615: 635 :2021/03/26(金) 00:03:58 HOST:119-171-231-231.rev.home.ne.jp

銀河連合日本×神崎島ネタSS ネタ ゲートの先は神崎島もヤルバーンも無いようです 幕間二



「一体どうなっている!?」


その日NASAのミッションコントロールセンターは喧騒に包まれていた。
アメリカは先の向こう側の元大統領へのテロとそれに伴う大量の逮捕者や奇妙な果実を生みつつも人々は生活を送っていた。
テロのお陰で犯罪が減って治安が良くなったとは最近流行りの笑えないジョークである。


「各天文台からのデータからも地表が変化しているのは確実です!」

「映像分析とスペクトル分析からは植物と水の存在が確実視されています。」

「本当に何が起きた…?」


その時一人のスタッフが叫ぶ。


「ハッブル宇宙望遠鏡を対象へ指向完了!映像が来ます!!」


その声に全員がミッションコントロールセンター中央のモニターへと目を向け、




「「「「………。」」」」



全員が息を飲む。



そこにあったのは、地表を覆う緑と青い水を湛えた惑星。



「これは…本当に…火星…なのか…?」






変化が起きた場所は地球より五千万キロ以上離れた彼方、
その日、ある天文ファンが動画投稿サイトに投稿している生放送で火星を観察中にそれは起きた。


「あれ?火星の色が変わってく…?」


赤が緑になった!

青じゃね?

緑のたぬくの勝ちじゃあ!!

これじゃ火星じゃなく木星だなwww

いや水星だろ?




撮影されている映像中の火星の色彩は色鮮やかに変化していく。
そして十分も掛からずに変化は完了した。


「これは……。」


呆然とする天文ファンはふと流れるコメントを見た。


こりゃすげえ!

なんじゃこりゃwww

大神降ろしを思い出す

616: 635 :2021/03/26(金) 00:06:32 HOST:119-171-231-231.rev.home.ne.jp




『まるで地球だな…』


この一文が頭の中に残った。


動画を見る人々の目に映るソレ。


それは人々が知りうる既知の宇宙において唯一無二の存在である筈の、
母なる星、地球に瓜二つの青い星であった。



惑星の色が突如として変化していく映像、SNS上で拡散された情報によりアマチュアや各国の天文台、そして世界中の宇宙機関が騒然となった。
天文ファンの小型望遠鏡や天文台の大型望遠鏡が火星へと向けられ様々なデータがネットワーク上で共有される。
昨今の暗いニュースの中の話題に並行宇宙とはいえ宇宙人がいると確認されたこともあり多くの人々が飛び付いた。



そして現在、ハッブル宇宙望遠鏡が捉えた今の火星の姿…、
植物の緑と水の青を湛えたその美しい姿に多くの人々は溜息をつく。
北アフリカのサハラや中国大陸での砂漠化、伐採により森林が消えつつあるアマゾン、山火事で森林が焼失するオーストラリア等、
地球より緑豊かであるかもしれない。


NASAの多くのスタッフがコントロールセンターのメインモニターに釘付けになる中一人のスタッフが機器に灯されたランプに気付く。


「これは…信号…?」


スタッフが調べた結果信号は火星から発せられていた。
それは2018年を最後に途絶えた火星探査車オポチュニティからの信号だった。
何らかの要因によりオポチュニティが再起動したようだ。

通信状態は良好、カメラも稼働している。
スタッフの端末に画像が映る。
映し出されたのは、





地球では失われて久しい、化学物質に汚染されていない何処までも続く紺碧の海と空


これより悠久の時を刻むであろう波の打ち寄せる白い砂浜





その光景に呆然とし、しばし、たたずむ。
別のスタッフがその様子に気づいた。


「おい、どうした?」


ハッとするスタッフ、


「ああ、すまない…オポチュニティからの信号を受信した…通信状態は良好…火星の画像も見れた…。」

「なんだって!?」


別のスタッフに画像を見せる。


「やはり液体の水、海があるのか!!おい、みんな!!」


別のスタッフは他の者にこの事実を伝えに行く。
スタッフはもう一度端末へと目を向ける。
新しく画像受信した信号が映る、画像に写っていたのは…。

617: 635 :2021/03/26(金) 00:09:44 HOST:119-171-231-231.rev.home.ne.jp








「角の生えた…女性…?」







海の上に立つのは巨大な角と星を浮かべた瞳を持つ女性。
"彼女"は胸の前で手を祈るように握り合わせ、火星の空のその向こう、この地球(ほし)を見つめる。



『A――――――。』



何処からか歌が聞こえる…。

それは獣性に回帰せず、子らの手で母へと回帰した原初の女神の歌声。




2020年、夏の暑い日、NASAアメリカ航空宇宙局は火星の地球化を発表。

618: 635 :2021/03/26(金) 00:10:16 HOST:119-171-231-231.rev.home.ne.jp
以上になります。転載はご自由にどうぞ。

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最終更新:2021年03月31日 09:23