなく、ゆっくりは酷い目にあいませんが、ちょっとしたホラー要素あります
 ※ 一部前作の使いまわしあります・・・

 ++++++++++


 どこから始まっていたか。学校の帰り、「プリ〇ア5」を見て、素直にその話をすればいいのに、
明美ちゃんはいつもの友達と、「チームを作らないか」などと言ってしまった辺りか。その前か

 「チーム?」
 「わかるよ~ かっこいいね!! つくろうつくろう!!!」
 「じゃあ、あたいがリーダーね!」

 もうじき2年生になり、初めて後輩もできようかという明美ちゃん、ちるのちゃん、ちぇんちゃん、
るーみあちゃんは、いつも一緒だった。幼稚園にはゆっくりがいなかったから、初めてできた異種
族の友達は新鮮で、そして考えていたより楽しかったし波長が合った。気がつけば一年経とう
とし、クラス替えがあっても、ずっと一緒に居続けたい思ったためかもしれない

 「ちるのちゃん、サイキョーだもんね!!!」
 「リーダーは決まったね!!!」
 「じゃあ、チームの名前を決めよう!!!」

 ちぇんとちるのはその場で考え始め、明美ちゃんはそれとは無しに、やはり「プ〇キュア」からもじ
った名前を口に出そうとしたが、先に、今まで黙っていた、るーみあちゃんが言った


 「ルーミア教がいいと思うよ」


 明美ちゃん以外は即決だった。

  「かっこいいねにぇ!!!」
  「それがいいよ!!!」

 明美ちゃんはあくまでも元ネタに近づけたかったので、少し驚いたし、自分の考えたチームの名前
を言えなくて寂しかったけど、それに賛成する事にした。意味は解らないけれど、何だかどこかで聞
いたことがある響きでかっこよかったのだ。
 その日、家に帰ってからもう一度考えた。「るーみあきょう」って何だろう?どういう意味?「るーみあ」
は、勿論るーみやちゃんの事だろう。「きょう」って何?お母さんに聞いても、意味が解らないと言われ
たので、明美ちゃんは地道に自分の辞書(勿論小学低学年向き)を引いてみた。
 「きょう」っていう字は沢山あったけれど、どれもピンとこない。眠くなって来た時、ようやくそれらしい
字を見つけることができた。

 「教」

 教える、という事、教師・教育の「教」。るーみあちゃんが、何かを教えてくれるのかな?それより、ちる
のちゃんがリーダーなんじゃないの?そもそもちるのちゃんがリーダーなのに、名前が「ルーミア教」っておか
しくない?それじゃあ、ちるのちゃんは「ルーミア教」の何なんだろう?ルーミアちゃんも何なんだろう?
ちぇんちゃんは?明美ちゃん自身は?
 何で「教」何だろう?「ルーミア団」や「ルーミア隊」じゃいけなかったのかな?明美ちゃんは、辞書で
もう少し意味を調べてみた。

 「キリスト教」「仏教」「イスラム教」

 最後のはあまり聞いたことが無いけど、前の2つなら言葉は知ってる。楽しいクリスマスはキリスト教の
お祭りで、夏休みにお墓参りのために、お婆ちゃん達の家に行くのは、明美ちゃんの家が仏教だからだ
ってお父さん達が言ってたのだ。
 何だかかっこいい!! 「団」や「隊」よりも難しそう!!!
 明日、詳しくルーミアちゃんに聞いてみよう。



 お昼休み、お砂場で思い切り大きな穴を掘りながら、皆は話した。

 「ルーミア教で、何を始めようか?」
 「教えを広めるんだよ!!」

 尻尾をパタパタふりながら、ちぇんちゃんが答える。

 「『しゅうきょうー』だからにぇ!!!」
 「ちぇんは物知りなのかー」

 「しゅうきょう」だってことは、明美ちゃんも知っていたのだ。ちょっと悔しくなって、明美ちゃんは生半可に
得た知識を言ってみた

 「じゃあ、『おしえ』をきめよう!」
 「教義のことなのか~」

 るーみあちゃんが説明してくれた。最初はよく解らなかったけど、要はクリスマスやお墓参りみたいなものと
考えていいらしい。
 ちるのちゃんは退屈して、水を汲みにバケツを咥えていってしまったりしたけど、ちぇんちゃんもわかるわかる
よ~と頷きながら聞いている。
 クリスマスも、お墓はちょっと怖いけどお婆ちゃんの家に行くのも、楽しいから大好きだ。そんな楽しい日を、
自分達で作れるなんて、凄い。明美ちゃんは嬉しくなって続けた

