X-Statix

(マーベル、シリーズタイトル)

第二期"X-Force Vol.1":2001年5月1日〜2002年8月1日
出版:2002年9月10日〜2004年8月25日


概要

"X-Force vol.1”は#115までケーブル率いるミュータントチームを描いていたが、2001年5月の#116からはタイトル名を引き継ぎ全く別の新メンバーによるシリーズを描くようになった。この二つのチームは同名だが全く無関係でストーリーも連続していない。
「差別対象のミュータントが、市民の賞賛を得るためにヒーロー活動をする」というX-menのテーマを斜めから描くシリーズとなった。
敵も味方も流血沙汰や死人が続出しグロシーンの多用に加えギャグシーンも多く、パロディや芸能ネタも多用される。
さらに2002年8月にチーム名がX-Statixに変更されたことに伴い、コミックのタイトルも"X-Force"からX-Statixに変更された。
このような内容のコミックが誕生した背景には、2001年にマーベルがコミック倫理規定委員会から脱退し、表紙からコミックス・コードを廃し独自のレーティングシステムを採用したことがある。事実"X-Force Vol.1"#115までは表紙にコミックス・コードがプリントされていたが、新チームが活躍する#116からはコミックス・コードはなくなり、代わりに"HEY KIDS! LOOK, NO CODE!"(ほら子供たち!見て、コードなしだよ!)との文字が記載され、また#119からは"MARVEL PG"の文字が記載された。故に作中ではかつてコミックス・コードの禁止対象だった狼男やゾンビー、同性愛者などが多数登場することとなった。また主人公サイドが暴力をもって戦う理由が善のためではなく富と名声を得るためであることや、#116でいきなりチームがほぼ全滅し、内臓を撒き散らして死亡する残虐シーンが描かれたこと、ツァイトガイストと複数の女性との性的シーンの描写、アナーキストと裸の女性の混浴シーンなどあえてコミックス・コードで禁止されていた描写をやりたい放題描いていることもその撤廃と関連しているものと思われる。

チーム名として

始めは"X-Force"を名乗っていたが、すぐに第一期X-Forceから直々にクレームがつく(もちろんストーリー上のお遊びであり、実質的には旧メンバーのゲスト出演のようなもの)。その後、チーム名をどう変更するか議論が続き、あるメンバーの死をきっかけにX-Statixに改名した。同時にコミックのタイトルも"X-Statix"に変更される。

このチームは正義や信念のために戦うのではなく、戦いの様子をメディアで放送し、名声や富を得ることを目的としている。
本拠地は「X-Statixタワー」(所在地はロサンゼルス、サンタモニカ)で、カフェ兼グッズショップも経営。芸能人やスポーツ選手並みのセレブとして扱われ、映画スターたちとの親交もある。同時にマスコミのターゲットでもあり、常にスキャンダルを狙われている。

ミュータントが差別されるマーベル・ユニバースにおいて、メディアで人気の"X-Statix"に所属することは迫害される立場からの逆転を意味し、アメリカンドリームと認識されている。

敵を殺害することをタブー視しない一方で、味方の死亡率も異常に高い。連載初回のX-Force#116ではいきなりほとんどのメンバーが死亡する。
それでも参加希望者が後を絶たずメンバーが減る度に誰かが立候補する。メジャーリーグのように二軍組織が存在するらしく、チームに欠員が出たときはオーディションが行われる。中にはスポーツ選手のようにエージェントを介して待遇を交渉する者もいる。

メンバーは女たらしにヤク中、アル中、ゲイ、任務に入る前に力を使い果たして眠る奴、など曲者ぞろい。
ドゥープという奇妙な生物がカメラを持ち、その戦闘をテレビで放送している。

メンバー

初期メンバー(X-Force#116)

(各キャラの説明に飛ぶとネタバレがあります)
ツァイトガイスト :シリーズ開始時のリーダー。女好き。
ドゥープ:マスコットにしてカメラ係の生命体。
ユーゴーガール:アイドル的存在の女性ミュータント。能力をコントロールするために薬に頼っている。
ジン・ジニー:初期メンバーではもう一人の女性ミュータント。
スラック:顔が触手。
プラズム:全身を水に変える。
バタリング・ラム:牡羊の怪物のような姿で怪力の持ち主。
ラ・ニュイ:闇を造り出す能力を持つ。
コーチ:チームの指導者であり管理職。任務には出動しない。

#116での追加メンバー
アナーキスト:第一回のX-Force#116で死亡したスラックに変わる補充メンバーとして参加。黒人だが黒人差別主義者で、手を何度も洗う癖がある。

以上のうち、任務には携わらないコーチを含む4人を残して第一回の#116で死亡。


その後の追加メンバー

  • X-Force#117での補充メンバー
ミスター・センシティブ(オーファン):チームの新リーダー。1日1回、ロシアンルーレットで自分を撃つ習慣がある。
ブローク:怪物のような姿で元クライムファイターだった男。ゲイ。
ヴィヴィセクター:元学生で獣人化能力を持つ。ゲイ。
ファット:トレーラーハウスで育った荒っぽい性格の青年。ゲイ。
セント・アンナ:ヒーラーであり、サイコキネシスを操る女性ミュータント。比較的まともだが短命だった。
スパイク・フリーマン:メンバーではなく、#117から新たにX-Statixのオーナーになった人物。大金持ちの実業家。任務には出動しない。

  • X-Force#122〜
スパイク:体からトゲを出す黒人ミュータント
デッドガール:ゾンビ化したミュータント

  • サポートメンバー
ラクーナ:時間を止める能力を持つ。メンバー入りを熱望し自ら売り込んだが、承諾されるとメンバーにはならずテレビタレントへの道を選んだ

  • X-Statixに改名してからの追加メンバー
ヴィーナス・デ・ミロ:エネルギー生命体の女性ミュータント
ミステリアス・ファン・ボーイ:突如メンバーになった謎の少年。
エル・グアポ:元俳優でスケボーの名人。
ヘンリエッタ・ハンター:生き返ったアイドル歌手。

なお、"X-Statix"#26でメンバーが全滅しストーリーは終焉を迎える。
後にドゥープのみ生きていたことになり、"Wolverine and the X-Men"でその姿を見られる。

続編

続編のミニシリーズ"X-Statix Presents: Dead Girl"ではデッドガール、ミスターセンシティブ、ユーゴーガール、アナーキストらが登場。彼らは死者として天国や地獄にいるのだが、ドクター・ストレンジ側とピティフル・ワン側に別れ、既に死亡した他のヒーロー及びヴィランと共演する。

また2019年の"Giant-Size X-Statix"で一部メンバーとチームが復活。上記"X-Statix Presents: Dead Girl"ではしっかり天国や地獄にいたはずのミスターセンシティブとデッドガールが生きていた(いやデッドガールは死んでいるのだが現世で行動できるように)ことになり、X-Statixを再結成。

さらに2022年には"X-Cellent"で新たなシリーズがスタートし、ミスター・センシティブ率いる新生X-Statixとツァイトガイスト率いるX-Cellentの対立が描かれる。



アメコミ@wiki

タグ:

+ タグ編集
  • タグ:

このサイトはreCAPTCHAによって保護されており、Googleの プライバシーポリシー利用規約 が適用されます。

最終更新:2023年07月10日 04:06