937: 第三帝国 :2020/01/15(水) 23:40:25 HOST:70.244.32.202.bf.2iij.net

銀河連合日本×神崎島ネタSS――——――「ズッコケ宇宙大旅行」


さて、地球では神崎島が大規模な演習を繰り広げている最中。
銀河突撃馬鹿、もとい柏木真人はシレイラ号事件でバレットM82でドーラをぶち抜いてたり、
イゼイラに到着してイゼイラ人たちから思わぬ歓迎を受けたり、改めて外堀を埋められて晒しものにされたり、

加えて婚約者からは実は銀河に股をかける皇族で今も影響力がある人物です、てへへぺろ。
などなどジェットコースターのごとくハイスピードな展開に色々疲れた。

ゆえに鳥が祖先な嫁さんから「通信信号の規格をコンバートさせたからイゼイラでも地球のインターネットに繋がるし何だったらテレビもおK」
ということで休憩、さらには情報収集も兼ねて地球のテレビ番組を大型投影型スクリーンで見だしたが・・・。


「・・・ブルマー体操服な時津風が筋肉な弁護士とスウェーデン人と一緒に海軍式体操をする番組って・・・まるで意味が分からん」

遥か5千万光年で目にしたのは圧倒的リアル先輩の攻勢であった。
番組を流す放送局は某特定国を奇妙な程に優遇して尊重するがゆえに犬と揶揄される放送局だが、
資金力と積み重ねた歴史と放送局の名前から来る信頼性から時に誰もが認める物を世に出すこともある。

とはいえ、まさか公衆の電波で「ブルマー体操服な艦娘と筋肉な弁護士と外人さんが体操する番組を流す」
という行為をするとはリハクを以てしても見抜けなかった案件であり柏木は衝撃のあまり「銀河を背景に呆然とする猫チャン」な状態であった。

なお某掲示板での反応は、

名前: 名無しさん@T督たちの憂鬱 投稿日:~

ブルマー体操服の時津風・・・ふぅ

名前: 名無しさん@T督たちの憂鬱 投稿日:~

まったくけしからんな!・・・ふぅ

名前: 名無しさん@T督たちの憂鬱 投稿日:~

我時津風射爆了!

名前: 名無しさん@T督たちの憂鬱 投稿日:~

おれは時津風の紐パンに生まれ変わるのだ(錯乱)

名前: 名無しさん@ T督たちの憂鬱 投稿日:~

トキツカゼチャン・・・アッアッアッ


などとなかなか好評であった。

938: 第三帝国 :2020/01/15(水) 23:41:08 HOST:70.244.32.202.bf.2iij.net
「私だってこのくらいできマスヨ、マサトサン!」

どう見ても朝のラジオ体操よりも遥かにキツイ体操であったが、
傍で一緒に見ていたフェルが「YES!」と書いてある枕を胸に抱きつつ対抗意識を燃やす。

「時津風ちゃんも広報頑張っているんだねー」

「ウン」

さらに一緒に番組を見たお芋、
ではなく吹雪と駆逐棲姫は仕事の一環として捉えており、
一部の特殊な性癖云々について突っ込みを入れていなかった。

      • まあ、時津風本人が天津風や雪風、島風のようにオープンなファッションスタイル(意味深)
なためブルマーごときでどのうのこうの言う感覚がないからもしれいない。

(・・・・・・黙っておこう)

もしも周囲が野郎だけなら地球人の性癖ネタについて得意の弁論を以て伝授したであろうが、
この場では女性3人に対して男は自分1人のみと異性のバランスが女性側に大きく傾いており、
ここで余計な事を口走ればどんな目に合うかは妹と母親からいやというほど思い知っているので口にはしなかった。

「え、先に来るのか?
 しかもあの話はヨタ話じゃないのかよ・・・マジで!??」

「柏木さん、何をですか?」

「マサトサン?」

柏木はリアル先輩の在り方に頭痛を覚えつつ、
白木から届いたメールの確認作業に入ったが思わぬ事実に驚愕の声を出す。
吹雪とフェルが柏木が普段あまり見られない態度をするので何なのか問いかける。

「あーそれがだな。
 アメリカのハリソン大統領が急遽日本と神崎島に来るらしい」

「・・・先ニ真珠湾ヘ提督達ガ行ク話ダッタヨウナ?」

駆逐棲姫が紫色のパチパチと瞳を瞬きさせる。

「そうなんだけどうも例の産廃再生事業とか神崎島のヘビーリフターの存在。
 おまけに俺たちが吹雪ちゃんが持ってきたおはぎと間宮羊羹で花見ならぬ木星見!
 なんて宇宙船外でどんちゃん騒ぎした映像が色々インパクトがあり過ぎたみたいだ・・・」

