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始まりの物語

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始まりの物語


「勢いでこの町を私の監獄化させてしまったがこれでよかったのだろうか」
「呪文による魔力残留の異常値も観測されていますし、最善とは言えませんが悪い判断ではないかと」
「五段階評価だと?」
「三ですね」
「普通だなぁ……」
ファウストの呪文で降って来たアレはどうやら隕石を模した物だったらしく
町を破壊するばかりか人体にただちに影響を及ぼすほどの魔力を帯びていた。
隕石もどき自体は衝突と同時に消滅したものの魔力はそのまま残り、危険地帯として残ってしまっている。
この地に隔離されたソーニャたちは瓦礫を処理しつつ、土地の除染も行うことになった。
当初はソーニャと町救出にやってきたヘッセの二人でやろうとしていたのだが……。
「ソーニャさーん」
「コユキたちも戻ってきたな」
どういうわけかコユキと亀も残っている。
ここに居たって仕方ないんだから他の町に行きなさいと説得したものの
「ソーニャさんの従者ですよ! 一応!」
と忘れかけていた設定で胸を張り、居残りを主張。
「これだけの掃除を三人でやるのは大変だろうし手伝うよ。
 ……いや、魔法の実験し放題とか考えてないよ?」
と亀は怪しい理由で残った。
ちなみにロゼッタは臨時でこの町の町長に就任。
避難した人間の情報を管理したり、他の町村の長たちと様々な交渉をしている。
そしてビゼンはそれに連行された。
「力仕事なら俺の出番だしな」
と残る気満々だったが
「おやおやおや、女四人の中に混ざる気ですか? あなたは」
とロゼッタにひどく詰られ、心が折れたらしく今は副町長をしている。
他にも町に残ると希望する人間は数人いたが
今後の生活についての保証も出来ないし、魔力の残留だけでなく魔物の侵入も確認されているので
結局この四人だけ居残ることになった。
今は住民の荷物の搬出も終わり、建物を崩し更地にするだけだ。
「やれ、町を守る仕事のはずが開拓の仕事になっちゃったな」
「私もお手伝いします」
「そういえばヘッセさんっていつまでここにいるの?」
「……いつまでなんでしょう」
「いや、私に聞かないでくれ」
そんなこんなでソーニャたち四人は今も町で元気に暮らしている。
町は滅びてしまったけど世界がが終わるその時までこの土地を守り続けるのだろう。
こういうのんびりした生活も悪くは無い。

でもこの時、ソーニャ――私は知らなかった。
「ところで亀はどうした?」
「あ、なんか魔術書を拾ったとかどうとか。
この物語が続くということを。



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