570: 194 :2022/01/28(金) 19:10:30 HOST:ai126183152123.57.access-internet.ne.jp
現代日本大陸化&銀連神崎島クロスSS ある日、日本が『超』大陸と化してしまった件サードシーズン?その25 戦娘統合技術開発研究所


戦娘統合技術開発研究所―――

戦娘及びそれに関係する一連の技術を生み出した研究者達の牙城であり、乙世界の人類の反攻作戦の要の一つである。
可能な限りの物資の融通が行われ、過剰なまでの警備態勢で固く守られている。そういう意味では、人類の希望の地の一つではあるのだが・・・。
研究者達は自らを戒める達に、こう別称している。


「人類の未来の為に倫理を捨て去った、最低最悪なクソ野郎共の巣窟」と。


そんな研究所にて、両世界及びティ連の技術者達を出迎えたのは初老の男性。
戦娘の概念の提唱者であり、プロジェクトの最高責任者でもある科学者、大郷寺 順次郎(だいごうじ じゅんじろう)博士だった。


大郷寺「ようこそ、戦娘開発の地、そしてクソ野郎共の巣窟へ。私が最高責任者の、大郷寺 順次郎だ」


いきなりの挨拶に呆気にとられる来訪者達。まさか自らの事を「クソ野郎共」と称するとは思わなかったからだ。


柏木「・・・い、いきなりな挨拶ですね。そこまで卑下しなくても」

大郷寺「卑下?卑下だと!?面白い事を言う。我々は人類の未来を守る為に、倫理を捨て去った。悪魔と呼ばれても仕方がないクソ野郎共の集まり。それが事実だよ」

フェル「・・・ケラー大郷寺。ケラーは自らの研究に、罪悪感を抱いていると?」

大郷寺「当然だろう!若い少女達を地獄へと送り込む行為をしているんだ。しかも、副作用の恐れのある不完全な技術を使用してね!罪悪感を抱かない方がどうかしている!地獄行きじゃなかったら、逆に困惑するね!!」

571: 194 :2022/01/28(金) 19:11:05 HOST:ai126183152123.57.access-internet.ne.jp
技術者としてのプライドと人としての倫理観。二つの相反する感情をないまぜにした言い分に言葉を失う来訪者達。
少しの間、場に沈黙が漂う。そんな空気を打ち破ったのは、ゼスタールの代表として訪れていたシビアだった。


シビア「一ついいだろうか、ダイゴウジ生体」

大郷寺「何じゃ?異星人のお嬢さん」

シビア「不完全な技術で戦娘達を戦場に送り込む。そして、その事実を忌避している。その認識に、相違は無いか?」

大郷寺「そりゃそうだろう。そういう技術に頼らねばならない程追い詰められていた事実と、人としての葛藤と良心。何も感じない方がどうかしておるよ。そんな自分達をクソと呼んで、何が悪い!」

シビア「・・・ならば、ダイゴウジ生体が為さねばならない事は、自らを否定する事ではないと、判断する」

大郷寺「・・・何じゃと?」

シビア「我々はこれまでの経緯もあり、生命体の持つ『情緒』という物が乏しい。故に、ダイゴウジ生体の『苦悩』という物は理解出来ない。だが、ダイゴウジ生体が為さねばならない事は、理解出来る」

大郷寺「・・・為すべき事、とは?」

シビア「この戦いを一刻も早く終わらせ、戦娘の技術を必要としない世界を実現する事」

大郷寺「・・・!!」

シビア「その世界を実現する為に、全てを注ぎ込んで職務を全うする。それこそが、ダイゴウジ生体が為すべき事項であると、認識せよ」


一切の遠慮のないシビアの発言。
だが、そのストレートな発言こそが、大郷寺博士の心に響いたようだ。


大郷寺「・・・くっくっく。はっはっはっはっは!成程、これは一本取られたのう。お嬢さんの言う通りだ。少女達を戦場に送る必要のない世界。それは、一刻も早く実現しなければならない事だな」

シビア「ダイゴウジ生体の判断を、我々は評価する」

大郷寺「はっはっは。これはまた、面白い言い分だ。個人的にお嬢さんの種族が一体どんな存在なのか、とても興味があるが・・・それはまた後日伺うとしよう。では、お客様方。早速見ていただきましょう。我々が開発した、戦娘の技術を」


そう言って、研究所内の案内を始める大郷寺。
かくして、ティ連・ゼスタール・そしてヤル研の愉快な仲間達による戦娘の強化・・・というか魔改造が始まるのだが、それに関しては次回以降に説明したい。

