95:194:2022/09/27(火) 20:00:32 HOST:ai126146081193.53.access-internet.ne.jp
現代日本大陸化&銀連神崎島クロスSS ある日、日本が『超』大陸と化してしまった件サードシーズン?特別番外編 サードシーズン中のウマ娘達の出来事 その5


新メンバー達を加え、心機一転突き進む事となったカノープスとスピカ。メイクデビューでの勝利を目指し、皆トレーニングに余念が無い。
チームの先輩達も、自身のトレーニングの合間を縫って可能な限りのサポートを行い、後輩達の勝利を願う。勿論歌やダンスのレッスンも有るので、中々にハードなスケジュールとなっている
そして迎えた、レース当日。今回は、トリーとカナの二人のレースを見ていこう。

6月某日 中山競バ場

ここ中山競バ場だが、メイクデビュー戦は第4及び第5レースとなっている。走る順番だが、トリーが第4レース・カナが第5レースに出走する事になった。
さて、ウマ娘のメイクデビュー戦は割かし空席が目立つ物なのだが・・・今回のメイクデビュー戦は些か趣が違った。
まるでGⅠレースが行われると勘違いしてしまいそうな位の沢山の観客で溢れており、メイクデビュー戦としては極めて異例の満員御礼状態だった。
何故か。それは、少なくない人達の目撃証言から「UMAの時の記憶を保持したまま転生したトリプルターボとカナリハヤイネン」が居る事が判明しており、
メイクデビュー戦での出走が知れ渡るや否や、ウマ娘に転生したかつての名馬(UMA)の大逃げを一目見ようと、日本各地ばかりかティ連の人々も多数押しかけてきており、
結果として立ち見の人が出る程の事態となったのだ。
競バ場関係者達は、全く予期しない出来事に頭を抱えていたが、止む無く人員を増員して対応している。
さて、出走表だが以下の通りになっている。

第4レース
1枠①オーキッド
 ②ドゥンケル
2枠③ライサンダーゼット
 ④エスアールファング
3枠⑤トリプルターボ
 ⑥グラントランチャー
4枠⑦エメロード
 ⑧センゴウダン
5枠⑨インパルス

第5レース
1枠①レイピアノヴァ
 ②マグブラスター
2枠③サンダーボウガン
 ④ライジン
3枠⑤プラズマジーシー
 ⑥カナリハヤイネン
4枠⑦ナンガデッキョンナ
 ⑧サイブレード
5枠⑨ミラージュ

96:194:2022/09/27(火) 20:01:02 HOST:ai126146081193.53.access-internet.ne.jp
実況の赤坂さん(以下赤坂)「今年もこの時期がやってきました、メイクデビュー戦。自身とファン達の夢と共に、ターフを駆けるウマ娘達のデビュー戦」

赤坂「普段なら観客数もそこまで多く無いのが通例ですが・・・ご覧下さい。まるでGⅠの様な人混みで溢れ返っています」

赤坂「何故か。それは、今回のデビュー戦で2人のウマ娘が出走するからです」

赤坂「日本が超大陸化したと同時に出現した動物の一つ、UMA。サラブレッドの2倍の体躯を誇り、サラブレッドやウマ娘の倍のスピードで走る存在」

赤坂「そのUMAの競走馬として、時代を作った2頭のUMA・トリプルターボとカナリハヤイネンが、前世の記憶を持った状態でウマ娘となって、このターフに戻って来たからです」

赤坂「そんな二人の逃走劇を一目見ようと、日本全国ばかりかティ連からも沢山の人達が来訪しており、その結果としての満員御礼状態と言う訳です」

赤坂「本人は勿論ですが、観客の方も二人の出走を今か今かと待ち侘びているという状態です」

赤坂「実況はこの私、赤坂。解説は細井 澄子(細江純子氏の同位体)です。よろしくお願いします」

細井「よろしくお願いします」

赤坂「さて、本日のメイクデビュー一戦目となる第4レースですが、どう見ますか?」

細井「そうですね。最有力候補はやはり、トリプルターボになるかと思います。今まで踏んできた場数で言えば、ダントツと言ってもいい数が有りますからね」

細井「勿論、懸念材料が無い訳では有りません。まず通常の競馬と違って鞍上が居ないという事。つまりはコース取りやペース配分を、走りながら自分で決めなければならないという事」

