850 :名無しさん:2013/11/29(金) 17:24:41
改変休日世界パラレル的な転移。
変則的転移系。
皇歴2027年夏。
世界――正確には日本の位相がずれた。
大日本帝国という存在は皇歴2027年の世界に厳然と存在している事実がありながら、彼らずれてしまった側も存在するという不可解なこの現象に、各研究機関と政府機関は大わらわとなり原因究明に力を注いでいた。
自分たちがずれた存在、もう一人の自分、もう一つの大日本帝国であるというのが判明したのは、環太平洋海軍甲事件と名付けられた異世界への扉が再び開いたことによる事実確認のお陰だ。
つまり雲の形を取ったその扉を潜った先には自分たちと同じ存在がそのままの時を歩む姿があったのである。
「つまりはパラレルワールドへの分岐が魂や肉体の単位で発生してしまったということです」
事実確認と国民への発表をどうするかで久方振りに開かれた会合の席上で事の成り行きを説明する辻は、表面上混乱しているようには見えなかった。
そもそも辻のことだから、所詮起こった事実が其処にあるだけと考えているだけなのかも知れないのだが。
「では雲の向こう側にも我々と同一存在が居る、それでいて我々もまたコピーや写し身などではなく本人であると」
「まあそういうことです。この際ですからはっきりと申し上げておきますが、これは別に珍しいことではないと思っています。例えば考えてみて下さい。過去から未来へと流れている無限の時間の中で一秒先の世界には何が存在しているのかを」
一秒先の世界、辻に投げかけられた問いの答えを会合出席者は皆考える。
其処に何があるのか。其処には・・・・・・一秒先の世界がある。
「そうです。一秒先の世界には我々と同じ魂を持つ存在や、日本という国土、地球という星、宇宙その物が、同じ形、同じ存在として在るのです。つまりは世界も人も、魂すらも無限に存在するというのが一つの答えであるとは言えませんか?」
「言わんとしていることは分かる。要するに我々はその一秒先かゼロコンマ先かの世界から分岐してしまったということだな?」
真っ先に返答した杉山の言葉に、皆それぞれが首肯を持って同意した。
「それもSF小説などでよく起こりうる平行世界や時間転移といった類の現象とセットでか」
冨永は手元のタブレットに映るニュース速報を見ながら淡々と事実だけを口にする。
“プロペラで飛翔する戦闘機ポートモレスビーに現る!”
“九十年前のブリタニア艦船と類似の軍艦マーシャル諸島より飛び立った哨戒機が発見!”
「星のマーク付きプロペラ戦闘機F4Fに40,000tはあろうかという戦艦、ノースカロライナ級あたりか?」
「史実、ああ今や史実は皇歴世界でしたね。まあ昭和世界か平成世界に近いパラレルワールドと考えて間違いなさそうです」
「なんというややこしい事態だ」
「ですが向こう側に我々が存在している以上は分岐してしまった我々が向こうに帰るわけにもいきません。国と一秒先の未来と魂ごとパラレルワールドに分岐してしまった我々にとってはこれが現実でありこの転移した日本こそが我々の世界。ですから否応なしに独自の道を探っていかなければなりません」
851 :名無しさん:2013/11/29(金) 17:25:40
「日本国内の全てを巻き込んでずれたというなら日本に来ている外国人。多くはブリタニア人ですが、彼らの一秒先も共にずれたと?」
ブリタニアのユーフェミア皇女を妻に持つ嶋田の質問に辻はそうですと答える。
位相がずれたと思われる時間帯、午後十一時五十九分五十九秒は自分とユーフェミアと子供、そして同居人の駐日武官であり彼の騎士でもあるモニカの四人で寝ていた。
当然朝も一緒に食事を取ったから妻やモニカの一秒先も共にずれたのは確かだが、ブリタニア人の友人が多い彼はその辺りが少し気に掛かっていたのである。
もし日本と縁の深い外国人以外は転移していないとなれば、彼女達は多くの友人や同胞を失うことになると。
このあたりは会合出席者の何人か、ブリタニア人を妻に持つ山本・南雲・東条らも気がかりであった。
彼らの妻、リーライナ・ドロテア・ノネットは共にいる事は確認済みだが、日本に滞在していた妻の友人達はどうなのかと。
「日本国内に存在する人、者、全てがずれています。各方面からの報告が次々上がってきていますので間違いないかと」
辻の話に安堵の溜息を付く嶋田以下三名の男達。
「ずれてしまった人達については安心して良いのか気の毒と言えばいいのか。こんなことになった以上御家族とは二度と会えなくなる訳ですし、複雑ですね・・・ 義姉さん、コーネリア殿下への連絡は?」
「ブリタニア大使館と総領事館には既に事の次第は大凡にですが通達済みです。かなり困惑されておいででしたが大丈夫でしょう。いま日本にいるブリタニア軍もコーネリア殿下がいらっしゃるだけで統率は取れますからね」
親善訪問と日本との合同訓練の為に訪れていたブリタニア海軍の正規空母二隻と揚陸艦二隻。三十隻の護衛艦艇からなる太平洋艦隊が横須賀に入っていたが、こちらはコーネリアの指揮下に入ることになるだろう。
「転移した年代ははっきりとしていませんが、此方の世界の日本がアメリカと交戦状態にあったのは確かなようですので各地の警戒は厳重にしておりますが、今のところ攻撃を受けたという報告は上がっていないようなのでアメリカ側も混乱しているのでしょう」
852 :名無しさん:2013/11/29(金) 17:27:48
転移したのは日本は休日日本が南進政策で南洋だけではなく、外南洋や東南アジア全域を飲み込んでいた場合の国力は現代アメリカの三倍はある改変休日日本。
日本列島+チェコト+カムチャツカ+樺太+千島列島+アリューシャン列島+台湾+海南島+南洋+ナウル+キリバス+フィリピン+インドネシア+ニューギニア島+ニューブリテン+ブーゲンビル。
史実パラレル昭和世界側の日本とその縁の存在は全て消滅してますので考慮しなくてもいいといった感じ。
日本海軍
正規空母 16
戦艦 2
巡洋艦 46
駆逐艦 120
フリゲート 40
潜水艦 130
哨戒艇 40
揚陸指揮艦 4
強襲揚陸艦 16
ドッグ型輸送揚陸艦 10
掃海艦 20
高速輸送艦 4
海洋観測艦 6
高速戦闘支援艦 4
給兵艦 4
サクラダイト補給艦 24
病院船 6
救難艦 8
航洋曳船 4
音響観測船 10
衛生追跡艦 4
測量艦 10
潜水艦母艦 4
高速車両貨物輸送艦 10
車両貨物輸送艦 60
輸送艦 14
タンカー 6
クレーン船 10
サクラダイト配給艦 4
航空機数 4,217
KMF 1,650
突発ネタだったがまあ暇つぶしになればと。
最終更新:2013年12月01日 12:31