俺設定満載ですとも!!
初投稿なのでご容赦を;
現在、私の家には二匹(?)のゆっくりの夫婦が保護されてている。私が連れてきたのだ。
三十分程前だろうか…此処、「幻想卿」で私はいわゆる運送業を営んでいた。
しかし場所が場所、おまけに私は数年前にこの世界に迷い込んだ人間、
いわば「余所者」だ。そんな私に顧客など付くはずも無く、たまに注文を受けては気ままに運ぶ、というものだった。
毎日が気ままで、自分が暮らせる程度の糧を得られれば良かったので、苦には感じなかった。
そんな気ままな日々の中、私は彼等と出会った。
「でいぶをゆっくりばなじずんだぜぇぇぇ!!」
「ばりざぁぁぁ!!ゆっくりでぎないよぉぉぉぉ!!ずっぎりぃぃ!!」
仕事帰りの冬の夜道にその叫び声は響いていた。何事かと駆け付けてみると、泣き叫ぶゆっくり霊夢の上に男が覆いかぶさっていた。
おそらく霊夢の夫であろうゆっくり魔理沙は男にやられたのだろう、透明な四角い箱に閉じ込められていた。
「ああああぁぁ!!霊夢かわいいよ霊夢ゥゥゥゥ!!」
男は霊夢に頬ずりをしながらなんだろう、ちょっとアレな事をしていた。
つまりレイパーお兄さんの様だ。
別にゆっくりがどうなろうが知ったことでは無いのだが、居合わせた以上助けるのが筋という物だろう。
多少ながら腕っ節には心得があったので、二匹を助けることにした。
「そこの君、なにをしているんだね?」
男は動きを止めると振り向き様に襲い掛かってきた。
一応妖怪に分類されるだけあり、素早い反応をしてくる。だが、こんな者に手こずる様では此処の運送屋は勤まらない。
「シッショー!!」
「ハッハッハァァー!!・・・・・・・勝利ナド容易イ・・・・!!」
勝負は一瞬で付いた。
そして数分後・・・
二匹は私の家に保護されていた。二匹は完全に錯乱していて訳の分からない事を口走っていた。
「もうずっぎりイヤァァァァ!!!ゆっぐじじだいぃぃぃ!!」
「でいぶぅぅぅぅ!!ゆっぐじじようぜぇぇぇ!!ここは魔理沙だじのおうぢだぜぇぇぇ!!ゆっぐじくぁwせdr.....!!」
ちゃっかりオウチ宣言をしてるあたり魔理沙の方が多少落ち着いてると言えよう。
まずは魔理沙に話を聞いてみることにした。
「いったいなんでこんな事になったんだ?」
「うわぁぁぁぁ!!おじさんだれなんだぜ!ゆっくりれいむからはなれてね!!」
魔理沙は霊夢を庇うように眼前に立ちはだかった。良く見ると微かに震えを隠せないようだ。
というか、助けてあげたのにこの扱い・・・私は軽くうなだれながら魔理沙を諭した。
「落ち着け、さっきのお兄さんはいなくなった。もう此処は安全だ。とりあえず帽子を直せ、落ち着かん。」
怖がらせない様に出来るだけゆっくりと話し、ズレている帽子を直してやる。
「ゆぅ!?ありがとね!・・・ほんとだ、おにいさんがいないぜ。」
周囲を確認してやっと今の状況に気がついたようだ。
「さっきはごめんねおじさん!たすけてくれてありがとだぜ!!」
一先ず落ち着いてくれたようだ。
「調子がいいのか素直なのか・・・何はともあれ落ち着いてくれてなによりだ。」
魔理沙が落ち着いた頃、霊夢は疲れてしまったのだろう。死んだように眠っている。
とりあえず今話せる状態なのは魔理沙だけだ。私は彼(彼女?)にここに至るまでの経緯を聞く事にした。
よっぽどの事が無ければゆっくりは人里には下りてこない。なにかしら事情があったのだろう。
「一体何故こんな危険を冒してまでこっちに下りて来たんだい?」
彼は私を危険では無いと判断したのだろう。吐き出すように事の次第を話していった。
冬場の蓄えがたりず越冬が出来なくなった事。その足りない食料を確保するために栄養価の高い人間の食べ物が必要だった事。
探し回った挙句お兄さんにチョコで釣られてしまった事。子供がまだ巣に居て二人の食料を待っているという事。
数分後・・・・
気づくと私は魔理沙達の巣の前に佇んでいた。
なにをやっているんだ私は・・・まさか自分が行きずりのゆっくりの為にここまでするとは思っていなかった。
彼のすがる様な眼を見たら・・・その・・・行くしかないじゃない!!
