銀河連合日本×神崎島ネタSS ネタ ゲートの向こうには(ry・超大陸日本クロス 神崎島おウマさんVS日本ウマ娘 第十.五話「ウマと馬はお別れ()に行くようです」




時間は大体、ゴーストウィニングVSゴーストウィニング号VS元騎手竹内(on the ライスシャワー号)という異種格闘技じみたレースの終わった頃のこと。
他の者達、泣き崩れどうしようもなかった騎手の竹内や馬主の飯崎や諸々の為に後ろ髪引かれながら去ったウマ娘達の去ったトレセン学園のレース場。
残ったのはおウマさんと純妖精國生まれと電の妹なるものと声押し殺して泣いているウマ娘四名、
後、それらウマ娘の友人ズも心配して残っていた。
ゴーストウィニングがトリプルターボやカナリハヤイネンなどの同じ転生組。
ナイスネイチャがトウカイテイオー等同世代やツインターボ師匠等のカノープスに同室のマーベラスサンデー。
ニシノフラワーが同室のミホノブルボン、アグネスタキオンやタイキシャトル。
セイウンスカイがスペシャルウィークら黄金世代である。後、泣いてるウマ娘に押し倒された電である。

電の小さな腕の中で実年齢小学生×1、中学生×2と精神年齢幼児がそれはもう声押し殺し悲しそうに泣いてる。
ナイスネイチャとセイウンスカイに関しては問題ないだろう。なんだかんだで現実と折り合い付けられる年齢だ。
ゴーストウィニングやニシノフラワーは親しい?馬の実質的な死を超えられるかどうか…。
特にゴーストウィニング、実質半身というか姉妹というか兄か弟か…そんな感じの存在喪失したようなものだ。
しかし電は超えられると信じたい。
「ゴーストウィニング号が心配して虹の橋を渡れない」、自らそう言う程の成長を見せたのだ。折り合い付けられる、と。
だからこそ思うちゃんとお別れさせてあげたいと。

これは自分の我儘。本来ならば死別は時間を掛けて大切な人達と共に向き合い心の折り合いを付け心の傷を直していくもの。
これは裏技どころかズルも良い所だ。
そして電はPVMCGに映した時間を見る。過ぎた時間を勘定に入れて考えると…。


「騎手の竹内さんや馬主だった飯崎さん呼んでる時間はありませんか…。」


電はため息を吐くとゴーストウィニング達に優しく話しかける。


「ゴーストウィニングさん、ナイスネイチャさん、セイウンスカイさん、ニシノフラワーさん。」


その声に顔を上げる四人は皆涙で顔がグシャグシャだ。


「ゴーストウィニング号さんとちゃんとお別れしに行きましょう。」




血の様に赤い夕陽の海の上を二頭の馬が走りその後ろを一隻の駆逐艦が往く。
その馬の名はトウカイテイオー号、鞍上には電が座り前にニシノフラワー、背にはゴーストウィニングがしがみついている。
もう一頭はメジロマックイーン号、その背にはセイウンスカイとナイスネイチャの姿があった。
そして駆逐艦の名は霓、マシュの艤装である特型駆逐艦である。
トリプルターボやカナリハヤイネン、トウカイテイオーらあの場に残っていた者達が乗り込んでいる。


「朝なのに夕焼け…。」

「ニシノフラワーさん、ここは沈むことなき夕陽・禍津陽のある夜海ノ海、故にここは常に大禍刻…余り外の時間と関係ないのです。」

「馬が海の上走ってる方が問題じゃない?」

「セイウンスカイさん、トウカイテイオー号さんはおウマさん…。
競走馬ではなくおウマさんの能力ならば走るのに地形だとかそこが地面じゃないとか関係ないのです。
それこそ大気圏外に一瞬で空間跳躍だって出来るのです。」

『それは最早ウマ娘や馬の範疇なのか…?』


電は眼の前のニシノフラワーやメジロマックイーン号に乗るセイウンスカイの疑問に応える。
電の側にはゼルモニターが造成されその向こうには秋川やよい初めトレセン学園関係者や竹内に馬主だった飯崎鈴夏もいる。
後ついてこれなかった生徒会などのウマ娘達。


『疑問!そこはどこで…どこに向かってるのか?ウマ娘達を連れ出してまで。』

「ここはこっちの神崎島の近海なのです。」

:神崎島?
:なんでそんなとこに…?