細井「ゴーストウイニングもその辺りでかなりの苦労を強いられたそうですし、その辺りをきちんとカバーできているかという懸念点が有ります」

細井「また、マークが厳しい中で自身のペースで走れるかどうかという点も気になります」

赤坂「成程」

細井「彼女以外となるとスタミナの多さが特徴なドゥンケル、瞬発力のエスアールファング、総合力のオーキッドといった辺りが注目すべきウマ娘となるでしょうか」

細井「いずれにせよ、トリプルターボが上手く大逃げを打てるか。はたまた他のウマ娘達がそれを阻止出来るか。それ等が勝負の行方を左右する物と思われます」

赤坂「有難うございます。さぁ、いよいよ出走となります。あなたの夢、私の夢。新たなウマ娘達の初めての戦いが、今まさに始まろうとしております」

赤坂「最後に残ったインパルスがゲートイン。各ウマ娘、ゲートインが完了。態勢が整いました」


ガッチャン

97:194:2022/09/27(火) 20:01:32 HOST:ai126146081193.53.access-internet.ne.jp
赤坂「スタートしました。出遅れは無し。各ウマ娘、順調な滑り出しとなりました」

赤坂「まず飛び出したのはやはりこのウマ娘、赤とピンクの髪のトリプルターボです。ターボエンジンを全開にして逃げまくります。他のウマ娘達は一旦様子見か、やや後方に付けてきております」

赤坂「観客席からは早くも大きな歓声が上がっております。二番手はエスアールファングその後ろにライサンダーゼット。1バ身離れてオーキッドをドゥンケル、やや離れてセンゴウダンとインパルス」

赤坂「そのすぐ後ろにエメロードとグランドランチャーと言う順になっております。先頭は依然としてトリプルターボ。他のウマ娘達を置き去りにして大きく大きく逃げております」

赤坂「もう間も無く中間地点に差し掛かりますが、その差は既に15~16バ身にもなる所。このペースで走って大丈夫なのか、それとも既にセーフティリードとなっているのか?」

赤坂「1000mのタイムは59秒5・・・59秒5!?これ程の差が有りながらこのタイムは平均とあまり変わらず。思ったよりもスローペースです!」

細井「これは・・・トリプルターボは抑えて走っていますね。恐らく第1~第2カーブを曲がる辺りで、分からない様にこっそり減速していたのでしょう」

赤坂「何とトリプルターボ、全力で大逃げしているように見せながらしっかり足を残しておりました!これは他のウマ娘にとっては予想外もいい所だ!」

赤坂「他のウマ娘達も異変に気付き、懸命にスパートをかけていますが間に合うのか!?それとも既にセーフティリードとなっているのか!」

赤坂「場内に大きな歓声を響かせながら、トリプルターボだけが!トリプルターボだけが4コーナーのカーブに差し掛かってきました!」

赤坂「トリプルターボ、コーナー内側を綺麗になぞりながら最後の直線へ!中山の直線は短いぞ!果たして他のウマ娘達は間に合うのか!」

赤坂「他のウマ娘達が懸命に距離を詰めるが、トリプルターボは・・・さ、更に急加速!!温存していた二の足を解き放った!!」

赤坂「差が急激に開いていく6バ身!7バ身!8バ身!最早誰も追い付けない!」

赤坂「吼えろトリプルターボ!」

トリー「はあぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁ!!!!!」

赤坂「全開だターボエンジン逃げ切った!!トリプルターボが勝ちました!!」

98:194:2022/09/27(火) 20:02:02 HOST:ai126146081193.53.access-internet.ne.jp
赤坂「その大逃げ魂、ウマ娘になっても健在!10バ身もの大差をつけて圧勝、格の違いを見せ付けました!まさに横綱相撲!鮮烈なデビューを成し遂げました!!」

赤坂「果たしてあのゴーストウイニングを倒すウマ娘となりうるのか!?今後の走りに注目です!!」


無事一着で勝利したトリプルターボ。ある程度進んだ所で脚を止め、息を整える。
そして、ここで漸く観客席の方を見る。走り抜いた自分に、見に来た観客達が惜しみない歓声と拍手を送っている。中には

「お帰り!トリプルターボ!」

と書かれた横断幕を広げているファンまで居た。
その光景に、胸が熱くなるトリー。やはり自分は、ターフの上で沢山のファン達に愛されるというのが一番性に合うらしい。
完成を送るファン達に、大きく手を振って答える。観客席から、更なる歓声が上がったのだった。


ターボ「おーい!トリー!」


ターボ達がトリーに手を振っている。チームメンバー達の下へ、トリーは駆け寄った。


ターボ「見事な大逃げ勝利だったぞ、トリー!ターボも鼻が高いぞ!」

トリー「・・・有難う、ターボお姉ちゃん」

ニンスナ『見事な大逃げでござった』

ビーフ「いやはや、大逃げしながら終盤に再加速とは凄過ぎっす!こっちも負けてられないっすよ!」

イクノ「やはり血筋や前世の経験の賜物、という事でしょうか」

マチタン「でも、それ等抜きに考えても普通に凄かったよ!トリーちゃん」

ネイチャ「ターボと違って、安心して見てられたわね」

ターボ「ネイチャ酷い!!」

スラテン「まぁまぁ、ターボ先輩。私も初勝利を目指して、頑張らないと」

南坂「いずれにせよ、見事な走りでした。この後も慢心する事無く、より高みを目指していきましょう」

トリー「・・・はい!」

99:194:2022/09/27(火) 20:02:32 HOST:ai126146081193.53.access-internet.ne.jp
チームの皆と南坂の言葉に、改めて気合を入れるトリー。次はカナの番だった。


