※ AA多め
※ パロディ多め
※ ジャンル バイオレンス・コメディ
今日はお彼岸。ぽかぽかのお日様の中、ゆっくり達もお墓参りに行くことになりました。
れみりゃに送られて発進です。
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i イ iゝ、イ人レ/_ルヽイ i |
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⌒Y⌒Y´ノ /l ハノ i ヽ⌒Y⌒Y´
ノ レ^ゝi>.、., ___ __ _ __,,...ィ´//レ'ヽハヘノ
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V V V
「着いた~! ゆっくりしないで先に行くね~!」
「あ、まりさ待って~!」
墓地に着いたとたんまりさは我先にと三段重ねから抜け出し、柄杓をとりに飛び跳ねます。
その速度はとても速く、あっという間にれいむからまりさがよく見えないほどまで遠ざかってしまいました。
まりさははじめてのお墓参りです。陽気で好奇心が旺盛な饅頭、ゆっくり達。
あらゆる行為に楽しみを見出す彼女達がハイテンションになるのも無理ありません。
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,.ヘ,)、 )>,、 _____, ,.イ ハ レ ル` ー--─ ´ルレ レ´
「れいむ~! 早く水持ってきて~!」
「無茶言わないでよ、コレ結構重いんだから。てかまりさ、君めっちゃ楽してんじゃん!」
「気にしない気にしない。ほら、れいむ、れみりゃ、先行っちゃうよ」
「ゆっくりしていってよ~」
墓地に辿り着いたれいむとまりさはお墓に向かいます。
柄杓を持ったまりさはぽよんっぽよんっと軽快に、水桶を持ったれいむはずりずりと恐るおそる。
共にけらけらと笑いながら元気そうです。
れいむとまりさは立派なお墓の前に来ると、備え付けの箒とブラシを使って綺麗にします。
「ゆっゆっゆ~のゆ~めいじ~ん――」
「ゆっくり~の日~、すっきり~の日~、まったり~の日~――」
れいむとまりさは歌を歌いながらお墓の掃除をしています。ノリノリです。
春の陽気に包まれ、絶好のゆっくり日和を満喫しています。
けれどまりさはふと立ち止まると「あ、やべ」と声を上げました。
れいむが何かあったのと頭にクエスチョンマークをつけながら首を傾げ、まりさに尋ねます。
「まりさ、どうかしたの?」
「お供え物忘れてきちゃった。どうしよう……」
まりさは失敗してしまった子供のような顔になってつぶやきます。
おはぎにお酒にお饅頭。お墓参りにお供え物は不可欠。どうすればいいのでしょうか?
「問題ない。私にいい考えがある」
するとゆっくりれいむはふんぞり返ってどこぞの司令官のような渋い声を上げたかと思うと、
どこからともなくベルトを取り出し、どうやったか体に巻きつけます。
饅頭が原理も不明のまま飛び跳ねているのです。饅頭がなぜ物を持てるのか細かいことを気にしたらいけません。
れいむは「変身」と声を上げると、あっという間に姿を変えました。
日曜日の朝8時から絶賛放映中のあのヒーローのように顔に縦じまの模様が刻み付けられています。
仮面ライダーディレイムとでもいうべきでしょうか。
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_人人人人人人人人人人人人_
> アタックライド !!! <
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'r ´ iゝ、イノ| ::::i |ヽレ/_ルヽ、ン、
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レリイi ヽ_/ :::::| 。 |ン | .|、i .||
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L.',. i ::::::! ゜ i L」 ノ| .|
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_人人人人人人人人人人人_
> イリュージョン!!! <
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レリイi (ヒ_] ヒ_ン ).| .|、i .|| レリイi (ヒ_] ヒ_ン ).| .|、i .||
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L.',. ヽ _ン L」 ノ| .| L.',. ヽ _ン L」 ノ| .|
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レ ル` ー--─ ´ルレ レ´ レ ル` ー--─ ´ルレ レ´
れいむはその体を二つに割り、質量を伴った分身を作り上げました。
驚くまりさを尻目に、れいむは分身れいむに向き合います。
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「おまんじゅうさん! おそなえものさんになってね!」
れいむが分身れいむに対して開口一番に放った言葉がこれでした。
確かにゆっくりはお饅頭。お供え物にはもってこいなのかもしれません。
れいむがキャラを作って幼女のような声をかけておねだりしている横で、
まりさが「地味に言ってることひどくね?」と若干引きつった顔で引いていると、分身れいむが口を開きました。
「舐めんなよ。お供え物にはお前がなれよ常考」
分身れいむは「お前は何を言っているんだ?」とでも言いたげな冷ややかな目でれいむに切り替えします。
当たり前です。何が悲しくて墓地の真ん中に置かれなければならないのでしょうか。
その言葉を聞いてれいむは一瞬唖然としますが、頭を振って気を取り直すと、再度お願いします。
「れいむからのおねがいだよ! ずっとおはかさんのまえでゆっくりしていってね!」
「寝言は寝て言え」
「………………………………チッ」
「………………………………ハッ」
険悪な空気が一気に辺りを支配します。
動く饅頭ことゆっくり。メルヘンチックでほのぼのとしたキャラクターですが、怒りたい時はキチンと怒ります。
イラッとしたれいむはキャラ作りをやめ、分身れいむに対して言葉の通じない犬に対して声をかけるような態度をとりました。
「あ、ひょっとして、ゆっくり語じゃないと駄目かなキミ? ゆゆっ、ゆんゆ~ん!!」
「うぜぇ」
「(ブチィッ)この饅頭顔が」
「(プッツン)鏡を見てみたらどうだ?」
まりさが完全に置いてきぼりになる一方で、れいむと分身れいむはメンチを切って睨みあっています。
雰囲気が恐ろしく悪化し、子供が近づいたらまず泣いてしまうくらい殺伐とした空気が流れます。
昔の週刊少年マガジンなら『!?』というマークがページの真ん中に記されているような状態です。
◇しばらくおまちください
バキッ! ベキッ!
