近畿財務


142 - 参 - 行政監視委員会 - 7号 平成10年06月08日
竹村泰子君 
 今参議院では行財政改革・税制等特別委員会が開かれておりまして、大臣、毎日御苦労さまでございますけれども、そういう合間を縫って私どもは今国会中に、先日は厚生省、通産省、そして総務庁などにこの委員会においでいただいたのですけれども、何といったって官庁の中の官庁と言われる大蔵省をお呼びしなければやはり私たちの役割は果たせないだろうということで、ずっと折をねらっていたわけでございます。
 理事会では委員長に御努力をお願いいたしまして、きょう突如として時間があいたということでこの委員会、大蔵大臣においでいただいて開くことができたわけでありますので、私たちも十分な準備ができていない、しかも時間が二時間しかないということで、我々の質問時間も非常に短いものですからなかなか思ったようなことが言えないと思いますけれども、幾つか時間の許す範囲でお聞きしてみたいと思います。また、残りました分につきましては折を見て何かのときに質問させていただきたいと思います。
 大阪の朝日新聞、これは大阪版だけなんですけれども、こういう報道を見つけました。「関西金融再編に影響も キーマン二人姿消す」、こういう見出しなんです。
キーマン二人というのは、言うまでもなく杉井孝大臣官房審議官と墳崎敏之近畿財務局長のお二人で、関西の金融再編のキーマンと見られていたという報道であります。
 大臣はよく御存じのとおりでありますけれども、
杉井氏は銀行局審議官として中小金融分野を担当、同年十一月、第二地銀の阪和銀行に銀行として戦後初の業務停止命令を出す決意をされた。また、昨年は、預金保険法改正のために奔走をなさったというふうにお聞きしております。今回の処分で杉井氏は、処分を受けた後に自主退職をしていらっしゃいます。
墳崎氏は官房付となり、キーマンが二人いなくなった関西の金融界は非常に大きなショックであったというふうに見られているわけであります。
 私が何を言いたいかといいますと、接待王と呼ばれるような、すごい接待の洪水を毎日毎日受けておられたこの方たち、キャリアの方たち、もうラーメンが食べたいよと。毎日毎日宴会の料理はもう嫌だよ、僕はラーメンが食べたいよとおっしゃるくらいの接待漬け攻勢であったということであります。接待を受けられる官僚はできる官僚なんだという、関西金融界のキーマンとか、あるいはもうお一人お一人お名前は挙げませんけれども、さまざまな接待漬けになっておられた方たちは仕事のできる人たちだった。仕事のできる人間にお座敷がかかるのは当たり前だろうと自負しておられたと。これは杉井さん御本人がおっしゃった言葉だそうです。それは当然のことだろうと。私の目に触れたのは朝日の大阪版の記事でありますけれども、他紙も大阪紙面ではこのような記事が出ていたのではないかと思います。
 この接待王たちの自負といいますか傲慢といいますかおごりといいますか、こういうことが大蔵省の常識になっていたというふうに私どもは思います。その大蔵省の常識がこういった腐敗を呼び、キャリアの犯罪を呼び、そして大蔵省のみならず省庁のキャリアたちの犯罪が次々と暴露されている、露呈しているということではないかと思うんです。
 大蔵省の体質となっているということになりますと、露呈するのはこれは交通事故と同じで不運だったと。みんなやっているのに当たり前のことなのに。私どもがいただきましたこの処分の名簿、そして処分事由、処分内容を拝見しても、百十二名の方たちの処分事由というのをずっと読んでおりましたらそういう感がするのであります。まさに接待されるのは、できる人が当たり前のこととして、当然のこととして接待を受けている。露呈したのはほんの不運な人であってというふうな言い方を私たちは聞くわけであります。
 こういうことで、杉井さんについては一番重い停職四カ月ですか、これは非常に重い処分だったというふうにおっしゃっておりますけれども、こういう体質が果たしてこれらのことで今日是正されてきているのだろうかと非常に私は疑問に思うわけであります。