警戒させないようにゆっくり巣に近づく。なにやら声が聞こえる。
「おにいしゃんはゆっくちできりゅひと?」
「ああ、出来るとも・・・君達が居ればなぁぁぁぁ!!!!」
「ゆぎゃぁぁぁ!!ゆっくちやめちぇにぇぇぇぇ!!」
嗚呼、またお前か。
「君ノ死二場所ハ此処ダ!!!」
「シッショー!」
数秒後・・・
一言で言おう。MAXで警戒されてしまった。
たしかにゆっくりにはちょっとショックが強すぎたようだ。
「ゆっくりでちぇってにぇ!!」
震えながら固まっている。衰弱しているのだろう、色がくすんでいる。
しょうがない、奥の手を使わざるを得ない・・・・
「君達!あまあまは好きかい!?」
クッ!どこぞのお兄さんと同類になったようで虫唾が走る・・・
「だいちゅきー!!」
「引っかかるのか・・・血は争えないか・・・・フフ・・」
ふと笑みがこぼれる、笑ったのは何ヶ月ぶりだろうか。
だがまだ楽観視は出来ない。多少栄養を採ったとはいえまだ到底足りていない。急がなければ・・・
「君達ちょっと荒っぽいが・・・許せよ。」
「ゆっきゅりがんばりゅよ!!」
全身に力を込める・・・(※赤ゆっくり達にはちゃんと安全策をとってます)
「我が運送業最終奥義!阿修○閃空!!」
「ゆっくちしちぇいってねえええぇぇぇぇ.....」
コンマ数秒後・・・
「もう・・・生きて・・・俺の・・・塵・・」
どこぞの塵閣下のようになった赤ゆっくり達を魔理沙達の傍らに置く。
パパッと栄養を採れるようにあむぁーいホットミルクを飲ませる。
「ごーくごーく・・・・ちあわしぇー!!」
もうツヤッツヤ、ツヤッツヤである。
当の魔理沙はさっきの出来事で相当疲れてた様で、熟睡している。
口の周りに食べかすが付いている・・・急いでいて冷蔵庫の中は確認していなかったが、だいたい想像はつく。
ちゃっかり霊夢にも食べかすが付いていた。
赤ゆっくり達も安心したようで二匹に寄り添って寝てしまった。
さて、私も少々疲れた、そろそろ寝るとしよう。ゆっくり一家に毛布をかぶせ、私も床に就いた。
そして夜が明けた。
「あがぢゃあぁぁぁん!!でいぶのあがぢゃああぁぁん!ばりざぁぁぁ!あがぢゃんがいるよぉぉぉ!!」
「ぼんどだああぁぁぁ!すごいゆっくりしてるぜぇぇぇぇぇ!!」
騒々しい叫び声に叩き起こされる。
「何事だ、騒々しい。」
不機嫌に起き上がり様子を見に行く。
見ると霊夢と魔理沙が赤ゆっくりの周りをボンボン跳ねている。よほど嬉しいのだろうか。
とりあえず声をかける。
「意外に元気そうじゃないか。」
ピタッと二匹の動きが止まりゆっくりとこちらに振り向く・・・
「おじざぁぁぁぁん!!ありがどおぉぉぉ!!」
体当たりに近い勢いで飛び込んできた。
「To!Easy!!」
「ゆぎゃあああぁぁぁぁぁ!!」
「Die.....Yabo.....」
おじさんは寝起きが悪いとついやっちゃうんだ☆
「ゆっぐ・・・ひどいよ!おじさん!」
顔から落ちた様で、涙目で怒られた。
「いや~、すまんすまん・・・」
「ゆっぐ・・・ゆっぐ・・・」
「まりさをいじめないでね!!まりさをいじめるやつはれいむがゆるさないよ!!!」
魔理沙の傍らに霊夢が寄り添う。
「だからすまなかったと言ってるだろう・・・」
早朝から二回も怒られてしまった。
やっと魔理沙が泣き止んでくれた・・・・
「もう!おじさんいたいよ!!」
「ああ、許せ許せ・・・」
ワシャワシャと魔理沙の頭を撫でてやる。
「ゆへへへ、わかればいいんだぜ~!」
案外まんざらでもない様だ。
「ゆゆ~!魔理沙ばっかりずるいよ!!」
お前はさっきまで私に怒っていた気がするんだが・・・まぁいい・・同じく撫でてやる。
「ゆ~!ゆっくりなでてってね!!」
こちらもご満悦である。
