486: 194 :2022/07/05(火) 23:05:30 HOST:ai126146222047.53.access-internet.ne.jp
現代日本大陸化&銀連神崎島クロスSS ある日、日本が『超』大陸と化してしまった件サードシーズン?その77 南極点での殴り合い(人型戦車)


さて、もう一方のシエ&多川夫婦の蒼星と人型血戦鬼の戦いだが、一騎討に持ち込んだのにはそれなりの訳があった。
端的に言うと、鬼級の名に恥じない強さだったからだ。
コイツ1機に、鉄人及びレオパルドⅢが合わせて3機にグリーンオーガと蒼星が1機ずつ、カウント3機にスパシーチェリが5機撃破されているのだ。
初の実戦でいきなりエース級の戦果を叩き出しており、これ以上の被害を食い止める意味も有って一騎討に持ち込んだのだ。


血戦「コイツハ・・・今マデノ奴等ト違ウノォ」


大ベテランコンビでもある二人が醸し出すオーラに、パイロットも慎重になる。
武器を構えて睨み合う2機。互いの隙を伺う。
先に動いたのは、人型血戦鬼の方だった。135㎜レーザーマシンガンを乱射しながら、一直線に突っ込む。


血戦「余リ時間ヲ掛ケル訳ニモイカン!一気ニ行クデ!」


自らに気合を入れるかのように叫ぶパイロット。コアの方も点滅。『了解』と言っている様だ。


シエ「来ルゾ、ダーリン!!」

多川「ほい来た!頼むぜ、カーチャン!!」


突進を横っ飛びで回避しつつ、右腕部の腕時計・・・75㎜五連装レーザーマシンガンを浴びせる。
だが、人型血戦鬼の方もシールドを持ったサブアームを形成して防御。全くダメージが無い。


多川「クソッ、例の液体金属か!!」

シエ「伊達ニ鬼級ト名乗ッテイル訳デハ無イ・・・トイウ事カ。ダガ、マダマダコレカラダ!!」

487: 194 :2022/07/05(火) 23:06:15 HOST:ai126146222047.53.access-internet.ne.jp
液体金属の多芸性に舌を巻きつつも、追撃を続ける二人。腕時計を乱射しつつ有線粒子ビームロッドを射出。
腕時計の方はシールドで防がれるが、ビームロッドが右腕部の240㎜レーザーバズーカに絡みつく。すかさず電撃攻撃を浴びせようとするが・・・血戦鬼のサポートコアの行動が一瞬早かった。
危険を察知したサポートコアがレーザーバズーカを強制パージ。機体本体から切り離す。パイロットが「ドウシタンヤ?」と聞こうとしたその瞬間、電撃が放たれる。
レーザーバズーカは許容量を超えた高圧電流に晒されて爆発。しかし、既に切り離されていた為機体本体は無傷だった。


血戦「電撃攻撃ヤト・・・!?334、ナイス判断ヤ!」


自身の相棒の思い切りの良さを称賛するパイロット。コア本人?も得意げだ。
一方のシエ達は、敵の思い切りの良さに舌を巻いていた。


シエ「チッ、思イ切リノイイ奴メ!」

多川「こりゃ、射撃戦ではケリがつきそうにないな。接近戦をやるしかないか」

シエ「ソノヨウダナ。・・・コレ程ノ手練レトヤリアエルトハ。久方振リニ、血ガ滾ルゾ!!」

多川「・・・ノッて来たようだな、カーチャン!そいじゃ行くぞ!ユーハブ!」

シエ「了解ダ、ダーリン!アイハブ!」


実体式シールドを造成し、シールドから大型レーザーソードを抜刀する蒼星。人型血戦鬼も、205㎜ショルダーキャノンで牽制しつつ、ツイン・レーザーランスを背部から取り出す。
此方も受けて立つようだった。

さて、両者の格闘戦だが互いにレーザー式の武器であり、アニメやゲーム等と違っていわゆる「鍔迫り合い」と言うのは出来ない。受け止めようとしても、すり抜けるだけなのだ。
その為、格闘戦をする場合は専ら敵の攻撃をシールドで受けつつ敵の姿勢を崩すという戦い方になる。主に、敵の武器を持つ手や腕・場合によっては脚等を攻撃し、防御態勢を崩して
必殺の一撃を叩きこむという形だ。
イメージとしては、ガン=カタ等で見られる超近接戦闘・・・相手の型を崩しながら必殺の銃撃を叩きこむアレである。
そして・・・両者は激しくぶつかり合う!