 今回の処分で、松永大蔵大臣は、当初は事務当局の案を見た上で自分で判断するという態度で臨んでおられた。首相や自民党幹部の感情を探っておられるうちに、事務当局主導による従来の処分の延長線では首相官邸が納得しないという判断に達しられたというふうにお聞きしております。
 橋本龍太郎首相は、小村前事務次官に辞表を持ってこいとおっしゃったと。三塚前大蔵大臣が金融検査をめぐる汚職事件の責任をとって辞任をされた。このとき小村さんと武藤敏郎官房長は居座りを決め込むつもりだったといううわさを聞いております。監督責任を名目にして、次官、官房長に戒告程度の処分をするという案をつくり、橋本総理のところに持っていった。このときにはまだ松永さんは蔵相におなりになる前ですから、橋本さんに持っていったと。当時、それに対して総理の怒声が飛んだわけでありまして、小村、武藤両氏は辞任を申し出たのに対して、武藤氏については立て直しのため残れという命令を出されたと、こういうふうにお聞きしておりますが、大蔵大臣、これは事実と違いますか、どうですか。

153 - 参 - 財政金融委員会 - 12号 平成13年11月22日
櫻井充君 
 大和都市管財についてちょっとお伺いさせていただきたいんですが、この事件で、まず一つ、これは近畿財務局がいつごろから問題と思っていたのかというのが非常に問題でして、これは被害額がたしか一千四百億円程度だと言われておりますよね。
 このことに関していうと、近畿財務局の責任は問われるのか問われないのか、まずその点について教えていただきたいと思います。
副大臣(村田吉隆君) 
 責任が問われるか問われないかという御質問でございますが、これまでの経緯を概略申し上げておきたいというふうに思います。
 この抵当証券業者ですが、昭和六十三年に業法に基づきまして新規登録がなされまして、三年ごとに法律では登録を更新するということになっております。財務局では三年ごとに大体立入検査をやってきたと、こういうことになっておりますが、問題点を指摘しましたのは
平成六年の九月に実施した検査においてでございまして、その結果、私どもは大和都市管財株式会社の子会社の経営内容が非常に悪いということを把握
したわけでございます。
櫻井充君 
 それで、営業停止というんでしょうか、大和都市管財の証券業登録の更新を拒否しましたよね、ことしの四月十六日に。この拒否した理由をまず教えていただけますか。
副大臣(村田吉隆君) 
 先ほどの続きでございますが、平成六年に検査をして、業況が悪いということで指導いたしまして、将来、抵当証券を持っておられる方の買い戻しのそういう資金が枯渇するということも懸念されたものですから、そういう意味で自主的に経営健全化計画を出しなさいという形で、それを八年に業者が出してまいりました。
 その後、九年に改めての登録更新の年が来るわけでございますが、その年に出てきた内容を見まして、また問題がございますので検査を進めた結果、平成九年の十月に経営健全化業務改善命令を出したと、こういう形になっております。
 その後は、業務改善命令の中で幾つか条件を出しましたんですが……
櫻井充君 更新の拒否の理由だけ教えてください。
副大臣(村田吉隆君) わかりました。
直近の平成十二年の立入検査の結果、抵当証券業の規制等に関する法律に規定される登録の更新に必要な財産的基礎を欠くということを把握したために、再度の登録の更新を拒否したという形
になっておりまして、
あわせて会社整理の通告をした
と、こういうことでございます。
櫻井充君 
 財産的基礎を欠くというのは、そうしますと、平成十二年度になって初めて財産的基礎を欠くということを認識されたということですか。
副大臣(村田吉隆君) さようでございます。
櫻井充君 
 これは命令書が出ておりまして、これの日付が、この郵便物が送られているのは平成九年十月三十一日ですけれども、
近畿財務局から大和都市管財の方に命令書が送られております。
その命令書の中に、貴社の融資先である関連会社はいずれも経営状況が極めて悪いとか、結果的に貴社の経営が困難になる可能性があるということをもう命令書にはっきり書いておりまして、気がついたのが十二年というのはちょっとおかしいんじゃないですか。
副大臣(村田吉隆君) 
