792: デコプチ :2017/01/08(日) 21:51:24
「・・・この騒音、違法規格じゃないの?」
「いえ、標準装備ではなく、ユーザーが取り付けるカスタマイズパーツなので法令上は大丈夫です」
彼らの目の前にあるデコプチ用の装備、それはデコプチの外部から音を出すスピーカーセットだった。
ただし出している音が、暴走族の大型二輪が出す(吹かす)エンジン音であったが・・・
つまりはこうだ。昨今プチモビを使った珍走団がぽつぽつと現れ始めているが、
騒音対策された工業製品であるため、大型バイクのような『ばくおん!』が足りない。
物足りないので未だに大型バイクが一定のシェアを誇っている珍走団向け需要だが、
コロニー内という空気税まである排ガス規制に厳しい環境で地球のようなマネはできなかった。
そこで産まれたのがエンジン音などの『ばくおん!』を出すスピーカー付きプチモビである。
ブォン!ブォン!ブォン!ブォン!ブォン!ブォン! ブォォォォォォォォォォン! ドドドドドドドドド ジコルヤツハハードラックトダンスッチマッタ
「おい、最後の『ばくおん!』じゃないぞ」
「あ、元首長の姫さんからルージュ色のすとらいく!なデザインのデコプチの注文着てます」
「暁の車を大音量で流してやろうか」
今日も彼らの会社は平和だった。
最終更新:2024年03月07日 00:32