 「他には他には?」
 「お菓子を食べよう!!!」
 「お菓子なら、いつも食べてるよ!!!」
 「ええと……じゃあ、じゃ〇りこを食べよう!!!」
 「じゃ〇りこ好き~!!!」
 「一日1個は多いから………水曜日に食べよう!」

 その日が水曜日だったからだ。
 教義はいくつにしよう?
 「せいしょ」だか「あヴぇすたー」だかは、とても分厚い本らしい。それだけ書いていたら、一年が終わってしま
うだろう。
 それに、覚えられない。
 ちるのちゃんはバケツの水をバシャバシャと穴に流し込んでいる。
 るーみあちゃんと明美ちゃんで柔らかくなった砂を描きだし、ちぇんちゃんがそれでよく解らない造型の山を作っ
ていた

 「みんなが覚えられるように、10個にしようよ!!!」
 「そうだね!!!」

 ―――随分穴も深く掘ってしまった。
 すっぽりと全身で入り、頭だけ出して、るーみあちゃんは言った。

 「10個は多いよ!9個がいい!!!」

 そういう訳で、放課後は4人で教室に残って、自由帳に「教義」を書いた


 ・ゆっくりすること                 →  基本であろう
 ・じゃ〇りこを週に一回食べる             →  毎日は駄目
 ・2月3日が記念日                   →  特に意味は無し
 ・いじめダメ 絶対                   →  いじめっ子はルーミア教には入れません
 ・好き嫌いダメ 絶対                 →  給食を残す子は入れません
 ・朝起きた時と、夜寝る前のお祈り          →  すごく「しゅうきょう」っぽい
 ・そうなのかー                    →  ???
 ・皆に優しく                     →  誰でもゆっくりさせましょう
 ・赤い鬼巫女は、食べてもいい             →  (るーみあ案)


 ゆっくりする事は、鉄則。寧ろ、皆でゆっくりするためにルーミア教があると言っても過言ではなかろう。
2月3日は、発案した昨日だからだ。大福には特に意味は無い。紅白饅頭でも団子でも桜餅でも、
何ならお菓子にたかる蟲でもいいとのこと。
 じゃ〇りこは、食べすぎは怒られそうだし、お小遣いがないから週一で。いじめっ子は、4人とも大嫌い
だ。好き嫌いは―――正直あるのだけれど、「こうしたものを一ついれておいた方がいい」と、るーみあちゃ
んが言った。
 お祈りは、どの宗教もやってるらしい。
 「そうなのかー」は、意味が解らなかったけど、るーみあちゃんが小さな両手を横に伸ばして「そーなの
かー」とよくやっていたから、それを真似すればいいのだろう。
 自分がゆっくりするには、周りをゆっくりさせねばならない。だから、他人に優しく
 最後の意味はよく解らなかった。

 「かっこいいね!!!」
 「ルーミア教、いい感じね!!!」
 「合言葉は・・・・・」
 「「「「そーなのかー!!!」」」」
 「じゃあ、メンバーをあつめようね!!!」
 「布教用パンフは私がつくるのかー」
 「『ふきょう』?」
 「教えを皆に広めることだねー わかるよー」
 「リーダーはあたい、ちぇんは、副リーダーね!!!」

 と、なると

 「ちるのちゃんがリーダー。ちぇんが副リーダー。明美ちゃんは?」
 「『オリキャラ』がいいと思うよ」

 難しい片仮名を使っているという事は解った。リーダーでも副リーダーでもない、3番目だが、何だかカッコい
いのでよしとする。
 では、るーみあちゃんは・・・?