 私どもは、抵当証券業法に基づきまして、本体の抵当証券業者に対しましての財務内容の把握をする権限は有しておりますが、その時点におきましては、九年の時点については、グループの会社の財務内容の悪化によって本体の経営に、財務内容に影響を及ぼす可能性があるとは認識いたしましたけれども、本体の方は債務超過ではないと、すなわち財産的基礎を有しているという、そういう認識をしておったわけでございます。
櫻井充君 
 その判断は正しかったんでしょうか、今になってみると。
副大臣(村田吉隆君) 
 私どもの法律に与えられた権限の範囲内で検査は適正になされておったと、こういうふうに考えております。
櫻井充君 
 検査が適正になされたとおっしゃっていますが、関連会社に関しての調査権がないというお話ですけれども、そうであったとすると、「融資先である関連会社はいずれも経営状況が極めて悪く」と、なぜこれに書けるんですか、文書に。
副大臣(村田吉隆君) 
 直接関連会社に立ち入って調査、検査する、そういう権限がない中で、本体の抵当証券会社を通じまして、子会社のそういった財務内容の把握に努めていたと、こういうことでございます。
櫻井充君 
 それで、そういうことを知った上でも財産的基礎を欠くという判断はできなかったということですか。
副大臣(村田吉隆君) 
 私どもは、そういう子会社の経営状態の悪化というものを把握しながら、なおかつ抵当証券の払い戻しの原資というものを確認しつつグループ全体としての業務改善命令を出しながら経営状態の改善を期待しておりましたということでございます。
櫻井充君 
この当時、大阪府警は、同社の金融商品の取引に絡んで詐欺容疑で立件しようとしたと。
近畿財務局と連携をとって、近畿財務局が債務超過を理由に抵当証券業の登録更新拒否を行い、同時に府警が着手という、そういうシナリオを大阪府警は描いていたんだそうですが、着手予定日の一週間前に近畿財務局が突然手を引いたと、これは事実でしょうか。
副大臣(村田吉隆君) 
 私どももそういう報道があったということは承知しておりますが、今委員の御指摘なさったような事実はございません。
櫻井充君 
 こういう中で政治家の関与が随分取りざたされているわけですが、これは名前は伏せておきますが、その圧力をかけたのではないかと言われている議員の方が、平成十年の四月十日の大蔵委員会でこういう質問をされているんですね。「一方で、金融関係でいいますと、それだけ資金がふえてくるわけでありますから、有利、確実な運用というようなものだけでなくて、」ここからなんですが、「リスクはあるけれども収益性が高いというものの商品が当然必要になってくる。」と、これは大和都市管財のことに関して後押ししているような質問じゃないだろうかと私は思うんですが、「それが国民のために資するものである。」と、そうまで言い切っておられます。
 そこで、その答弁の方では、「国民が勤勉、努力で働いて稼いだお金、そのお金の運用手段を充実するという面が一つ。そしてまた、仲介業者の方は魅力ある金融商品を提供しやすくする、こういったことを通じて国民の有利な資産運用を可能にする」というような答弁をいただいております。
 どうも、KSDの問題の際もそうだったんですが、国会での質問を、こういうことを仲介する、仲介というか、やっていく中で有利に導くように思える質問をしているわけです。
 この方は、実際、最初は全く知らなかったというお話をされていましたけれども、結果的には大和都市管財とおつき合いがあるというようなことも後で判明してまいりまして、ころころころころ変わってきておりますけれども、国会のこの質問に関してどうお考えですか。
副大臣(村田吉隆君) 
 個々の委員の発言の意図につきまして、私もその意図はつまびらかにいたしませんし、私がコメントをする立場にもないと考えております。
櫻井充君 
 今この大和都市管財に関して責任を持って調べられている方はどなたですか。
副大臣(村田吉隆君) 
 私ども金融庁では、昨今、この件に関します報道が相次ぎましたものですから、十一月の初めに、私をキャップといたしまして、関連のことについて調べるチームをつくったところでございます。その意味では、私がキャップとして調査をしているということでございます。
櫻井充君 