この家に居る経緯については魔理沙が説明していた様で、霊夢は余程怖かったらしく泣き出してしまった。
それをなだめる魔理沙もまた少し泣いている。魔理沙も子供達への思いと自分の夫としての責任感で踏ん張っていたのだろう。
それを見るうちに私の中に不思議な感情が沸きあがってくる・・・
これまでは、ただ自分のために働いてきた。
自分が食べるため、暮らすため、楽しむため。最初は良かった。
気ままに暮らし、気ままに食べ、気ままに遊ぶ。それで良かった。楽しかった。
だが、ある日から虚しく感じた。抱えるもの、背負うものの無い日々はただ不毛のように感じていた。
彼等を助け、その笑顔を見たとき、私は確かに満たされていた。
気付くと、私は彼等に声を掛けていた。
「君達、ウチで働いてみないか?」
自分でも驚いていた。
二匹も戸惑っている様子だった。
私は言葉を続けた。
「巣は先客にほぼ潰されてしまって使い物にならなくなっていた。巣が無くては越冬は難しいだろう・・・なに、ちょっと手伝ってくれるのなら
生涯住む場所と飯を保障しようというのだよ。」
「おじさん!それほんとう!?」
霊夢がすかさず食いついた。
「だめだぜ!」
その声を遮ったのは意外な事に魔理沙だった。
「ここまでしてもらったのにおうちまでもらうわけにはいかないんだぜ!!」
当然といえば当然だろう。襲われている所を助けられ、食料だけでは無く子供まで助けて貰ったのだ。
これ以上何か望むのは罰が当たる。というものだろう。
「ゆ~!まりさ!なんでだめなの!」
「れいむはだまってるんだぜ!!」
不満そうな霊夢を魔理沙が一括する。
「とにかくまりさたちはじぶんたちでゆっくりプレイスをさがせるからへいきなんだぜ!!」
外は猛吹雪、屋内から出ればたちまち遭難してしまうだろう・・・
運よく巣まで帰れたとしても餌はおろか防寒用の草すら無い。
この家族が全滅するのは目に見えている。
しかし、これ以上恩を受けるのは魔理沙のゆっくりとしてのプライドが許さなかった。
「君は何か大きな勘違いをしていないか?」
私は更に言葉を続けた。
「まさか、私が同情や情けで君達を住まわせようとしている。そう思ってるのでは無いのか?」
魔理沙が驚いた顔で振り返る。
「ゆ?ちがうの?」
私は真剣な顔で魔理沙に語りかける。
「違うな、私は君をスカウトしているのだよ。わが社で働いて欲しいとね。それに、恩を受けたら返すのが筋という物だろう?
ならば、わが社で働き少しずつでも貢献してくれれば私としても助かる。つまりギブアンドテイクだ。住居の保障はおまけの
様なものだ。生憎、社員が一人も居なくてな・・・部屋なら空いている。どうだ?わが社で働いてはくれないか?」
「ゆゆぅ~・・・」
魔理沙は私の眼をジッとている。
しばらくすると「ゆっふっふっふ」と不敵に笑うと胸(あご?)を張った。
「そこまでたのまれたらことわれないぜ!おじさんのかいしゃでまりさの「びんわん」をふるってやるぜ!!」
「決まりだな!よし!君達は今日からわが社の社員だ!よろしく頼むぞ!!」
「ゆっくりまかせてね!!」
「ゆ~!まりさかっこいい~!!」
霊夢に褒められて魔理沙の胸(?)は燃える闘魂のようにシャクれていた。
「よし、じゃあ別室で契約書を書くから魔理沙君!付いて来たまえ!」
「ゆ!ゆっくりりかいしたよ!!」
「がんばってねまりさ!!」
霊夢が魔理沙に頬を寄せる。
「て、てれるぜれいむ~!」
「あ、霊夢君、君も育児終わったらバッチリ前線に来てもらうぞ!!」
「ゆがーーーん!!!」
歯茎をむき出し真っ白になっている霊夢を置いて魔理沙と別室に移動する。
契約内容をざらっと説明していく(あくまで形式的なもの)
