802 :名無しさん:2013/12/14(土) 05:28:26
注意。
人物の性格崩壊仕様。



休日ブリタニアin嶋田



昭和の大宰相嶋田繁太郎。
享年百という大往生を遂げた日本の英雄の最後は、木漏れ日が差す自宅の縁側で安楽椅子に座ったまま安らかな眠りに就くという、波乱に満ちた人生とは異なり穏やかで静かなものであった。





一瞬?それとも永遠?

どれくらいの間眠りに就いていたのか知る由もなかったが、次に目覚めたところは偉く広い中世ヨーロッパの貴族の邸宅や城にあるような豪華な飾りで彩られた部屋だった。
ここは何処かと考えても生前も前世も含めて何一つ記憶にない場所。
近いとすればイギリスへの外遊などで立ち寄った封建時代を色濃く残した建物や再現した部屋。
これは最初に感じたものと同じ感覚である為、何処か?という疑問への答えとはならない。

考えていても埒があかないと考えた末、誰かいないかと人を捜すも広い部屋には自分以外いない。
ふと自分の身体を見てみると手も足も身長も全てが小さくなっていた。

「子供になってる?」

自分の姿を確認できる物は無いかと見つけた部屋の大鏡の前に立ってみると、子供の頃の自分、およそ十代前半と思わしき姿が映し出されていた。
これで確認が取れた。どうやら本当に子供の頃に戻ってしまったようだ。

縁側で休んでいたら眠くなって寝た。
次に起きるととんでもなく広い部屋で自分は子供になっていた。

「わけがわからん」

というのが嘘偽りのない思い。
一度転生憑依などというわけのわからない不可思議な現象を体験していた為にある程度の耐性が付いていたのか。
若しくは精神が大人であるからなのか。意外に冷静でいられている自分こそ一番わけがわからなかった。

「とにかく現状を知らないと“バァン!!”うおッ!」

今の状況確認をしようと部屋の中の戸棚や机の引き出しを漁っていたら入り口の重厚なドアが思い切り蹴破られた。

「シゲタロウッ!!」

ドアを蹴破ったであろう少女が入ってくる。
紫色の髪に切れ長の目を持つ精悍といった容姿の結構な美少女さんだ。

「シゲタロウさまッ!」

続いて飛び込んできたのは目の上でぱっつんと切り揃えた前髪と、その下から覗く碧い瞳が印象的な小学校低学年くらいのこちらも美少女。

「シゲにいしゃまッ!」

最後に入って来たのは桃色の髪のおっとりした感じながら鬼気迫るといった叫び声で呼んでくる舌っ足らずな美幼女。

803 :名無しさん:2013/12/14(土) 05:29:33
三人の少女達は自分目掛けて一目散に飛び付いてくる。

「うわッ!?」

「大丈夫か!?大丈夫なのか!?」

少し年上の少女が無事を確認してくるように問い掛けてきた。
大丈夫も何も五体満足で風邪も引いてない。

「・・・・・コウ・・姉?」

何故か彼女の名前がわかった。彼女はコーネリアという名で自分がコウ姉と呼んでいる二つ年上の幼馴染み。

「コウ姉じゃない!心配ばかり掛けさせおって!」

コウ姉はグーで頭を殴ってきた。痛い・・・

「シゲタロウさま!シゲタロウさまシゲタロウさまぁぁ~~~ッ!!」

今度は前髪ぱっつんの金髪美少女が泣きながら抱き着いてきた。

「モニ・・・カ?」

この娘の名も頭に浮かんできた。親が決めた五つ年下の婚約者候補モニカ。
しがみついたまま胸に顔を埋めて何度も自分の名を叫んでいる。

「シゲにいしゃま~~~ッ!」

そのモニカと同じ様にひしっとしがみついて泣きじゃくる舌っ足らずな桃髪の幼女。

「ユフィ、見ての通り大丈夫だから泣くな」

この娘は・・・そう、ユーフェミアだ。ユフィと呼んでいる八つ年下のコウ姉の妹で自分にとっても妹みたいな娘。
大きくなったら俺のお嫁さんになると言って聞かない娘で、モニカにライバル宣言まで行っているもう一人の婚約者候補。

804 :名無しさん:2013/12/14(土) 05:30:16
ああ。
思い出した。
少しずつだが記憶が蘇ってきたぞ。
それともこの身体に宿る記憶が流れてきたのか?
とにかくこの自分が誰なのかはっきりしてきたのはいいことだ。