488: 194 :2022/07/05(火) 23:06:46 HOST:ai126146222047.53.access-internet.ne.jp
それは、まさに演武を連想させる闘いであった。
両者共に両腕は勿論の事、サブアームも全て動員して相手の防御を崩そうと試みる。
だがどちらも、一瞬防御姿勢が崩れても寸での所で新たな防御が間に合い、再びの崩し合いになる。
時折フェイントやシールドバッシュ・体当たり等も混ぜるが、やはり防御を崩すまでには至らず、互角の勝負を演じている。
性能や経験はシエ達が上だが、サポートコアの高度な姿勢制御がその差を補い、またパイロットも類稀な操縦センスを持っている。これでは、中々勝負がつかないのは明白だ。
両者共に一旦距離を置き、体勢を立て直す。
それと同時に轟音が。水陸両用突進姫がエーレルに敗れたのだ。


血戦「・・・ゼェ、ハァ・・・。アッチハヤラレテモウタ・・・カ。抵抗ヲ続ケテルノハ、ウチ等ダケ・・・カ」

シエ「・・・フゥ、ハァ・・・。ココマデ強イトハナ」

多川「こんなのが量産されなくて、本当に幸いだな・・・」

血戦「・・・ソノ機体ノパイロット!名ハ何ト言ウンヤ?」

多川「・・・え?いきなり何?」

シエ「・・・名ヲ聞クノナラ、先ニ其方ガ名乗ルノガ礼儀ジャナイカ?」

血戦「・・・ソレモソウヤノ。トハイエ、名前自体ハアノ糞マシーンニ奪ワレトルカラノ。ウチハハイエンドコア・HC03304、相方ハサポートコア・SC-000334ヤ」

多川「・・・柏木が聞いたら『何でや!阪神(ry』って言いそうな名前だな」

シエ「イヤ、イキナリ何ヲ言イ出スンダ?ダーリン?」

多川「ああ、悪い。で、俺等も答えるか?」

シエ「名乗ッタ以上ハ、答エルノガ礼儀ダロウ。私ハダストール人ノ『多川 しえ』ダ」

多川「・・・その夫の『多川 信次』だ」

489: 194 :2022/07/05(火) 23:07:16 HOST:ai126146222047.53.access-internet.ne.jp
血戦「・・・何ヤ、夫婦ヤッタンカイ。ドオリデ息ガ合ットル訳ヤナ」

血戦「・・・マァエエ。ウチハコウナル前ハ、所謂廃ゲーマーッテ奴デノ。女ダテラニ『本物ノ人型ロボットニ乗ッテ、強イ奴ト戦イタイ』ッツー夢ヲ持ットッタンヤ」

多川「・・・いきなり自分語りを始めたぞ」

シエ「・・・マァ、黙ッテ聞イテヤロウ」

血戦「・・・正直ニ言ウナラ、ウチ等ニコナイナ運命ヲ強イタ神ト、アノ糞マシーンヲ恨ンドル。コナイナ存在、コナイナ扱イヲサレトルカラノ」

血戦「・・・セヤケド、一個ダケ神ニ感謝シトル」

多川「感謝?」

血戦「・・・ドウイウ形デアレ、ウチガ生キテ叶エル事ハ出来無イト思ットッタ夢、『本物ノ人型ロボットニ乗ッテ、強イ奴ト戦イタイ』ッツー夢ハ叶エル事ガ出来タ」

血戦「・・・ソシテ、最初デ最後ノコノ戦イ。オ前等トヤリ合エタ事ヲ感謝スルデ。・・・サァ、決着ヲ付ケヨウヤ!」

シエ「・・・イイダロウ。次デオ前達ヲ倒ス!イクゾ、ダーリン!」

多川「ほいよ、カーチャン!」


大型レーザーソードとツイン・レーザーランスを構えながら対峙する2機。そして・・・
人型血戦鬼がフルスピードで突進、目にも止まらぬ速さで刺突を繰り出す。


貰ッタ!!


パイロットはそう確信する。だが、シエ達の乗る蒼星は地面スレスレまで姿勢を低くし、紙一重で刺突を回避。


シエ「ハァァァァァァ!!」


そのまま大型レーザーソードを振り上げて、人型血戦鬼の両腕を両断。
更に隠し腕に装備されたレーザーブレードが、サブアームのシールドによるフォローが入る前に両脚に直撃。機動力を奪ってしまう。


血戦「何ッ!?」

多川「トドメだ!!」


そして蒼星はそのまま機体を回転させながら斬撃。腰部を一太刀で両断する。


血戦「ヌワァァァァァ!??!?」


落下時の激しい衝撃でパイロットは気絶。サポートコアが損傷を押して制御を行おうとしたが、その前にゼル端子を撃ち込まれて無力化された。
人型血戦鬼の撃破。これをもって南極での蒼空邪軍の抵抗は終了し、アクアリス本土への道が開けたのだ。

490: 194 :2022/07/05(火) 23:07:46 HOST:ai126146222047.53.access-internet.ne.jp
以上です。シエさん達の蒼星と人型血戦鬼の激戦の様子でした。
いやはや、今回も苦労しました(汗)。特に格闘戦は、本文中でも書いた通り鍔迫り合いが不可能という事も描写の難易度が跳ね上がる原因に。
なので、代わりとしてガン=カタ染みた戦いをする事に。・・・自分の力量では、この辺りが限界でしたorz
そして最後のシーンは、言うまでの無く初代ガン〇ムのオマージュです。あのシーンはガチの名シーンでしたので、決着にふさわしいかなと思いましたので。
ともあれ、これで南極での抵抗を排除し、アクアリス本星へと繋がるワームホールの確保に成功しました。
さて次回は、鹵獲したコア達とのやり取りと一部部隊の独断専行、そして・・・原案者・クローサー様による本作でも一二を争う最強の敵の登場となります。お楽しみに。
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最終更新:2022年07月29日 09:37