 それでは、事実確認を行わさせていただきたいんですが、その当時の大蔵大臣でございました方が、名前を出した方がわかりやすいので出してしまいますが、三塚博その当時の大蔵大臣です。その方からの紹介だと坂井さんはおっしゃっているわけですが、一方で三塚さんは、そういう紹介は全くしていないということで、お互いの意見が違っておりますが、これはどちらの言い分が正しいんですか。
副大臣(村田吉隆君) 
 実は、私がキャップとなりまして調査を進めた範囲でございますが、私どもが尋ねるそういう権限がございます当時の抵当証券関連の業務をしておりました近畿財務局並びに本省の職員を調査したということでございますので、今御指摘の二人の議員につきましては調査が及んでいないとお答えをいたしたいと思います。
櫻井充君 今後調査する意思はおありなんでしょうか。
副大臣(村田吉隆君) 私どもは、役所の金融庁の中で、その傘下にある人間についての調査を進める、こういう調査をしてきたと、こういうことでございます。
櫻井充君 
 ある意味、この事件の本質のところなのかもしれないわけです。つまりは、
近畿財務局としては、あれだけの命令書を出していて何らかの処理、処分をしたかったかもしれない。しかし、そこのところに政治家から横やりが入ったためにその機を逃してしまったという、これは結果的にマスコミ報道でございますが、実をいいますとある関係者の方からそういう証言もいただいております、私は。
そういうこともございますので、そのところが非常に大きなポイントになるんだろうと思うんです。
 この点について改めてお伺いいたしますが、きちんと調査なさるんでしょうか。
副大臣(村田吉隆君) 私どもは金融庁の組織の中の人間を通じてしか調査を進める立場にない、こういうことだろうと思っております。
櫻井充君 それで問題の本質は解決するとお思いですか。
副大臣(村田吉隆君) 
 私どもが組織の中で、法律上も、組織の人事権の中で聞けるのはそういう内部の職員である。要すれば、その職員を介してそういうコンタクトがあったかということは聞けると思いますが、直接、当時の大蔵大臣あるいは坂井委員に聞くということは、私どもの権限の範囲を超えるものであると解釈しております。
櫻井充君 
 権限の範囲を超えるんなら超えるで結構ですが、そういうことを調査なさらないでこの事件の全容が明らかになるとお思いですか。
副大臣(村田吉隆君) 
 いずれにしましても、私どもの内部の調査によりましては、当時大蔵省でございますが、我々の当該大和都市管財に対します検査・監督というのは厳正に行われてきた、こういう結論でございます。
櫻井充君 
 答弁になっていないと私は思いますが、じゃもう一点別な角度から。
平成十年の四月二十七日に墳崎敏之元近畿財務局長が懲戒減給
を受けていますが、この理由を教えてください。
副大臣(尾辻秀久君) 
 御質問のございました墳崎氏を含め、当時、今おっしゃいましたように平成十年一月から四月でございますけれども、大蔵省の金融関連部局に在籍いたしました課長補佐以上の職員、これ全部で一千五十名以上おるわけでございますが、これらを調査対象といたしまして、
平成五年一月一日から九年十二月三十一日までの間に金融機関等との間における会食、ゴルフ等の行為について調査を行ったところでございます。調査の結果をもとにいたしまして厳正に処分
をいたした、こういうことでございます。
櫻井充君 
 具体的に教えていただけないですか。この方は大和都市管財の接待を受けているんですか。
副大臣(尾辻秀久君) 
 この件につきましては、改めまして墳崎氏に確認をいたしております。今般のことがございましたので、確認をいたしました。接待を受けたことはない、こういう回答でございます。当時もそういう調査の結果はございません。
櫻井充君 
 もう一度整理し直したいんですが、そうすると、近畿財務局には基本的には、今のところの調査では政治家からの圧力というのはなかったということになりますね。
副大臣(村田吉隆君) 
 いろいろ聞きまして、結果的に申し上げますと、何人かの政治家からの問い合わせもあったようでございますが、それに関連してその職員が圧力を受けたということは調査の結果申しておらなかったということを御報告いたしたいと思います。