無論例の配信してるスマホも持ってきている。

677 名前:635[sage] 投稿日:2023/04/13(木) 16:58:32 ID:119-171-248-113.rev.home.ne.jp [4/37]


「付け加えるならばここは変色海域最深部に近い夜海ノ海…つまりは異界化したトレセン学園よりもさらに深い異界なのです。
本来ならばこの先は黒キ陽の昇り姫級や鬼級の深海棲艦が坐する場所、ここにはどうしても常世に近い神崎島経由でしか行けないのです。」

『ちょっと待ちなさい!なんでゴースト連れてそんなとこ向かってるの!?』


電の話を聞き食って掛かる飯崎。
それに対し安全だと言う電、しかしトレーナー達が疑問を呈する。


「大丈夫なのです。電もいるし今回は対州ちゃんぱわーで濡れた存在を退けているのでトレセン学園の異界より安全なのです。」

『安全にしてもどうしてそんな所へ行くんだ?』

『そうですね。行く必要性があまり感じられません…。』

『というかさっきから人影らしきものがちらほら見えるんだけど…。』

「目的地はその最深部よりさらに先なのです。
後、東條さんが見た人影はざっくりいうとここを彷徨ってる亡者とか死者なのです。」

:最深部より更に先…?
:そこに何があるってんだ?
:亡者彷徨ってるって…。

「ここいらのは大体電たちの世界と同じく神崎島に侵入しようとした者たちの成れの果て。
あの亡者はトレセン学園の怪異よりヤバいですがザコなの上に海域から出ることはないので問題ないのです。」

「いや安心出来ないんだけど!?」

『トレセンに出た怪異より強いのがザコ…。』

「ま、それは兎も角…ゴーストウィニングさん羅針盤はドコ指してるのです?」

「えっと…。」


電はゴーストウィニングに問いかける。
問いかけられるとゴーストウィニングは懐から布に包まれた羅針盤を取り出す。
その羅針盤の方位磁針は何やら荒ぶっている。


「なんかグルグル回ってる…。」

「航路定まらず…つまりはここで蹄跡は途切れているということですか…。」

:何故にゴーストが羅針盤持ってるの?
:というか羅針盤て南北示すものでは?
:艦これの羅針盤なんやろ(鼻ホジ)

「後を追うにはやはり縁深いどころじゃないゴーストさんが持てば行けると思ったのですが…ここでこうとは…、」


ふと考え込む電。


「電さん?」

「ああちょっと考え事を…どうもゴーストウィニング号さんの魂はこの先、この世界に接する幽世…、
いえ分かりやすく…この世界の虹の向こうと言うべきですか…そこにはいないようなのです。」

『なんですって!?』『何だって!?』


その言葉に反応する竹内と飯崎。
その他の者らもざわめく。それはそうだろうゴーストウィニング号が虹に向こうにいないと言われれば。
その時であった何処からか声がしたのは。


【異界の電様。】【お待ちしておりました。】

「誰!?」「また幽霊!?」

「大丈夫なのです。表にはあまりでませんが神崎島の関係者なのです。」

【お伝えしとうことがありましてお恥ずかしながらこの様な姿で参りました。】【仮初の身でご視界に立ち入ることをどうかお許し下さい。】


ニシノフラワーとゴーストウィニングが悲鳴を上げるが電の一言で直ぐに落ち着く。
その視線の先には薄っすらと透けた黒子の様な面覆いをした巫女二人の姿が深々と頭を下げていた。

678 名前:635[sage] 投稿日:2023/04/13(木) 16:59:11 ID:119-171-248-113.rev.home.ne.jp [5/37]


「御二人は神意を伝えに…。」

【はい、主の母君様より御言葉をお預かりしております。】

【『馬とウマの女子(おなご)らに苦労を掛けすぎた我らでは日ノ本を背負って立ち、
死んで尚多くの者を守った彼の者を迎える栄誉を受け入れる資格なく、
そんな者達の下で彼の者がどうして安寧を得られようか。どうか、どうか彼の者に安住の地を与えて欲しい』、と。】

「そういうことですか…馬から直接生まれ変わられた方もいますし、
馬に死後…まあ権能が該当する方は何柱かいらっしゃいますが…。」

【獣神、彼の御方がその身を引き受けることを申し出たと伺っておりまする。】

「成る程分かりました。」

【では電様、並びに皆様方。】【これにて失礼致します。】


そう言い終えると巫女はそこに居なかったかのように空気に溶けるように姿を消す。
後に残るは永久の夕陽のある赤い海だけ。
昨晩嫌という程に見たホラーな光景も中々にアレだがこちらもこちらで童話だか言い伝えだかみたいな光景である。