シゲタロウ・リ・シマダ。それがこの身体の名前だ。
古くは同盟国日本にそのルーツを持つシマダ家の人間。
神聖ブリタニア帝国カリフォルニア、カリフォルニア半島全域、アリゾナ、ネヴァダ、を領地に持ちブリタニア皇家の血を引くシマダ大公家の嫡男だ。
コウ姉とユフィは俺の親戚でモニカを交えて四人でよく遊んでいる。
それがこの身体の記憶だ。

あれか?前世で神崎だった俺が嶋田繁太郎に憑依したのと同じ現象が起きたのか?
しかし、シゲタロウ・リ・シマダってなんだ?そのまんまじゃないか・・・。

彼女達が心配していることについてもわかった。
先日、乗馬の最中に暴れ出した馬から振り落とされるという落馬事故を経験していたようだ。
記憶にしっかりと残っていたから間違いないが、これはトラウマになりそうだな。

「と、とにかく俺はもう大丈夫だからコウ姉もモニカもユフィも離れてくれ、苦しくて適わない」

「あ、ああ済まない、私としたことが少し取り乱してしまったようだな」

コウ姉は離れてくれた。

「モニカ、ユフィ、君たちも」

「・・・いやです」

「ずっとにいしゃまといましゅ・・・」

だが後の二人は離れない。

「二人については諦めろ。お前が落馬事故で昏睡状態に陥ってからずっと泣いていたのだからな」

「はいはい、わかったよ」

805 :名無しさん:2013/12/14(土) 05:31:28
「それとシゲタロウ。まだ早いが二人の内どちらを娶るのかはいずれ決めねばならないぞ」

記憶を探るとよくされているらしいその話。
シマダ大公家とは最も親しい間柄にあるクルシェフスキー侯爵家のモニカ。
ブリタニア皇家でシマダ家とは非常に縁の深い親戚リ家の皇女ユーフェミア。
そのどちらと結婚するのかという話だ。

しかし正直言うと困っているようだった。
一方を選べば一方が泣く。
二人とも泣かせたくないと考えていた今までの自分は優柔不断なのだろうか。
違うか・・・
要するに優しすぎるだけだ。
モニカの涙もユーフェミアの涙も見たくなかったのだ。

「二人を選べないというならば私が選ばれてやってもかまわんぞ?」

「・・・コウ姉、冗談だろう? コウ姉にはギルフォード卿がいるだろうし」

「ふふ、さあな」

コウ姉の思わせぶりな一言に今の今まで泣きついていたモニカとユフィがさっと離れると、俺をガードするかの様にとおせんぼ。

「ダメですコーネリアさま!シゲタロウさまはモニカのです!」

「めェェっ!シゲにいしゃまはユフィのー!!」

かと思えば共に独占欲が強い二人は掴み合いの喧嘩を始めてしまった。

「違いますっ!ユーフェミアさまのではなくモニカのものですっ!」

「モニカしゃんのじゃなーいっ!シゲにいしゃまはユフィのものなのーっ!」

はぁぁぁ~溜息が止まらない。





続かない。

806 :名無しさん:2013/12/14(土) 05:33:21
嶋田繁太郎が休日ブリタニアにin。
嶋田さんをスーパーイージーの平穏な人生を送らせてみようと考えたら、休日世界で辻さんからも逃れられる場所で一人で転生しかないだろうと思った。だからシマダさん以外は日本に転生。
休日さんのブリタニアin設定でリ家の血が入っていて大公への昇爵話があったということから大公へ。ついでにコーネリアの二つ年下でブリタニア皇家リ家の名も入った近しい親戚にしてみた。
大公になった手前シマダ家の領地もブリタニアinより大幅に広がる。カリフォルニア、アリゾナ、ネヴァダ、カリフォルニア半島全域。
特に意味はないがブリタニアは南北ブリタニア大陸と太平洋の島々が領土。
日本は東南アジア全域も領土という改変休日世界の領域。

嶋田さん13歳。

モニカさん8歳。

ユフィ5歳。

コーネリアさん15歳。

簡単に言ってしまえば嶋田さんの嫁取り物語&ブリタニア内政物。

題してシマダ大公記。

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最終更新:2014年02月22日 15:14