櫻井充君 
 じゃ、どういう内容のことを言われたんですか。どういうことを聞かれたんでしょうか。
副大臣(村田吉隆君) 
 当時のことを詳しく覚えていない者もおったわけでございますけれども、御披露いたしますと、例えば、検査に入っているようだがどういう状況でありますかとか、登録の更新がおくれているようですけれどもどういう状況なのかと、こういった感じでございまして、
総じまして同社に対しての一般的な検査・監督についての問い合わせであった
というふうに聞いております。
櫻井充君 
 官僚の方々に本当はお伺いしたいんですけれども、こういうことを政治家から言われた際に、それはどういうことを意味しているのか、もし本当にそういう話だったとすればですよ、それは要するに、何でできないんだと言っていることは、早くとにかくやってやれということを言外に置いているんじゃないだろうかと私は思いますけれども、改めてお伺いさせていただきたいんですが、そういう意図は全くなかったという今のところの判断なんですね。
副大臣(村田吉隆君) そのとおりでございます。
 委員が御質問でございますから、私もかつて国税局の部長をしていたことがございまして何件か経験がございますが、私ども職員といたしましては、そういういろんなお問い合わせがあっても、私ども組織が大事でございますので、それをもって自分たちの行政を曲げるということは断じてしてならないという、そういう覚悟のもとで行政をしているわけでございます。
櫻井充君 
 そういう方だけならいいんですよね。そういう方だけじゃないからいろんな問題が起こってきているんじゃないですか。数多くの方々が一生懸命やっていらっしゃるはずなんですよ。外務省だって、全部が全部ああいう人たちだけじゃないと思いますよ、私は。だけれども、結果的に一部の人たちがああいうふうになっちゃうからいろんなものが出てくるわけですよね。だから、全員が果たしてそうなのかというと、今までの例を見ていると、とても全員がそうではないと、私はそう思いますけれども。
 そこで、もう一つお伺いしたいのは、こういう中で大和都市管財の豊永容疑者が、金融関係に詳しい国会議員を紹介してもらえるように三塚さんの周辺に依頼したと。そして、三塚さんの方が坂井さんを紹介したらしいという経緯がありますが、この点についてはどこまで御存じですか。
副大臣(村田吉隆君) 新聞情報でそういう事実は報道されているということを私は読んでおります。
櫻井充君 その真偽を私はお伺いしているので、この報道自体が正しいのか正しくないのか、そこまでお調べになっているのかどうか、その点について教えていただけないですか。
副大臣(村田吉隆君) 先ほど申し上げましたように、私どもはそこまで調査はしておりません。

166 - 衆 - 財務金融委員会 - 19号 平成19年06月08日
古本委員 きょうは幾つか事実関係を確認したいと思うんです。
 公認会計士という方が、先日、協会長にもお越しをいただいて、まさに独立性を持って公正で中立でなければならないというお話でありました。その方々が、結果として、背後にある、自分たちが背負っておるマーケットの皆さんに、市場への参加者に対してその責任を負っているんだという大変重要な任務を担っておられると思うんですね。そういう立場の方々が、結果として、少なからず関与して、そのマーケットあるいはその金融商品にかかわる、夢を託した投資家を欺く行為が後を絶っていませんね。
先日、大和都市管財の判決が出ました。国賠の問題です。国がまさに敗訴したわけでありますが、この事案は、
恐らく九五年の、当時の近畿財務局長の御判断によって、行政指導、業務の改善命令、勧告を出そうとしたのをちゅうちょしたということが第一のフェーズだったと思っています。
その後、九七年に免許の更新を認めてしまった、登録更新をしてしまったというところが第二のフェーズであったというふうに、この判決文を読むと解釈ができます。
 しかしながら、これ、同様に、巷間、金融庁の方も言っておられますね。捜査機関ではない金融庁が、裏帳簿をつくって意図的に経営実態を隠されると、審査で見抜くのは難しい、これは正直な心のうちを吐露されていると思うんです。
