はじめてのアスガル語・その2

リアYo taut¿ Þe ßeh juv. 教師役のリアンチリャインプだ。今回で2回目となるアスガル語講座だが、ハクトは前回の内容をちゃんと覚えているかな?

ハク : もちろん。ばっちり覚えてるよ。(年齢ネタは禁物って事も含めてね……)

リア : そうか、それは結構。それで、アスガル文字の読み方は身に付いたか? たしか、草書体だけならすぐに使えるようになると言っていたはずだが。

ハク : う~ん、家に帰って復習してみたけど、形がfなのにハ行だったりsなのにシャ行だったりでまだちょっと違和感あるかな。それになんといっても、bßの形をしててþbの形をしてるんでどっちがどっちだか判んなくなっちゃうよ。確かに大文字しか知らない子供とかに見せたら、ßの方がよっぼどBの小文字らしい形してるって言いそうだけどさ。

リア : まあそのあたりはおいおい慣れていってもらうしかないな。とは言っても、英語に親しんだ人間が新たにロシア語を学び始める際の混乱に比べれば微々たるものだろう。

ハク : え~と、それで例えば僕の名前はinaßa fakutoって綴るわけだよね。これ、知らないと絶対「いなさ・ふぁくと」って読んじゃうよねぇ……

リア : 「ふぁくと」はともかく「いなさ」はどうかな? ドイツ語の知識が無い者であれば、ßbの異字体にでも解釈して「いなば」と読みそうな気もするが。
 (ところで、ここで一つ講座を見ている諸君に了解しておいてもらいたい事がある。この講座では視覚的な解りやすさを優先してbの代わりにßを、dの代わりにðを使って表示している。他にもCの代わりにÇを使っていくつもりだ。大文字と小文字を別系統の文字で転写するとデータ処理の際に面倒が起こる可能性があるので、本来ならばあまり推奨される方法ではないがな。)

ハク : (ええっと、何かあさっての方を向いて妙な思念を送っていたような気がしたんだけど、いったい何だったんだろ……)
 さ、さてと先生、今回の授業の無いようは何ですか?

リア : (今、明らかに「内容」の発音が妙だったが…… まあ言わんとする事は汲み取れたし、余計な突っ込みで流れを止める事もあるまい。)
 そうだな、今回は語順についてだ。まずは形容詞からいこう。
 日本語では「白い兎」というように形容詞が先に来るな。これをアスガル語にするとlaïp sa liäcとなる。「名詞+前置詞+形容詞」だな。このsaは名詞を形容詞に変える前置詞だ。

ハク : 形容詞は前置詞sa付きで後ろに置く、と。「名詞+sa+形容詞」だね。うん、覚えたよ。

リア : もっとも、これは実はliäc laïpといっても同じ意味になるんだがな。この場合は「形容詞+名詞」だ。

ハク : え? ……ええっと、それってどう違うのかな? 何かニュアンスの違いとかあるの?

リア : どうも違わない。正確に言うと、微妙な違いはあるが今の段階で覚える必要は無い。とりあえずは、語で修飾する際は前に、句で修飾する際は後ろに形容詞がくるとだけ覚えておけ。

ハク : わかったよ。言ってみれば英語と同じ語順だってことだね。まぁ英語にはsaみたいな前置詞は無いけど。
 それで、じゃあ文はどう作るの?

リア : 文を作るには動詞が必要なので、まずはその作り方からだな。例えば「照らす」という動詞は「光」を意味する名詞lüpの前にþeを置く事によって作る。þe lüpで「照らす」だ。このþeは名詞を動詞に変える前置詞のようなものだ。
 あとは英語と同じだな。例えば「月が兎を照らす」だと、「月+照らす+兎」の順番になる。「主語+動詞+目的語」だ。「月」はyuäfなので、「月が兎を照らす」はYuäf þe lüp laïp.となる。

ハク : へぇ~。動詞も形容詞といっしょで「前置詞+名詞」で作るんだね。それ以外は基本的に英語と同じ感じで、と。

リア : では問題だ。「大きな月が小さな兎を照らす」は何という? 「大きい」はvuh、「小さい」はpitだ。

ハク : 形容詞はそのまま名詞の前に置けばいいから、「大きな月」はvuh yuäfで、「小さな兎」はpit laïpか。
 「照らす」はþe lüpという句で、全体の語順は「主語+動詞+目的語」と……
 Vuh yuäf þe lüp pit laïp.かな? それからYuäf sa vuh þe lüp laïp sa pit.でもいいんだよね。

リア : その通りだ。別にどちらの言い方でも良いが、普通は短く言える前者を選ぶかな。
 しかし、思ったより飲み込みが早いな。この調子だとかなりの速度で講座内容を消化できそうだな。

ハク : えへへ……照れるなぁ。でも、お手柔らかにお願いしますね。

リア : お手柔らかに、か…… そうだな、前向きに検討しよう(お役所言葉的な意味で)。
 さて、今回の講座はこのあたりで終わりにしておこう。次回の講座は今回の内容を発展させたものにするつもりなので、特に復習を怠らないように。
 以上、解散。

ハク : それじゃ~またねっ。




最終更新:2009年11月29日 05:37