609: 加賀 :2021/07/18(日) 12:48:10 HOST:om126133218227.21.openmobile.ne.jp
「思ったよりも……同盟は堅牢なようです。私の見誤りです」
「構わないオーベルシュタイン。同盟の奴等も中々やるではないか」

 ラインハルト・フォン・ローエングラム元帥は元帥府にてリンチ元少将らの叛乱が失敗した報告をオーベルシュタインから受けていた。

「その同盟からですが……トリューニヒト議長から閣下に私的な通信が来ています」
「私的通信?」

 興味を抱いたラインハルトはその通信を開く事にしたが、その通信は目を見開く内容だったのであった。





「さて……金髪の孺子はどう捉えるかな……」

 トリューニヒトこと嶋田は議長室の机で政務をしながらそう呟く。

「地球教はサイオキシン麻薬の元締め……どう出るかは見物です」

 対応するのは市民からは財政に覚醒したと噂されるジョアン・レベロである。ただし中身は辻である。

「憂国騎士団の取り締まりをしてほぼ根絶させたのは快挙だな」

 それまでのトリューニヒトは憂国騎士団ーー地球教と繋がりはあったが嶋田が憑依してからは拒絶していた。そのため憂国騎士団はトリューニヒトを脅そうとしたがブロンズ大佐率いる治安維持部隊の突入により5000名以上の逮捕者を出す事に成功。また銃撃戦で最低でも三桁の死傷者を部隊、騎士団共に出してはいる。だがその犠牲もあって憂国騎士団と同盟内にいる地球教団は根絶する事に成功するのであった。
 無論、地球教やフェザーンが慌てたのは言うまでもない。

「裏切ったなトリューニヒト……」

 報告を受けたルビンスキーが驚いたのは言うまでもなかった。

「ところでエドワーズ議員は?」
「相変わらず反戦運動の真っ最中ですよ。今頃はハシモト中将駐留のエル・ファシル星域でしょう」

610: 加賀 :2021/07/18(日) 12:48:52 HOST:om126133218227.21.openmobile.ne.jp
原作と同じく議員に当選したジェシカ・エドワーズであるがトリューニヒトが記者会見で発表した守勢作戦には基本的に賛成するも軍の更なる削減及び帝国との和平を主張していた。それだけだったのならまだしも捕虜交換で帰還した200万の将兵らに一人ずつ主張した事で彼女が立ち上げた左派政党に入党する兵や元兵らが挙っておりそれに勇気を得たのか彼女は軍人ーー知り合いであるヤンとかの説得に積極的だった。
 ヤンは彼女の行動に何も問わなかった。彼女を知る上での事だからである。だからヤンは彼女と今は会おうとはしなかった。

「漸く同盟が己の過ちを気付いたんだ。もう待っててほしい……」

 アムリッツァ後、トリューニヒトは密かにヤンと面会をしていた。

「表向きは私を批判しても構わない。が、私は君達を全面的に支援する。信じられないだろうかもしれないがね」

 当初はトリューニヒトに批判的だったヤンだがトリューニヒトが国防政策に関してはヤン等に委ねた事で評価をほんの少しだけ改めたようである。
 なお、滞在期間でジェシカはヤンに会う事はなかったがその代わりエル・ファシル星域に駐留していたハシモトに会う事は出来た。

「久しぶりねハシモト……」
「……ラップの時以来だな」

 ハシモトは押し付けられた感があるのを感じながらもジェシカに対応する。なお、ハシモトとヤン、元よりアスターテ会戦で戦死したラップは同期でありジェシカの事も士官学校の時から顔見知りだったのである。

「ハシモト、私が言わんとしている事は分かるでしょう? 出来るだけ協力して」
「ジェシカ……いやエドワーズ議員、それは軍に協力をさせろと?」
「ハシモト、お願い出来ないかしら?」
「無理ダナ(・��・)」

 ハシモトはバッサリと切った事にジェシカは一瞬呆気に取られるも気を取り直して口を開く。

「事は急なのよ。これ以上の犠牲は私達もごめんだわ」
「それは理解出来る……だが、俺は軍人でありこの国は民主主義を貫く国だ」
「あっ……」

 ハシモトの言葉にジェシカは思い出した。自分が当選出来たのも民主主義という国家の自由惑星同盟だからだ。その民主主義国家の軍人が政権を打倒するような事になれば何が起きるか?

「君はクーデターを起こせと? しかもクーデターを起こせばそれなりに犠牲は出る。その犠牲も君が主張するのに含まれるのかな?」
「………」
「そういう事だよジェシカ。君のやろうとしている事は誰から見ても正義かその反対だ。だが我々がやろうとしているのも誰から見ても正義かその反対だ」
「……………」
「俺から話せるのはそれだけだよ」

 ハシモトはそう言って席を立つのであった。なお、扉の外ではマツダが待機していた。

「何だ、シャーリーも来ていたならジェシカに会ってこいよ」
「ふん、ごめんだね。ナヨナヨしているのには会いたくないな」
「お前な……そういう事を言うからジェシカと喧嘩するんだろう……」

 シャーリーの言葉に溜め息を吐くハシモトだった。

「あー……それとシャーリー」
「何だ?」
「アフターファイブは暇か?」
「ッ……あーそうだな……暇……かもな」
「エル・ファシルで美味いラーメン屋があるらしい。どうだ?」
「ご同伴……使わしてやるよ」

 少し頬を赤く染め目線を反らすハシモトにニヒヒと笑うシャーリー(同じく頬を赤く染める)だった。それを廊下の端から見つめる者達がいた。

「やはりハシモト中将はマツダちゃんと……」
「クブルスリー閣下に報告だな」
「転生したら顔馴染みがTSしてムラムラして仕方ない件……次の新刊はこれでいくか」

 夢幻会の下位メンバーでありハシモトとマツダの行動は逐一、トリューニヒトやクブルスリーらに報告されるのであった。

611: 加賀 :2021/07/18(日) 12:57:26 HOST:om126133218227.21.openmobile.ne.jp
またしても受信したので思うがままに書いた。後悔はしてない。
さて、ハシモトとマツダの発展はどうなるやら……。
センセー、シャーリーハハエテイナインデスカー?
ハエテマセン

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最終更新:2021年07月23日 11:22