 そこで、お尋ねしますが、当時の大和都市管財が近畿財務局に提出をした、自分のところの財務体質はこんなに安心なんだというふうに証言をしようとした資料は、だれがつくった資料なんでしょうか。
佐藤政府参考人 当社の顧問税理士が作成したものと承知をいたしております。
古本委員 
 企業の貸借対照表並びに利払いの能力があるか、そして、融資先、投資先の資産の状況等々を一税理士が書けたんでしょうか。例えば、会計士が指導したという事実はないでしょうか。
佐藤政府参考人 会計士の指導を受けつつ、その作業が行われたというふうに承知いたしております。
古本委員 
 つまり、この大和都市管財の問題は、これは既に判決も出ていますから、国はまさに今当事者ですから、控訴するかどうか、いろいろお考えなんだと思いますが、受けとめなければならない事実として、一千百億円に上る被害総額、そして、被害者の方々は一万人を超える、二万人に近い数だというふうに報道されておりますね。ですから、この人たちの思いを考えますと、当時の判断というのは、裁判の結果ですから余りここで立ち入るわけにはまいりませんが、まさに勝ったと喜んでおられる姿を見るにつけては真っ当な判断をされたんだな、こう受けとめています。
 問題は、当局としても、そういった資料を、裏帳簿をつけ、出されてこれだと言われたら信じるしかなかったんだと。そういったことに、残念ながら、会計士の方が指南し、そして作成は税理士がした。しかしながら、この会計士、かかわった方というのは何か処分を受けたんでしょうか。あるいは、免許の取り消しを受けたんでしょうか。そしてまた、五年たてばするりともとに戻るんでしょうか。教えてください。
三國谷政府参考人 
 この問題に公認会計士がどういうかかわり方をしたかということにつきましては、これは公認会計士が証明したことではなくて、具体的な事実は現在持ち合わせておりません。
古本委員 
 それはおかしいですよ。だって、当時は大蔵省の近畿財務局、そして本省でいけば銀行局、まさにプロが見て、その目を欺いたわけでしょう。そんななかなか手だれな仕事を素人ができるわけがありませんよ。用意周到につくった資料なんでしょう。それとも、おかしいなと思った資料だけれども、近畿財務局のある部屋で大和都市管財の当時の社長に恫喝されてひるんで、しようがないといって判こを押しちゃったんですか。
当時の近畿財務局長は今何をなさっておられますか。
九五年当時の、業務改善命令、勧告を出そうとし、財務局に出頭してもらい、まさにそれを伝えようとしたときに、恫喝され腰が引けたという近畿財務局長は今何をなさっていますか。
杉本政府参考人 
 財務省でございますので、事実関係だけお答えさせていただきます。
 先生お尋ねの当時と申しますと、財務局長の在任期間で申し上げますと、平成七年五月から平成八年七月までが該当するのかと存じますが、
その当時の近畿財務局長は渡辺裕泰局長でございます。
 当時の局長が今何をしているかということでございますが、私どもがいろいろな公開資料等から把握している限り、渡辺裕泰氏は、財務省退官後、平成十五年八月から現在まで東京大学教授、平成十六年四月から現在まで早稲田大学教授を務めていらっしゃるというふうに承知してございます。
古本委員 早稲田大学では何を担当されていますか。何教室の先生ですか。
杉本政府参考人 
 これも事実関係としてお答えさせていただきますが、早稲田大学のホームページにおきますと、現在の研究課題といたしましては、金融取引課税、国際課税、タックスプランニングが挙げられてございます。
古本委員 
 まさに二万人近い方が、当時の判断のおくれにより、とらの子の一千百億、それは多くの方は、将来の蓄えを切り崩し、夢を託したんでしょう。みんな述べていますよ。安全で確実な業者にしか大蔵省の許可は出ません、国の許可はちゃんととっています、それを信じたと。これは、当局の責任というのは物すごく大きいと思うんですね。当時九五年の、恫喝され威迫されてひるんだ局長は、今そういうことでお伺いしました。
 九七年、免許の更新を認めたときの局長も同じ人でいいんですか。二〇〇一年の当時の森長官が判断をして、免許の取り消しということで、登録の取り消しということで、この事件をやっと国としても認めるというふうに至るまでの間を担当した歴代の近畿財務局長並びに本省銀行局の担当局長は今どういう人生を歩んでいるんですか。全部教えてください。