「「「「…………。」」」」

「さて…ゴーストウィニング号さんの居場所も分かったので向かうとするのです。
この先の幽世を経由すれば距離とか時間とか余り関係なく近道になるのでこのまま進むのです。」

「電、ゴーストウィニング号は何処にいるの?」


ゴーストウィニングが問う。


「私達の世界の獣王にして冥府の神たる方、その方の領域にいるのです。では行くのです!テイオーさん!!」


馬が嘶き世界を渡る。




「わあすごい!!」

「いや、何このキラキラした光景は…私場違いじゃないかなあ…なんて。」


ニシノフラワーが歓声を上げナイスネイチャが居心地悪そうにしている。


「大丈夫。ナイスネイチャさんもこの光景に負けてません!寧ろ合ってます!」

「アハハハ…霓さんアリガト…でもホントスゴイわね、コレ…。」


フンスと胸を張りナイスネイチャをヨイショするマシュに若干微妙な反応を返すナイスネイチャは電に連れられて来た光景をもう一度目にする。
その視界には何処までも、それこそ地平線の彼方まで続く色とりどりの春の花の咲く花畑が広がりその上に何処までも広がる青い空がある。


「何処まで広がってるんだろコレ…。」

「皆目検討も付きませんわね…。」

「限界なんてないよ?」

「幽世に物理的な距離なんてあって無いようなものですわ。」


呆然と眼前の光景に言葉を零すトウカイテイオーとメジロマックイーンの言葉に答えるトウカイテイオー号とメジロマックイーン号。
ゼルモニターの画面の向こうのトレセン学園でも感嘆と驚きの声が漏れ、生放送のコメントも語量が激減している。

:しゅごい…
:なんやこれ…
:言葉に出来ねえ…
:言葉にならない光景てこんなのいうのね…

『して電よ。そこは何処だ?』

『確かに。』『ゴーストがここにいるって話だけど…。』

:せやね
:そういやそうだ
:どこだか皆目検討もつかん…


理事長のやよいが電に問うが電はこめかみを指で掻く。

679 名前:635[sage] 投稿日:2023/04/13(木) 16:59:46 ID:119-171-248-113.rev.home.ne.jp [6/37]

「ここは電達の世界の幽世の一つ…なのですが妖精郷に近い常春の異界でもあるのです。
近い名前があり過ぎてなんと言っていいのやら…。」

:妖精郷!?
:これまたぶっ飛んだ言葉が…
:妖精の世界ってこと?
:ゆるされよゆるされよ?

「いや、流石にボクらの妖精國のアレらと一緒にすんなよ?
電達の世界の神崎島のじゃない幻想の妖精達は基本善良なんだから。」

「戦争でも人類と共同戦線張ってたそうですし、良い方達ばかりです。」


トトロットとマシュのフォローが入るが何かとんでもない言葉が漏れてたりする。


「まあ…皆さん知ってそうなトコに例えると近いのがアヴァロンかな…?」

『アヴァロン…アーサー王物語でアーサー王が眠るという?』

「あくまでも近いというだけでアルトリアさんが眠っていたアヴァロンそのものではないのです。
ここを治めるのはモルガンさん始めとするアンヌブンの九女神ではなくケルトの獣神ケルヌンノス様なのです。」

:何や情報多くて混乱する…
:アーサー王じゃなくてアルトリアなんか…
:ヌン様ってどういうことだ…

「と、皆さん来ましたよ。」


馬の嘶く声が聞こえ電の言葉に全員がそちらを向く。
一頭の馬が近づいてくる。
その見知った姿にゴーストウィニング始めウマ娘達は皆涙を浮かべて馬に駆け寄っていく。
その姿を見送る電達。


「霓ちゃん、トトロットさん。ゼルモニターとスマホも持っていってあげるのです。」

「オッケー。」「分かりました。」


電に促されマシュとトトロットはウマ娘達の後に着いていく。
トウカイテイオー号とメジロマックイーン号は電の側に立ちそれを見送る。


「別れはいつか来るものなのです。」

「私達の別れは随分と先になりそうですが…。」

「ま、あるならばボク達がウマ娘達見送るのが先かな?…て、アレ何…?」


トウカイテイオー号は自分の視界に入る存在見て汗をかく。
それを同じく見て頭に手を当てるメジロマックイーン号とグッタリする電。


「ヌン様…何してるのです…。」


その視線の先では半透明の巨大なケルヌンノスの幻影が大空でサムズアップしていた。

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最終更新:2023年07月05日 22:45