システム化構想とは
システム化構想では、例えば下記のようなことを行う。
- 情報システム戦略に連動した経営上の課題やニーズを把握する
- 事業環境の調査や分析を行う
- 現行業務分析と新業務イメージを構想する
- 投資対象や目標を設定する。
事業戦略について
■DXについて
DXとは顧客視点で新たな価値を創出するために、データやデジタル技術を使ってビジネスモデルを変革することである。DXと混同しやすい用語との違いは以下の通り。
BPR |
既存業務のプロセスを見直し再構築することである。DXとは異なり、ビジネスモデルそのものは変更しない |
IT化・デジタル化 |
ITを使って業務プロセスを改善するが、DXとは異なり、ビジネスモデル等は変更しない |
DXについては参考URLに記載したガイドラインを読むと推進しやすくなると思われる。
※参考:
◾️PoCについて
概念実証と呼ばれ、アイデアや技術が実現可能であることを検証する。
フィージビリティスタディで実現可能性を机上で調査・検討した後に、
プロトタイプ等を作成し、技術面やコスト面を確認をすることも多い。
PoCでは、以下のようなことを確認する。
- 実現可能性はあるか
- 適用技術
- 機能妥当性
- コストパフォーマンス
- 開発期間
- 性能
- セキュリティ
- 運用・保守性
以下のようなビジネス的に成功しそうか否かの確認も重要。
こちらはPoBと呼ばれる。
- ビジネス目的が達成できそうか
- ユーザビリティ
- 業務時間短縮効果
- 品質向上効果
- 運用コスト削減効果
- KPI達成状況
攻めのDX(ステークホルダー向け:新サービス企画等)について
- 経営戦略に基づく最適なサービスやシステム構想が必要
- 顧客満足度を上げるための検討が必要
- 顧客との接点を増やす
- 顧客のサービス利用状況を確認できる仕組みを作る
- 最適なUI・UXの検討
(不慣れなユーザ向けにナビゲーション機能を準備する、慣れたユーザ向けにカスタマイズ機能を準備する等)
守りのDX(自社向け:業務改革・改善等)について
■重要な用語
BPR |
Business Process Reengineeringの略で、既存業務のプロセスを見直し再構築すること。 抜本から改善するという意味でプロセス改善とは異なる。 ビジネスモデルは変えないという意味でDXとも異なる |
BPO |
Business Process Outsourcingの略で、業務を外部業者に委託し効率化を図ること。 ■メリット: ・コア業務にリソース集中できる ・人件費を抑えられる ・体制スリム化による人員最適がはかれる。 ■デメリット: ・社内にノウハウが残らない ・外部委託なので自由に制御しづらい ・情報漏洩リスクがある。 |
BPM |
Business Process Managementの略で、企業内の業務の流れを可視化し、業務改善サイクルを適用することで、継続的な業務改善に活用しようとする手法 |
シックスシグマ |
品質管理手法で、統計学的にミスをゼロに近づける考え方。シックスシグマの方法論としてはDMAICなどが有名。 DMAICは以下の頭文字を取っている。Define(定義),Measure(測定),Analyze(分析),Improve(改善),Control(管理) |
シェアードサービス |
複数グループの間接部門に共通する似た業務を一箇所にまとめること。 |
IDEALモデル |
組織変革のモデルで以下に分けられる。
・開始(initiating):改善の動機付けを行う ・診断(diagnosing):業務の現状を調査して可視化して、改善ポイントを明らかにする。 ・確立(establishing):改善活動の優先順位を設定し、具体的な改善計画を作成する。 ・行動(acting):解決策を作り、その先行評価・試行・展開を行う ・学習(learning):活動を分析してその妥当性を確認し、次のサイクルを準備を行う。 |
ABC(Activity Based Costing)分析 |
パレート分析のABC分析とは異なる。 給与や光熱費などの間接費を活動(Activity)単位の業務プロセスに分割して、 どの製品やサービスのために発生したものかを整理し数値化する。 |
ECRS |
作業を効率化させる時の考え方。Eliminate(作業をやらない)、Combine(作業の同時並行)、Rearrange(作業順序を変える)、Simplify(作業を単純化する)の頭文字を取っている |
■業務プロセスの課題発見
現状を明らかにして、どこに問題があるかを発見していく。
現状把握には以下のような方法がある。
- ビジネスプロセス関連図、業務機能構成表、業務フロー、システム化業務フロー(※)による業務内容の可視化
- システム関連図作成
- MECEを意識した観点切り分け、バリューチェーン分析等の全体を網羅した現状分析
- ベンチマークや他社の成功事例などとの比較による把握
(※)
- それぞれの位置付けについては、こちらのサイトを参照したい。
- プロセスの記法についてはBPMN等が存在する。
問題分析については、
問題分析周りの手法も押さえておくと良い。
■業務プロセスの変革推進
チェンジマネジメントを押さえておくと良い。
一例として、以下のようなことが重要となる。
- 変革の緊急性等の危機感共有やビジョン共有(チェンジマネジメントの必要性を広く理解してもらう)
- 変革を推進できる体制の確保(影響力の強い人を確保しておく等)
- 変革に関する教育を行う(変革を阻害するチェンジモンスターへの対処も)
- 粘り強い普及・定着活動を行う
※関連
最終更新:2024年03月02日 17:39