杉本政府参考人 お答えさせていただきます。
 まず、お尋ねの近畿財務局長経験者からお答えさせていただきます。
 先ほど申し上げましたように、
平成七年五月から平成八年七月までは渡辺裕泰局長でございました。
その後、平成八年七月から平成九年七月までは原口恒和局長
関連項目 :  イオン銀行
平成九年七月から平成十年四月までは墳崎敏之局長
平成十年四月から十一年七月までが渡辺達郎局長
平成十一年七月から平成十二年六月までは金井照久局長
平成十二年六月から平成十三年七月までは増井喜一郎局長でございます。
 これらの元局長のうち、財務省において退官された方々の再就職状況を申し上げますと、まず、
渡辺裕泰氏、これは先ほど申し上げましたとおり、東京大学教授、早稲田大学教授を務めていらっしゃいます。
墳崎氏につきましては、財務省退官後、平成十三年九月から平成十六年六月まで産業基盤整備基金専務理事、平成十六年七月から十八年十二月まで財団法人公庫住宅融資保証協会副理事長、平成十九年一月から現在まで財団法人民間都市開発推進機構専務理事を務めております。
金井氏につきましては、財務省退官後、平成十七年五月から現在まで沖縄振興開発金融公庫副理事長を務めているものと承知しております。
 それから、当時の大蔵省の銀行局長でございますが、
平成六年七月から平成八年七月までは西村吉正銀行局長
平成八年七月から平成十年六月までは山口公生銀行局長でございました。
 これらの元局長のうち、財務省で退官いたしました者の再就職状況につきましては、
西村氏につきましては、大蔵省退官後、平成九年十月から現在まで早稲田大学教授、平成十一年十月から平成十二年十月までは国民生活金融公庫非常勤理事。
山口氏につきましては、大蔵省退官後、平成十年七月から平成十三年七月まで日本開発銀行及び日本政策投資銀行の理事、平成十三年七月から平成十五年六月まで自動車保険料率算定会及び損害保険料率算出機構の副理事長、平成十五年六月から現在まで日本政策投資銀行副総裁を務めていらっしゃると承知しております。
中江政府参考人 
 近畿財務局長経験者のうち、金融庁を最後に退職した三名の方の再就職状況について、当庁として把握している情報に基づきお答え申し上げますと、まず、先ほど杉本官房長の方から説明のございました、
平成八年七月から九年七月まで近畿財務局長として就任をいたしました原口氏は、当庁退職後、平成十四年七月から現在まで国民生活金融公庫の副総裁についていると承知しております。
 それから、
十年四月から十一年七月まで就任しておりました渡辺達郎氏は、当庁退職後、平成十四年六月に預金保険機構理事、その後、十六年七月に日本証券業協会に就職をしまして、現在、同協会の副会長についております。
 それから、
十二年六月から十三年七月まで近畿財務局長でありました増井氏は、当庁退職後、平成十七年九月に日本証券業協会に再就職をし、現在、同協会の副会長についていると承知しております。
 それから、平成十年六月に金融監督庁発足して以来の歴代の監督局長は四名おりまして、このうち、既に国家公務員を退職している者が二名、残る二名は現在も国家公務員として在職をしております。
 この退職者二名の再就職状況でございますが、当庁として把握しております情報に基づきお答え申し上げますと、まず、
乾氏は、当庁退職後、平成十三年七月から平成十八年八月まで日本政策投資銀行の理事についていると承知しております。
また、高木祥吉氏は、当庁退職後、平成十六年七月に国家公務員として内閣官房郵政民営化準備室副室長に採用され、その後、平成十八年一月に日本郵政株式会社の副社長等についていると承知しております。
三國谷政府参考人 
 恐縮でございます、先ほど不正確な答弁を申し上げましたので、訂正申し上げたいと思います。
 関与した会計士でございますけれども、逮捕されましたが不起訴処分になったということでございました。先ほど、その辺を申し上げることができませんで、恐縮でございました。

171 - 衆 - 消費者問題に関する特別… - 13号 平成21年04月09日