 「教祖様だよー」

 『きょうそ』って何だろう?『様』がついてたけど、偉いのかな?リーダーのちるのちゃんよりも?じゃあ、ちるの
ちゃんはルーミア教の何なんだろう?それより、一番偉くないのが明美ちゃんという事か?それはそれでいいけ
ど、ちょっと情けない。

 「じゃあ、信者を増やそう!!!」
 「「そうしようそうしよう!!!」
 「入ってくれたら、今ならじゃがりこをあげるのか~」
 「るーみあちゃんの家、じゃがりこがいっぱいあるもんね・・・・・」
 「敬虔な信者、たくさんたくさん集めてね!!!」




 ++++++++++++++++++++

 教室の雰囲気が暗くなったとある教師が感じたのは、それから1週間後のことだった。
 生徒達の表情が暗い、活気が無い、という訳ではない。
 物理的に暗いのだ。電灯が古いのかと替えてみたが、そんな事はなかった。外が晴れていようと、授業と称
して教〇テレビの番組を見ようと(とりあえず授業はしないのですむので、一時的に盛り上がる)、教室がど
こか薄暗い。何か極薄の黒い幕が全体に被さっているようだ。

 それが、自分の教室だけではないと、そろそろ3学期も終わりになるにつれて気がついた。
 高学年を受け持つ男性教師達が、「最近教室が暗い」と話しながら歩いていた。隣の席の、やや年配の
女性教師に尋ねてみる。

 「今の聞きました?先生も、何だか暗くなったと感じません?」
 「まあ、照明の問題かしらねえ」
 「おかしいですよね?電灯変えても、何だか暗いし」
 「でも、うちのクラス、暗くなってからなんか皆成績も効率上がり出したのよね。いじめも減ったっていうか本当
  になくなったみたいだし。案外明るいところより、落ち着いていられるからかしら」
 「そういえば先生のクラス………」

 学年の中で、一番ゆっくりの生徒が多いクラスのはずだ。れいむ・まりさが2名ずつ。きすめとやまめ、りぐると珍
しい種類が1名ずつ。あと、ちぇんとちるの、唯一の胴付きである、るーみあ。

 「1年、本当によくやってこられましたね?」
 「何が?」
 「だって、ゆっくりがあんなに多くて、差し支えありませんでした?」
 「別にー?皆勉強は普通にできるし。そりゃ家庭科とか図工とか、体育なんかでは一緒にできないことが多
  いけど、そこを他の生徒が協力して進めるのが、あいつらのの編入の目的だしねえ」

 そのゆっくりした、欲の無いゆっくりライフこそが、現代人に足りないとか、マスコミはよく言っているが、良くも悪
くも今は競争社会である。ゆとり教育などと言う愚のために生まれた、遅れを子供達に取り戻すのが今の教
師の役目だ。

 「まあ、教え方一つよ。外国人だったり障害持ってたり、ちょっと違う子がクラスにいて、それで上手く機能する
 かしないかは、周りの子と教師によるわ」
 「何か、来年受け持つことになるんじゃないかと思うと不安で………」
 「あら、じゃあこの本貸しましょうか」

 そう言って取り出したのは「ゆっくり分類学」なる本。一応大学での「ゆっくり生物学」とやらの教材に最も使わ
れているらしいが、正直この本一冊では、2時限で講義が終わってしまう事でも有名である。中身は一通りの
ゆっくりの種類と、それぞれの傾向やら好みのアーティストや映画の話くらいしか書いていない。
 あまりにも謎が多すぎて、真面目にゆっくりの生態を研究しようとする人が少ない――――との説があるが、実
は皆、恐怖している、 との噂もある。
 彼女も学生時代に見た事があった。


  =======  VTR START ======

 研究員 「それでは……長年謎とされていた、れみりゃの生殖方法について、本人に尋ねたいと思います
       「方法としては、まず直接の質問―――聞き出せない場合は、『模倣』を使います