「何でインパクトがあるのか分からないデスヨ、マサトサン?」

「あ、アハハハ。
 まあフェルからすればそれが普通だしな」

なおメールでは地球の宇宙産業界は大混乱で一部民間ロケット会社は経営が傾いたとか何とか。
さらに唯でさえ産廃再生事業はエネルギー面で日本の自立を示唆している上に神崎島から湧き出る石油。
島の時間軸の乱れを利用した食糧の大量生産などで市場は紐なしバンジージャンプ数歩手前な状態であった。

そこで例の木星の花見。
ではなく木星見は日本文明圏が異星人の技術を習得しつつある何よりの証拠であり、
異星人の技術と日本の経済、神崎島の軍事力の三位一体を以てアメリカから離れて独自の勢力を築くのでは?と疑心暗鬼に陥っているらしいとのこと。

一応ハリソン大統領の周辺は日本と神崎島にその気がないことは承知しているが、
議会、それに識者とメディアが発する不安の声を無視することはできないので予定を変更してこちらから訪問することにしたそうだ。
おかげ関係部署は打ち合わせで修羅場モードに突入しており少しは自重汁と白木のメールは締めくくっていた。

939: 第三帝国 :2020/01/15(水) 23:42:03 HOST:70.244.32.202.bf.2iij.net
「それとだ、アメリカが戦艦を作ろうとしてらしい」

「あ、その話知っています。
 夕張さんが色々働きかけていたみたいですね。
 在日米軍や自衛隊に対して『現代でも戦艦は有効』とオペレーションリサーチで証明したって自慢してました」

「ヤルバーンでもケラー・ユウバリの提案で、
『ふりーどりひ・であ・ぐろっせ』という戦艦をハイクアーンを使わず作る話があったデスヨ」

「アメリカ用ノ戦艦ハ設計図面ハ『コンナコトモアロウカト』既ニ出来テイルッテ聞イテマス」

「えぇ・・・」

吹雪、フェル、駆逐棲姫の順で大艦巨砲主義者の陰謀が暴露される。
柏木は某少佐演説のノリで戦艦建造愛を叫んでいた不明なメロンを直接知っていたが、
この場で判明した数々の暗躍にネタではなく本気と書いてマジであったとは思わずを引く。

特に『ふりーどりひ・であ・ぐろっせ』なんてどう見ても・・・と思った時。
柏木の頭の中で引っ掛かりを覚える。

「あれ?ハイクアーンを使わないって本当なのかフェル?」

「そーですヨ。
 そうでないと発達過程文明の造船技術を習得できないじゃないデスカ」

それは当たり前のことだとばかりにフェルが断言する。

(発達過程文明?初めて聞くキーワードだな。
 しかし造船技術習得を外人さんが日本刀の刀工に弟子入りするノリでするか普通?
 イゼイラではそもそも「船」の需要自体少ないって言うのに・・・どんな動機と理由があるんだ?)

実質「魔法の坩堝」と表現しても良いハイクアーンを使わずに敢えて苦労する意図。
宗教的理由やら「高貴な野蛮人」への好奇心からでないのはフェルを通じてよくよく分かるだけに柏木は意図が読めずにいた。

「ふぅあ~~」

柏木が答えを見いだせず霜を掴むような感覚に襲われていた時。
吹雪が大きなあくびを漏らす。

「疲れたデスネ・・・」

吹雪のあくびをきっかけに一気に眠気に襲われるフェル。
そして迷わずいつものように柏木(抱き枕)に抱きつきうたうたと睡魔に落ちてゆく。

「・・・ゴユルリト」
「・・・ど、どうも」

駆逐棲姫は空気が読める良い子であった。
既に鼻提灯を作っている吹雪の手を引っ張って部屋を後にする。
年齢的に既にオッサンな柏木的には見た目女子中学生か女子高校生な女の子に空気を読まれてのはなかなか来るものがあった。

そんな感じでイゼイラ訪問一日目の終わりを迎えた。





おわり

941: 第三帝国 :2020/01/15(水) 23:55:27 HOST:70.244.32.202.bf.2iij.net
以上です。
色々な方々が応援し、
盛り上げてくださっている事実は把握してますがコメントできず申し訳ございません。

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最終更新:2020年01月20日 21:28