吉井委員 日本共産党の吉井英勝です。
 私は最初に、豊田商事事件以来の大型被害となった大和都市管財事件について聞きたいと思うんです。
抵当証券という金融商品で一万七千人を超える多数の被害者、一千百億円を超える被害を出した
ものですが、近財局は、一九九五年八月一日に、この業者に行政処分に係る弁明の機会付与の通知を出して、八月二十一日には業務改善命令の文書を発出したんですが、当時の近財局長は、これを突き返されて、そのまま業務改善命令を撤回して、二年後の九七年には、業者の方が経営改善五カ年計画を出してきたとして、結局、登録免許期限を迎えたこの会社に、そのとき職員は進言しているんですよ。だけれども、その進言を排除して更新登録を行いました。当時の墳崎近財局長の判断だったわけですが、部下の声を拒否して、この大和都市管財に免許を引き続き与えたために、被害は九〇年代末から二〇〇〇年代に入って急増しました。
 そこで、政府参考人に一言確認しておきますが、被害者の起こした国家賠償を求める訴訟では、一審、二審とも原告勝訴、昨年九月二十六日の大阪高裁の判決は、国が上告することなく確定したと思うんですが、確認します。
三國谷政府参考人 御指摘のとおりでございます。
吉井委員 
 そこで、お疲れのようですが、与謝野大臣にお伺いしますけれども、監督規制権限の恣意的不行使、恣意的に使わなかった、それをちゃんとしておれば被害を拡大しないで済んだのに、
当時の近財局長がこの大和都市管財に有利になるように働いた誤りで、結局、老後の生活資金を言葉巧みに巻き上げられた金融商品被害者を急増させることになりました。
 本来だったら、違法収益を剥奪して被害者に弁済させるというのが当然なんですが、加害者が散財して被害者救済を十分にはできないという。一方、
責任者の墳崎元局長などは、政府から無利子資金を融資している民都機構に天下りをしたということがあります。
 そこで、大臣に伺っておきたいんですけれども、金融消費者被害を拡大した金融庁とか近畿財務局が責任を感じないで、元局長は天下りというのは、これは一体何なんだ、国民からすれば非常におかしい、消費者からしてとても理解できるものじゃないわけですが、大臣はこの問題についてはどのようにお感じになっておられるか、伺いたいと思います。
与謝野国務大臣 
 裁判所で御判断になられたことがやはり客観的な御判断だと私は思いますし、その判決の教えるところに従って、今後金融庁は行動していかなければならないと思います。
 問題の処理に当たった局長がどのようなことをしたかということは、事実の問題を知りませんので何とも評価のしようがないわけでございますけれども、このように、やはり、この衝に当たった官僚のいわば不作為を裁判所から指摘されるということは、行政としては恥ずかしいことであると私は思っております。
吉井委員 
 近畿財務局でのこの稟議決裁をした文書の扱いとか、それから更新手続をした近財局長の誤りというのは裁判で既に明らかになっているんですが、
国家賠償を命じた判決の上でやはり大事な一つの契機になったのが、当時の近畿財務局の職員の公判での証言だったというふうに思います。
裁判所での証言台に立つことは、もちろん、国家公務員ですから、上司の決裁を得ているわけですし、公務員としての守秘義務を免除してもらって、証言を許されて立っているわけですね。
ところが、この職員は、真実の証言を行った後、実はもとの職場から異動、事実上の左遷扱いです。
それは、肩書その他はよく配慮するにしても。
 そこで、野田大臣に伺っておきたいのは、公益通報者保護法というのは今度消費者庁に所管を移すことになるわけですね。消費者政策委員会で事務をつかさどるということになるわけですが、上司の決裁を得て証言台に立って真実を語っただけでも事実上の左遷、これでは公益通報者保護などというものはできないんじゃないか。やはりこういうところは、ただ法律を移すということだけの話じゃなくて、どうして本当に消費者被害を防ぐ、拡大を防止する、被害を救済するためにどうするかということについてはやはり深刻に考えていかないと、所管がえだけで済む話じゃないと思うんですが、野田大臣に伺います。

最終更新:2013年08月17日 00:35