 研究員 「れみりゃさん、教えてください。あなた達ゆっくりは、どのような形で子供を作り、種を保存しているの
       ですか?」
 れみりゃ 「う~?」
 研究員 「教えていただけませんか。今後の研究のためです」
 れみりゃ 「そんなこと、恥ずかしくて教えられないぞぉ~」
 研究員 「お願いしますよ」
 れみりゃ 「いやぁ~ん~ はぁずかしいぞぉお~ れみぃの口からは、いえないぞー」
 研究員 「真面目に聞いてください。何も嫌がらせで質問している訳ではありません」
 れみりゃ 「そんなこといったってぇ」
 研究員 「……………」
 れみりゃ 「かれんなおとめにこどものつくりかたとか、まじひくぞぉ~」
 研究員 「ねぇ~ん~ そんな事言わずに教えてほしいぞぉ~」
 れみりゃ 「うー!うー!」
 研究員 「うー!うー!」
 れみりゃ 「う、う……うー!?」
 研究員 「恥かしがらないでぇ~ 教えてほしいんだぞぉ~」
 れみりゃ 「でも、きいちゃうの~?ししゅんきなの?せくはらだぞー、それ」
 研究員 「おしえてほしいぞ~」
 れみりゃ 「うー!うー!」
 研究員 「うー!」
 れみりゃ 「………………………………」
 研究員 「うー!」
 れみりゃ 「………………………………」
 研究員 「ねえ、お…………………………………」
 れみりゃ 「………………………しつこいわね」
 研究員 「u……………………………………………………………………」
 れみりゃ 「さっきから何よ、こっちが嫌がっていることを何度も聞いてきて。何かしら?あなた達人間は、平気で
       ゆっくり相手に自分達の性行為の方法について、堂々と正しく質問する事ができるの?それが恥か
       しくないのかしら?」
 研究員 「ええ、その…………」
 れみりゃ 「誰だって聞かれたくないことがあるでしょう。学問のため?発展のため?それが何にでも通じる免罪
       符だと思ったら大間違いよ。それに、そこから得た知識を何に応用するのか、私にここで最初から説
       明できて?」
 研究員 「………………………………」
 れみりゃ 「勝手な好奇心をおしつけないでちょうだい。それから、ゆっくりを馬鹿にしないで」
 研究員 「………………………………………………」
 れみりゃ 「あなた達が嫌な事は、私達も嫌なのよ」
 研究員 「………………………あ………………………あ………………………うぅ…………」
 れみりゃ 「うー?」
 研究員 「………………………うー………………………」
 れみりゃ 「うーっ!!!」
 研究員 「うーっ!!!」 
 れみりゃ 「うーっ!!うーっ!!」
 研究員 「うーっ!!うーっ!!」
 れみりゃ 「うーっ!!うーっ!!」
 研究員 「うーっ!!うーっ!!」 
 れみりゃ 「うーっ!!うーっ!!」
 研究員 「うーっ!!うーっ!!」
 れみりゃ 「うーっ!!うーっ!!」
 研究員 「うーっ!!うーっ!!」 



 =======  END  ======


 ―――気の毒に――この研究員は、この後入院してしまい、現場に立つ事は無かったと言う(コロラド州のボーリ
ング場で働いているという説もある)。
 それがきっかけの一つらしいのだが。

 「こんなのもありますよ?」

 と、他の教師が貸してくれたのが、「特殊ゆっくり大全」―――「ゆっくり分類学」の3倍の厚さはある。
 パラパラとめくると、聞いた事はあるが見たことも詳しい情報も知らないゆっくり達が、写真や図解とともに載っている。
これは、凄い。

 ・水上生活を営む貝殻を背負った「まりさつむり」
 ・ロシア辺りでは未だに市場で販売されているのが目撃されると言う「かっこいいまりさ」
 ・同じく販売されている、乱暴であまり可愛くないことで有名な「かわいいれいむ」
 ・てんこの突然変異?と思われる「てんこふ」
 ・その愛らしさに探す人が後を立たない「チルノフアザラシ」
 ・あまりにも資料が少ない「やさかダコ」
 ・高山の岩場に生息し、未だに地元のハンターも恐れると言う「れいむドラゴン」

 ここら辺は聞いたこともなかったが・・・・・・

 ・れみりゃの進化系―――恐竜の着ぐるみを被り、飛行はできないが種として尊敬を集める巨大な「ティガれみりゃ」

 これは知ってる

 ・更に年をとると、「ダイナれみりゃ(とにかく陽気だが、若干知能は低下する)」「ガイアれみりゃ(少し真面目になり、
  同種の『アグルふらん』との番になりやすくなる)」に進化し、その後決して捕食もしない「コスモスれみりゃ」になり
  最長寿のゆっくりととなる。
  その後「ネクサスれみりゃ」へ進化する場合もあるが、珍しすぎる上に誰も近寄らなくなり、大抵ここで寿命を終える。
  それを運良く過ぎると、「マックスれみりゃ」となるが、「げんてんかいき」とやらで、見た目は普通のれみりゃと全く変わら
  ない。ただし、腕力とスピードは最初から全れみりゃ中最強である。