赤坂「未だ興奮冷めやらぬ場内ですが、第5レースがもうすぐ始まろうとしております。各ウマ娘達が続々と入場しつつあります」

赤坂「と、ここで大きな歓声が上がっております。先程のレースで見事な大逃げを見せたトリプルターボの親友にして、前世からのライバルでもあるカナリハヤイネンが入場して来ました」

赤坂「彼女もトリプルターボに負けない人気が有るのが、こちらにもひしひしと伝わってきております。ライバルでもある以上、此処は負けて等いられない事でしょう」

赤坂「さて、このレース。細井さんはどう見ますか?」

細井「やはり注目はカナリハヤイネンでしょうか。ライバルでもあるトリプルターボが鮮やかに勝利した以上、気の抜けた走りは絶対に出来ませんからね」

細井「果たしてそれが、いい刺激となるのか。それともプレッシャーとなってしまうのか。その辺りが勝敗を分ける様な気がします」

細井「他に注目すべきは、驚異的なスタミナを持つと言われているナンガデッキョンナでしょうか。そのスタミナを生かした走りが出来れば、或いは大番狂わせも有るかもしれません」

細井「勿論他のウマ娘達も、自分の走りが出来れば勝機は有るかと思います。そういう意味ではどのウマ娘にも可能性は有るかと思います」

赤坂「有難うございます」


さて、赤坂さんと細井氏がそんなやり取りをしている頃。ターフでは・・・


カナ(・・・ウチも、負けず劣らず愛されとるんやなぁ。これは、絶対に負けられへんな)


心の中でそう覚悟を決めるカナ。そんな彼女に声を掛けるウマ娘が。
4枠7番・ナンガデッキョンナだ。


ナンガデッキョンナ(以下ナンガ)「・・・貴様が、カナリハヤイネンとかいう奴か?」

カナ「・・・せやが?いきなり何やねん?」

ナンガ「転生者だか転売ヤーだか知らんが、調子に乗んなや。その伸び切った鼻、アタシがへし折ってやる!」

カナ「・・・その言葉、そっくりそのまま返したる。ウチを舐めんなや」

ナンガ「・・・フン」

100:194:2022/09/27(火) 20:03:02 HOST:ai126146081193.53.access-internet.ne.jp
そう言い残して、ゲートへと向かうナンガデッキョンナ。
そんな彼女を一瞥して、カナもゲートへ向かう。


赤坂「各ウマ娘、ゲートインが完了。態勢が整いました」


ガッチャン


赤坂「スタートしました。出遅れは無し。各ウマ娘、順調な滑り出しとなりました」

赤坂「まず先頭に飛び出したのは、やはりカナリハヤイネン!グイグイ加速し、そのまま大逃げ体勢に入り独走態勢へ・・・・・いや、そのすぐ後ろに着いているウマ娘の姿があります!」

赤坂「4枠7番・ナンガデッキョンナです!ナンガデッキョンナがカナリハヤイネンに喰らい付いております!これは全く予想外な展開です!」


予想外の光景に観客席からは大きなどよめきが上がり、カノープスのメンバー達も困惑する。カナ本人も、喰らい付く彼女に一度だけ振り向く。
カナのメイクデビュー戦。それはトリーのそれと違って、波乱のスタートとなったのだった。



101:194:2022/09/27(火) 20:03:32 HOST:ai126146081193.53.access-internet.ne.jp
以上です。地球の防衛任務やらコロナワクチンの副作用とかが原因となって随分と遅れてしまいましたorz
この場を借りて、お詫び申し上げます。・・・ホンマすいませんorz
その代わりと言いますか、今回は長めな展開となりました。他の出走ウマ娘ですが、モブのウマ娘達は地球防衛軍6の武器名がモチーフとなっています。第4レースがレンジャー・第5レースがウイングダイバーの物です。
唯一の例外であるナンガデッキョンナ(讃岐弁で「最近調子はどう?」と言う意味)ですが、個のウマ娘はオリジナルのネームドとなります。詳細な設定はまた後日。
さて、二人のメイクデビュー戦ですがトリーの方は順当に勝ちました。・・・・・他のウマ娘達が自信喪失しないといいけど(ヲイ)
反対にカナの方は、まさかの波乱なスタートとなる事に。第5レースの行方は次回になります。お楽しみに。
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最終更新:2022年11月14日 22:22