572: 194 :2022/01/28(金) 19:11:37 HOST:ai126183152123.57.access-internet.ne.jp
一方、レイ達四人と新たに加わったF-3烈風『レツ』・F-4閃風『セン』そしてゆきかぜ型護衛艦(しらつゆ級駆逐艦の乙世界での呼び名)の二人、1番艦『ゆきかぜ』と二番艦『そよかぜ』を加えた
計八人は、基地内部の体育館にて対人格闘戦の訓練を受けていた。教官はシエとメルの二人。対人戦闘の訓練という観点で言うと、実に理に適った人選と言えるだろう。
で、現在は彼女達がどれ位のレベルかを図る為に、訓練用の艤装を纏った上で二人一組でシエやメルに格闘戦を挑んでいるのだが・・・


シエ「ドウシタドウシタ?ソンナ打チ込ミデ、私ヲ倒セルト思ッテイルノカ!?」

いちご「クッ!?」

レイ「ま、全く隙が無い・・・!!」


攻撃は全てガードされ、逆に鈎爪で鋭い攻撃を次々と仕掛けて来る。
一方のメルも


メル「ホラホラ!そんなんじゃ、戦場で生き残れないよ!」

こんごう「わわっ!?」

きりしま「な、何であんな大きなロングソードで、これだけ鋭い斬撃を連続で出せるんですか!?」


シエと比べて少々粗削りながらも、余計な動作の無い鋭く重い斬撃で翻弄していた。
その後も2時間にわたり訓練を続けたが、レイ達は一撃も喰らわせる事が出来ず、逆に二人にボコボコにされて終了した。


シエ「・・・フーム、コレハ中々ニ厳シイナ」

メル「こういう戦闘の経験があまり無かったんだろうけど・・・大丈夫かな?シエ師匠」


ぶっ倒れて声一つ上げれない八人を見て、厳しい顔をする二人。何せ極めて短期間で、ある程度物にしないといけないのだ。
これは厳しい訓練となりそうだ。
そう思っている所に、スポドリを持った横手がやって来た。どうやら様子を見に来たようだ。


横手「二人共、お疲れ様です。これをどうぞ」

シエ「アア、スマナイナ」

メル「有難う、横手師匠」

横手「し、師匠!?」

シエ「アア、惑星ハイラデノ敬称ミタイナ物ダ」

横手「そ、そうですか・・・。にしても・・・・・中々に厳しい物となりそうですね」

573: 194 :2022/01/28(金) 19:12:09 HOST:ai126183152123.57.access-internet.ne.jp
未だ倒れているレイ達を見て、そう語る横手。


シエ「ダガ、ココデ物ニ出来ナイト奴等ニ勝ツ事ハ難シイゾ。確カ、期限ハ一カ月ダッタカ?」

横手「ええ。核容認派からの譲歩を得るのに、随分苦労しましたよ。二週間後には新しい艤装が完成するから、それの完熟訓練が二週間。つまり、実質二週間で格闘戦の技量を向上させないといけません」

メル「うーむ、これはスパルタで行くしかないね。シエ師匠」

シエ「ソウナルナ。ヨシオ前達!イツマデ休憩スルツモリダ!次ハグラウンドヲ十週ダ!」


呻きに近い悲鳴を上げるレイ達を見て、横手は


(・・・PXの甘味類を、通常の三倍申請しておこう)


と、密かに心に誓ったのだった。

574: 194 :2022/01/28(金) 19:12:39 HOST:ai126183152123.57.access-internet.ne.jp
以上です。戦娘統合技術開発研究所での出来事と、対人格闘の技量向上の為にシエとメルちゃんに指導されるレイ達の様子でした。
以前頂いたセリフ集で、戦娘の技術を開発した科学者のセリフを見て

「恐らく、こんな感じのキャラだろうな」

と想像しながら書きました。そして、そんな彼にハッパをかける役としてシビアさんに出張ってもらいました。
          • ゼスタール人の独特過ぎる口調に大苦戦する羽目に(自爆)。今回はこれが一番大変でした(汗)
一方、特訓を受けるレイ達ですが、シエさんとメルちゃんに見事にボコボコに。まぁプロ二人を相手にしたのだから、当然と言えば当然でしょう。
新しく三人の戦娘が登場しましたが、紹介の方はまた後日。・・・本編だけで力尽きましたのでorz
          • 因みに原作者様。シビアさんの口調ですが、今回の書き方は100店中何点位でしょうか?(ヲイ)。それではまた次回。
wiki掲載は、自由です。

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最終更新:2022年02月03日 14:57