 ―――本当か? すごく胡散臭い
 他には、

 ・横綱犬 やさか号
 ・にちょり
 ・きめら丸
 ・まるみあ

 等等、お馴染みの顔ぶれが揃っている。案外知っているようで知らなかった特長の紹介も満載だ。
 その後に――

 ・ドスまりさ
 ・ビグれいむ
 ・らおめーりん
 ・メビウスさくや

 最も有名な、大型のゆっくりの紹介がある。
 驚いたのは、ほぼ全てのゆっくりに大型種がいることで、あまりにも例が少ないため、名前の無い者もいるようだ。実際に
最も有名でも、実は目撃例は皆非常に少ない。
 写真は確かにあったが、これだけ揃っているのは珍しい。

 まずはアフリカで発見されたドスまりさ。農村の牛と並び、それより少し大きい位の高さだが、まだこれは小さい方らしく、
次の白黒の写真にて、帽子の端に極端に小さいれみりゃを乗せているのかと思ってよくみると、座っているのは成人の女性
で、撮られた場所は解りにくいが、少なくとも2階建ての建物よりは大きい。
 他には痛々しいことに、漁船がナイル川で網に引き上げた死体の写真が載っていた。大きすぎてよく解らないが、水に浸
かり萎れているらしい帽子だけが体と離されて地面に立てられているが、それだけでも大型の漁船よりも大きい。
 ビグ・れいむや、らおめーりんやぱちゅりーは、人間の子供と並んで映っている写真があり、先程に比べればそこまでの大き
さは無い。殆どの写真がモノクロで、昔は自然のあるところでは普通に見かけられたのだそうな。ただ、室町時代の絵巻や、
アボリジニの壁画などには、小さい丘陵も凌駕するほどのれいむやめーりんの絵が見受けられている。
 そして、全ての大型ゆっくりには、地元の伝説といった所から近年の証言まで、そのエピソードや目撃例には事欠かない。

 本来の目的も忘れて、彼女は読みふけっていると、ふと気になる項目を見つけた。
 「能力欄」である
 大型種ともなると、その身から発せられるゆっくりを集めるカリスマ性もさることながら、強制的に周囲の人間をゆっくりさせて
しまう能力を持つことで有名だ。ただし、それはドスまりさに限っての事で――――「強制的に人間に何かをさせる」という部分
は同じでも、その内容は少しずつ種によって異なるらしい。
 とにかく、人間にそれ程害のある存在ではない―――というか、寧ろ有益ともいえる面々なのだが―――
 一応、「分類学」とあわせて、同じ学年にいるゆっくり達の種類を調べてみた。
 まずは希少な面々から―――


==
 ※りぐる―――

 饅頭達に たかる 蟲 殺虫剤 が嫌い
 よく れいむたちに 強烈な キックを 食らわす
==


 食べ物ではなかったのか。これをそのまま信じるなら、同じ教室に入れることさえできないように思えるが――――ちなみに、
大型種は80年代に関西で向日葵畑で2m程の固体が発見されたのが最後らしい。蛍等の様々な蟲が恐ろしいほど集まっ
ていたという。


==
 ※るーみあ―――

 「そーなのかー」 と 叫びながら ゆっくり 空を飛ぶ 幼女
 何だか 暗い 一面 を 持ってる みたいだ
 巫女は 食べてもいい 人間 らしい
==

 幼女――――それは、普通に人間という事では?蟲でもねこまんまでも餡子のお菓子でもない。確かに顔つきはゆっくりの
それだし、確か人間よりも一回り小さく顔と胴のバランスも少しおかしい(見方によっては童顔なので非常に可愛い)が、それ
ではゆっくりとしての意義も怪しい。あのやまめですら、「乳酸菌」という曖昧な説明なのに。
 「特殊ゆっくり大全」を見てみた。
 存外、大型るーみあの目撃例は多い。珍しいとされているゆっくりだが、古いものではインディアンの伝説に遡り、最近では
北京オリンピックの選手村での遭遇談が報告されている。それでも写真が一つも無いのは、大抵夜間に出没し――――人
間にある程度の恐怖をもたらすからだという。また―――
 ページを捲ろうとした時

 「じゃがりこ食べます?」

 美術教師だった

 「あ、どうも」



 ++++++++++++++++++++


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最終更新:2009年03月17日 21:42