12: ナイ神父Mk-2 :2017/10/09(月) 00:16:19
大陸SEED 外伝ネタ

戦争の断片 その3

海の亡霊

光も届かず、本来は夜空に煌く星の様な深海に生息する生物達の光しか見えない海の底、そう言った生物達の光をかき消す様に複数のライトの光が動き回っている。深海では有り得ないレベルの光を四方へと向けながら動いているのはザフト軍の主力MSジンのバリエーションの一つであるジンワプスである。連合言えば二個小隊に当る規模の部隊が各々モノアイに付属したライトで海底を照らしながら何かを探している。
すると間も無く目的の物を発見したのかワプスの内の一機が足を止めて、他の部隊へと通信を繋げて発見の報告を行う。

『デニス隊長、発見しました恐らく行方不明に成っていたケストラーです。』

「見つけたか、状況は?」

通信を受けたデニスは部下から状況を確認しつつ、機体を発見した部下が居る方向へと乗機を向ける。他の機体に乗る部下達も報告を聞いたのか同じ方向に向けて光が移動していくのが見える。そして、光が集まっている地点へと向かっていく徐々に沈没したと思われるミロシュ級であるケストラーの姿が見えてくる。中央から圧し折れて沈んだと思われる其れは中央部の破損が最も酷く次いで武装が誘爆したのか砲塔等も吹き飛んでいる。

『酷いもんですね・・・』

「ああ、この状態だと乗っていた乗員の生存は絶望的だな・・・」

『隊長こっちを見てください・・・』

近くに居た部下の乗るジンと通信を繋げていたデニスは自身を呼ぶ通信を聞くと通信を送り機体のマニュピレーターで何かを指差している部下の下へと移動する。すると、その機体は機体の損傷状況を確認していたのか、指差す方向には潰れた艦橋が存在している。

「これは・・・」

『最近太平洋側で沈んだミロシュ級の殆どが此れと似たような状況でした、偶然とは思えません。』

「つまり、最近の不自然な程の通信途絶は連合の仕業だと?」

『はい』

「しかし、明確な証拠が無い。流石にただ此処で破損状況を見ただけでは証拠には成らんだろうな・・・仮にそう上層部に報告するなら機体の調査が必要だが・・・」

13: ナイ神父Mk-2 :2017/10/09(月) 00:16:56
『この現状、やはり例のシーゴーストの仕業なのでしょうか?』

『唯の噂だろ?』

『ですが実際に駆逐艦一隻に被害が出ています。』

その言葉を聴いてデニスはコックピット内で以前この様にロストした駆逐艦の捜索任務を行った事を思い出していた。そのときは偶々甲板に出ていて脱出できた兵士を救出したが錯乱が酷くまともな話は聞かれない侭、本土へと返された事を思い出したいのである。
そして、その際に兵士が喚いていた事と現在のミロシュ級の状況が重なっている事も・・・

[見たんだ、見たんだよ!突然だったんだ、何も出来なかった突然甲板から突き出た腕が・・・そうあれは化物の腕だったんだ!それに皆潰され・・・あ、アァァ!]

彼を発見した兵士として自身も聴取に参加した時の兵士の錯乱具合は今でも覚えている。あの時は結局ナースが飛んでくるまで延々と叫び声を上げ続け有益な情報が手に入らなかった事から情報も信憑性が無いとしてまともな調書も取られることも無かった。

『デニ・・・長、隊・・・、デニス隊長!』

「おお!済まんな・・・」

通信で部下から大声で名前を呼ばれて慌てて返事を返すとモニターの中で部下が心配そうな表情をしていた。モニター付属の時計を見れば数分ほど考えていたのか逸れ成りに時間が進んでいる事が伺える。

『大丈夫ですか?随分と考えていた様ですが・・・』

「大丈夫だ、其れより何か有ったか?」

『いえ、調査も殆ど終わって居ますから後はジャンク屋に引き上げを依頼するだけですね』

「解った後はジャンク屋に任せて我々は引き上げよう・・・海上へと向けてブイの射出を頼む」

『了解しました。』

その後、デニス隊の発見したミロシュ級は無事引き上げ作業が行われているが、この後も太平洋沖での艦艇のロストは止まる事が無く少しづつ、しかし確実にザフトや南アメリカ軍の体力を削って行き、その正体を見せないシーゴーストに対してザフト軍は恐怖して行くことになる。

14: ナイ神父Mk-2 :2017/10/09(月) 00:17:38
オマケ ザフト艦艇ネタ

ペラダン級戦艦

全長:250m(海上露出部分)

武装:機関砲×4
   40cm連装砲塔×3
   魚雷発射管×6
   垂直ミサイルランチャーVLS×32

概要
ザフト地上軍が開発したレセップス級の改造型の海上用の戦艦となる。元々ザフトでは地球の海の環境を完全に再現する事は難しく基本は潜水艦を主力として運用していたが、沿岸部や南米の河川等では潜水艦は運用し辛く、その為主にレセップス級が運用されて居たが、其方も水上を移動できるとは言え南米では陸上運用が難しいという問題を抱えていた。その為、ザフト地上軍ではレセップス級をベースにボズゴロフ級のバラストタンク等をスケイルモーターが搭載されている部分に設置して水上での運用性を上昇させている。
戦時中は主に上陸戦や海上戦闘目的として開発されていたがその多くがバミューダ海戦やオーブ攻略作戦で撃沈されている。

ミロシュ級戦艦

全長:195m

武装:2連装対空砲×4
   単装砲×1~2
   魚雷発射管×4
   対空ミサイル発射管×22
   後部飛行甲板

概要
ザフト地上軍の開発したピートリー級を改造した戦艦の一種となるが実際の運用は駆逐艦やフリゲート等に近く連合からもそう認識されている。ピートリー級からの最大の変更点としては一部の艦艇には後部の短装砲スペースを飛行甲板に変更して偵察型のディンやアジャイルを初めとした戦闘ヘリを搭載可能にしている。戦時中は主に哨戒任務等に使用されているがその多くが連合との戦闘で失われている。尚、当艦とペラダン級戦艦は後にその有用性を認められザフトで正式にラインが組まれている。その為一定数が生産されており、南アメリカ海軍にも一部が供与されている。

15: ナイ神父Mk-2 :2017/10/09(月) 00:18:58
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最終更新:2024年03月07日 00:29