346: ham ◆sneo5SWWRw :2021/01/30(土) 20:20:20 HOST:sp1-75-246-76.msb.spmode.ne.jp
三菱 零式艦上戦闘機七二型(零式2号艦上戦闘機)(ham第一案)
全長:9.237m 全幅:11.0m 全高:3.57m
エンジン:三菱「金星」六二型空冷星型複列14気筒1560馬力エンジン
最高速度:573km/h 巡航速度:370km/h
航続距離
  • 正規:850km
  • 胴体下増槽追加時:全速30分+1,080km
  • 主翼下増槽追加時:全速30分+1,200km
  • 胴体下+主翼下増槽追加時:全速30分+1,800km
武装
  • 20mm機銃:2門(主翼内内側、各125発)
  • 13.2mm機銃:2門(主翼内外側、各240発)
爆装(胴体下・主翼下にいずれかを搭載)
  • 500kgor250kg爆弾:1発(胴体下)
  • 60kgor30kg爆弾:2発(主翼下)
  • 30kg噴進弾:4発(主翼下)

<解説>
  • 開発経緯
蒼空会の堀越技師は、零戦に最初から金星を載せるために動いた。
史実では搭乗員が離着時の視界について苦言を漏らすだろうとの判断から、ウケ狙いで栄エンジンを選んだ。
だが、後年、金星搭載型が登場した頃、その高性能から「最初からこうしておけば良かった」「わが生涯最大の誤り」と後悔した。
その苦い前世から、金星搭載に動いていた。

堀越技師の動きには倉崎翁も賛同し、史実では一撃離脱性能を重視していた柴田武雄少佐も好意的な態度を見せた。
一方で、これに真っ向から反対したのが源田実少佐ら栄エンジンを押す面々だった。
源田は航続距離が減ること、格闘性能が落ちることを特に反対理由として挙げているが、実のところ、源田以外は海軍内で生じていたとある慣習から反対していた。

実は海軍の艦上戦闘機で正式採用された機体のエンジンは全て中島製なのだ。
堀越の自信作96式は中島の「寿」を、それ以前の95式は「光」、90式は「寿」、一番最初の3式でもライセンス生産した中島製「ジュピター」なのだ。
もちろん、三菱製エンジンを用いた7試艦戦もあったが、操作性の悪さから試作機が2機も墜落し、あえなく不採用に終わっている。
ゆえに、彼らは採用例の無い三菱製では失敗するという固定観念が備わっていたのだ。まぁ、「金星」が陸攻用エンジンで直径が大きいから分からない訳でもないのだが。
そのような事情から、海軍内には「戦闘機のエンジンは中島製を選択する」という慣習が生じていた。
前例を重んじていると聞けば聞こえはいいが、かといって拘り過ぎれば害悪でしかなかった。
喧喧囂囂と両者が譲らず言い争う中、夢幻会転生者にして、倉崎翁を擁護している和田操少将は「両方作ってみて試験してからにしよう」と仲裁案を提示。
かくて、堀越技師は栄搭載型(以後1号機と呼称)と金星搭載型(以後、2号機と呼称)の二つを作らなければならなくなった。
これが後の雷電開発時の過労で倒れる遠因となるわけだが、これは後に語るとしよう。

347: ham ◆sneo5SWWRw :2021/01/30(土) 20:20:50 HOST:sp1-75-246-76.msb.spmode.ne.jp
さて、完成した両機は38年頃に単独試験が行われた。
その結果、史実の零戦二一型に準じた性能を持つ1号機は航続距離・旋回性能で優っていたが、史実の零戦五四型に準じた2号機では上昇性能・高高度性能・高速性能が1号機を大きく上回っていた。
その高性能から2号機に鞍替えする面々もいたが、それでも源田は航続性能が要求値を満たしていないことを理由に猛反発していた。
また、中島飛行機では、「金星」エンジンの採用可否で触発されたため、史実より早く栄の改良型に着手しており、二一型が完成していることが伝えられていた。
そこで要求値を満たすため、両機共に再度試作機を製造して審査を行うことになった。

1号機に栄21型を搭載した3号機、2号機の航続距離の改善に挑んだ4号機が開発され、年が明けた39年に再審査が実施された。
3号機は史実の零戦二二型に準じた性能となっており、要求性能を満たしつつあったが、それでも上昇性能・高高度性能・最高速度では4号機に劣っていた。
対する4号機は胴体下のみならず主翼下にも増槽を付け、さらに応用で爆装能力も強化していたが、それでも課題だった航続距離の問題にあと一歩で及ばなかった。
これに源田少佐が噛み付き、柴田少佐と倉崎翁が反発するという構造が再び生じ、最終的に源田・柴田両名が3号機・4号機に乗り模擬戦をするまで発展。
高速一撃離脱戦法を採った柴田機に源田機は苦戦するが、なんとか格闘戦に持ち込んで柴田機に撃墜判定を下した。
降りてきた源田は自信満々に3号機の採用を求めたが、明らかに辛勝であったこともあり、4号機不採用を惜しむ者も居た。
そんな中、蒼空会に属する山名正夫技師がある提案をした。

「地上航空隊に3号機を、艦載機に4号機を採用して住み分けてはいかがでしょう?
 陸攻を護衛する地上航空隊なら3号機の航続性能が必要でしょうが、艦上機なら4号機の航続性能でも護衛機として十分役目を果たせるのでは?
 製造についても金星を使う4号機を三菱で、栄を使う3号機を中島で製造すれば、生産の混乱も少ないのではないのでしょうか?」

まさに天啓であった。
たしかに艦上機は陸上機より航続性能が劣る。ならば、航続性能を満たしていないとはいえ、4号機の航続性能なら十分であろう。
山名本人は、自身が彗星において液冷エンジン採用に至った経緯を基にした提案だったが、この提案に多くが飛びついた。
かくて、陸上基地には中島で製造された3号機改め、零式1号艦上戦闘機(1942年に零式艦上戦闘機二三型に改称)が、
空母には三菱で製造された4号機改め、零式2号艦上戦闘機(1942年に零式艦上戦闘機七二型に改称)が配備されることとなった。


  • 技術的特徴
20mm機銃は史実の長銃身の2号機銃を開発採用して、弾道性能を上げており、また、早くからベルト給弾の開発に努めたことで、弾数も増やしている。
英空軍のある研究で、当時の空戦では1回の射撃時間が2~3秒、空戦中に撃てる回数は5,6回という試算が出ている。
つまり、戦闘機の機銃には、10~18秒の持続射撃時間が必要ということになる。
史実の二一型の60発では約7~8秒ほどで撃ち尽くすため、全く足りなかったわけだが、本機では最初から240発のベルト弾倉を使用しているため、約20秒ほどに増えているため、空戦性能に大きく寄与している。

本機の最大の特徴である増槽については、胴体下の330mL増槽を史実より早く木製化して資源を節約し、さらに主翼下に史実の爆装零戦を参考に200mLの木製増槽を史実より早く開発して装備している。
増槽をフルで搭載するときは胴体下に330mL増槽を1つ、両翼にそれぞれ200mL増槽を1つずつの計3つを搭載することで、総計730mLの増槽が装備できる。

爆装については、500kg爆弾は搭載可能であるが、運動性能が大きく落ちるため、普段は250kg爆弾が限界である。
史実より早くロケット弾を開発しており、これにより対爆撃機・対地攻撃で高い攻撃力を有している。
また、本機は急降下爆撃も出来るように構造も強化しており、そのため、搭載機が特に限られる小型空母では数少ない攻撃戦力として重要視される存在となった。


以上です。

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最終更新:2021年02月03日 19:45