ゴキィ!
ペチッ
ガチッ!
メリメリメリ! グキッ!
ガキンッ!
ミシッ!
ボキィ!
「むーしゃ♪ むーしゃ♪ しあわせ~!!」
◇おまちどうさまでした
れいむと分身れいむ。騒動の後そこに残ったのは傷だらけのれいむのみでした。
分身れいむは転校してしまいました。転校先はれいむの体内です。れいむと分身れいむは同化したことになります。
分身れいむは骨のある実力と味のある性格をした、なかなか食えない饅頭でした。
れいむは強敵との戦いに勝利したためか、新しいパンツをはいたばかりの、正月元旦の朝のよーに爽やかな気分を満喫し、スカッとした笑顔をしています。
「ふぅ、同化完了。自分との戦いだったよ」
「なんだか饅頭からは絶対に出ないような固い音ばかりしてたんだけど……」
まりさは苦笑いしながら一部始終を思い起こし、どうしても気になったところがあったのでれいむに詰め寄ります。
「ところでれいむ、あれはどう見ても同化というより共ぐ――」
「これは同化だよ! 元々ひとつだったれいむがもう一度ひとつになった。それだけだよ!」
れいむがまりさの言葉を遮ります。けれどまりさは納得がいかず、ツッコミを続けます。
「だけど……だけどれいむってば『臓物をブチ撒けろ!!』とか殺伐としたこと言ってたじゃん! あの分身の子だって最期めっちゃ恨み言言ってたし! あれは同化っていうよりもセルの吸収(第一形態バージョン)って感じだったよ!」
分身れいむの最期の台詞は『呪い殺してやる!! 地獄で会う日を楽しみにしているぞ!!』でした。
なかなかアグレッシブで好ましいことです。
「ピッコロさんと神様だって昔は仲が悪かったじゃん! たまたまその時期に同化したようなものだよ! もはや私はれいむでもれいむでもない。ただのゆっくりさ」
「でも――」
「同化だ!!」
「だからって――」
「同化だ!!!!」
「……………………………………………………………同化じゃしょうがないね」
埒が明きません。まりさは渋々折れることにしました。が、れいむが少し気を緩めたそのとき――
「…………………げぷっ」
「……………ッッ!!!」
思わずれいむはげっぷをしてしまいます。弁解が台無しです。
れいむは遠くを見るような目になると、紳士の様な落ち着いた声をしてつぶやきます。
「分身れいむ……なかなか骨のある奴だったよ。食感的な意味で」
「それはないよ!? うちら饅頭じゃん! 骨ないって!」
れいむはぺろりと舌なめずり。
「分身れいむ……なかなか味のある奴だったよ。味覚的な意味で」
「そりゃあるよ!? うちら饅頭だから! てかやっぱり食べたんじゃん!!」
分身れいむはこし餡でした。まったりとしてしつこくないその餡は絶品だったでしょう。
れいむは強敵の強さと味を反芻しつつ、恍惚の表情で言葉を漏らします。
「悪魔の様に、黒く 地獄の様に、熱く 接吻の様に、甘い これがゆっくりの味か」
「なに詩人気取ってるのさ!」
「ンまぁーーーーいッ!! 味に目醒めたァーっ」
「目覚めんな! それと近づくな!」
じりじりと近寄るれいむにまりさは距離をおきます。そんなまりさにれいむはあっけらかんと声をかけます。
「でもお供えの食べ物ってその場で食べるか、持ち帰るのがマナーだよね。そのまま置いてたら片づけする人が大変だし。これでよかったんじゃね?」
「結局食べたことは否定しないんだね!? てか言ってることが地味じゃなくて普通に酷いよ!」
もはや泥沼です。れいむはまりさの突っ込みを流します。
「そういえばなんでピッコロさんって神様と同化しただけでスーパーサイヤ人並みに強くなった理屈が未だにわかんないんだよね。あのときのピッコロさんと神様の戦闘力の差って、ブゥ編の悟空とサタンみたいなもんじゃん。むしろ逆に弱くならないのが不思議だよ」
「話を逸らすな!」
まりさは突っ込むのに疲れました。
「あとピッコロさんって初期と終盤じゃあまるっきり別人みたいに性格変わってるけど、その理由って悟空達と過ごしてきたことだけが原因じゃなくて、ネイルや神様と同化したせいでもあるんだよ。特に神様との同化の前後で微妙に性格変わってるから調べてみ」
「マジで!? 後で読み返してみよ! ってそうじゃなくて――」
「ゆっくりしていってね!!!!」
「ゆっくりしていってね!!!!」
「 「 ゆっくりしていってね!!!!!!!!!!!!!!」 」
「そういえば今日って誰のお墓参りなの? あまり事情聞かないでついて来たけど」
まりさはれいむに誘われて墓参りに来ただけでした。
れいむから詳しい事情を聞いていないため、誰のお墓参りなのか知りません。
そんな疑問を浮かべたまりさに対して、れいむはあっさりと答えます。
「ん~、れみりゃになったかな」
「れみりゃ? さっきまで一緒だったじゃん。それになったってどういうこと?」