最初は魔理沙も「ゆ!」、「ゆっくりりかいしたよ!」などと元気に返事をしていたが、「ゆ、」、「ゆぅ」と元気が無くなっていった。
「どうしたんだ、魔理沙君」
見ると魔理沙は泣いていた。ボロボロと涙を流していた。
「おじざん、ありがどう!!」
契約書は涙で滲んでしまっていた。
「フン、ウチは厳しいからな、覚悟しておけよ。あとおじさんっていうな、社長と呼べ。」
ニヤっと笑いながら魔理沙の頭をポンと叩く。小さく「ゆッ」と返事が聞こえた。
契約が終わる頃下の階が騒がしくなってくる。
「お、子供達が起きたようだな。ほら、いつまで泣いてるんだ。父親だろう。ビシっと決めていけ!」
魔理沙の帽子に社のエンブレムを付けてやる。
「さぁ、今日から忙しくなるぞ!魔理沙君!!」
「いわれなくてもわかってるよ社長!!」
魔理沙は忙しく一階にドタドタ下りていった。
「こらー!ゆっくりしてなきゃだめなんだぜー!!」
「まりさぁぁぁ!!そのこつかまえてぇぇぇ!!」
下から賑やかな声が聞こえてくる。
「ふぅ、先が思いやられるな・・・」
一人頭を抱えるが、その顔はどこか嬉しそうで晴々としていた。
数ヶ月後・・・
そこにはゆっくりと人間が運営する運送屋が根付いていた。
社員は魔理沙と霊夢と子供達を加えて5~6人(匹?)程だがその仕事ぶりから周囲から評価されていた。
「ゆ~!まりさ!こーまかんに「まどうしょ」のはいたつだってー!!」
「ゆぅ~!社長はどうしたんだぜ~!」
「社長はおちびたちに「うんそうのしどう」だって~!!」
「ゆぅ~しかたない、ゆっくりすみやかにいってくるぜ!!!」
その頃・・・紅魔館・・・
門番の美鈴さん運送受諾の連絡を受けていた。
「魔道書ね…来るまで少し掛かるだろうし少しお昼寝でも……あら…うそ……」
スィー…
「またせたぜ!ゆっくりうんそうだぜーー!!」
ゆっくり運送は今日も忙しい。
「おまけに限りなく近い何か」
紅魔館から魔理沙が帰ってきた。
「おぉ、帰ったかご苦労さん!魔理沙くん。」
「ゆっくりかえったぜ!つかれたんだぜ~!」
「お疲れの所申し訳ないんだが、台所の冷蔵庫の中身が弾けて混ざってるんだが…なにか知らんかね?」
「ゆ!?…ゆっゆ~♪たぶんどろぼうさんなんだぜ!」
「ほぅ、魔理沙君、この監視カメラの映像を見てくれ。コイツをどう思う…?」
そこには冷蔵庫を漁る魔理沙の姿が!!
「すごく…高画質です…」
「君ノ死二場所ハ此処ダ!!」
「ゆぎゃあああぁぁぁぁぁ!!ごべんなざああぁぁい!」
今日も社内は賑やかですw
- 楽しませてもらったよ、だけど一部の表現を嫌う人もいるから気をつけてね
続きも見たいね -- 名無しさん (2009-03-31 09:20:30)
- 読んで下さって有難う御座いますorz
確かにアレ(恐らくレイパー表現でしょうか?)の表現は我ながら頂けませんね。
そこに気を配りつつ、精進したいと思います。 -- 作者 (2009-03-31 18:30:08)
- ギリギリなネタは結構好きです。
どの辺りまでならやっても大丈夫なのかはここのssを色々読んだり、
ssがスレに投下された際の反応を最近の過去ログで見るといいですよ。
基本的には東方創想話レベルの表現なら大丈夫かと。
(産廃創想話と東方夜伽話レベルはちとキツイかも) -- 名無しさん (2009-03-31 19:05:10)
- なるほど、一応他の方の作品も参考にさせて頂いているのですが。
何分新米なもので、至らぬ所もあるかと思います。
私自身、出来るだけ楽しんで頂ける様な作品を作りたいと思っていますので、
より一層の精進を心がけたいと思います。 -- 作者 (2009-04-01 02:40:25)
最終更新:2009年04月01日 02:40