まりさが思わず聞き返します。しかしここでようやく違和感に気づきます。
れみりゃはついさっき連れて来てくれたばかりなのにおかしいな。
れみりゃは来るときは一緒だったのに、なんでさっきから姿を見せないのだろう、と。
「そのれみりゃだけど、お日様を浴びて灰になったよ。『う゛……』って声聞こえなかった?」
「さっきからいないと思ったらそういうこと!? てっきり休んでるだけだと思ったのに!」
吸血肉まんであるれみりゃはお日様に弱かったのです。傘も差さずに晴天の中飛び回るとこうなります。
初めてのお墓参りにノリノリだったまりさはすっかり失念していました。
墓地に飛んで来るときにまりさは三段重ねの一番上にいたので、一番下のれみりゃの様子がよく見えず、
また、重い水桶を持ったれいむと比べ、軽い柄杓をもったまりさはお墓のあるほうに先に進んでいました。
よってれみりゃの最期を見届けていなかったのです。
「てかれいむ、念のため聞くけど今日はお墓参りに来たんだよね!? このお墓は誰の!?」
「このお墓は知らないお饅頭のものだよ。知り合いに死んだお饅頭いないけど、お彼岸だからなんとなくお墓参りしたい気分だから来ただけ」
「つまり本来の目的はピクニック!?」
れいむはどこからともなく壷を取り出しました。
「うん。だから丁度よくこの壷の中に入ってるれみりゃの灰埋めないと。せっかくだし」
「れみりゃってばとばっちり!? 浮かばれねぇ! てかれみりゃの灰を他のゆっくりのお墓に入れようとしないでよ!」
れいむはれみりゃの灰が入った壷を抱え、聖母のように穏やかな表情を浮かべてまりさに言葉をかけました。
「火葬する手間が省けたね」
「まだお葬式もしてないよ!!?」
まりさの言葉を無視してれいむは空を見上げました。
口論している間に日が暮れて、いつの間にか夜になっていたようです。
夜になったためか吸血肉まんであるれみりゃの灰が反応して空へと浮かび上がり、れみりゃの姿を形作りました。
その姿はまるで天使のような愛らしさを備えています。
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丶ニニノ
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♪ rー-、,.'" えんじぇうー `ヽ、. ゚ .゚ ゚ 。゚ + 。. +。 * 。゚。゚., ,+ 。゚. 。 . . , , .
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「れみりゃ、いつまでもゆっくり見守っていてね」
「もう突っ込まねぇ!」
星空の中のれみりゃが無邪気な笑顔を浮かべながら空高く舞い上がり、天国へと飛び上がっています。
そんな感傷的な雰囲気の中、れみりゃがれいむに向かって何かを放り投げたように見えました。
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無邪気なれみりゃも、さすがにれいむの今回の悪戯には怒っていたようです。
例えるならマリオに二段ジャンプの足場にされ、谷底へ蹴落とされたヨッシーのような心境だったのでしょう。
れいむは声をあげる間もありませんでした。
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,' ノ ! i .レ'
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突っ込むのをやめたまりさは夜空を見上げながら、
今度お墓参りするときは空の上のれいむとれみりゃのためにおいしいお供え物を用意してあげよう。そう思いました。
■※ただの甘噛みです
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rー-、,.'" ┃ でびうー┃`ヽ、. +゚ 。 。 ゚。 ゚。゚.。゚。+゚ 。 。 ゚。 ゚
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d⌒) ./| _ノ __ノ
- えんじぇうーとでびうーが無性にツボに入りました。
そして怒涛の後半。突っ込めない突っ込みたくない。
そりゃ突っ込むのやめたくなるわ・・・と思いました -- 名無しさん (2009-04-01 22:45:57)
- 爆弾岩も一頭身ということを考えるとゆっくりの仲間なのかもしれない
それにしてもシュール。AAがいい具合にマッチして最高でした。えんじぇうー可愛いよぉ -- 名無しさん (2009-04-02 01:40:51)
最終更新:2009年04月02日 01:40