161:194:2023/11/17(金) 17:25:34 HOST:KD106154150238.au-net.ne.jp
現代日本大陸化&銀連神崎島クロスSS ある日、日本が『超』大陸と化してしまった件サードシーズン?特別番外編 サードシーズン中のウマ娘達の出来事 その36


凱旋門賞でのまさかのツインターボ逆指名。
予想外にも程が有る展開に、会長は聞き間違いではないのかと確認を取る。


ルドルフ「・・・・・エアグルーヴ。本当に、本当にツインターボが逆指名されたので間違いないのか?」

グルーヴ「・・・私達も、先方がトリプルターボ辺りと間違っているのかと思い、何度か問い合わせてみたのですが・・・」

ブライアン「・・・アチラさんは指名したのは、ツインターボで間違い無かった」


二人の報告に、さしもの会長も混乱する。
確かにツインターボは以前とは比べ物にならない位に強くはなっている。何せ去年暮れの有馬記念で、自らを始めとする錚々たるメンバーなウマ娘達を倒して見せたのだ。
少なくとも無力ではない。だが、海外で有名になるほど実績があるとも言い難い。
正直、フランスギャロが逆指名した理由が全く分からなかった。


ルドルフ「・・・不満がありそうだな、エアグルーヴ」

グルーヴ「・・・そうですね。私個人としては反対ですね。ハッキリ言って、役者不足です」


ハッキリというエアグルーヴ。
何故逆指名されたのか全く分からず、正直言って胡散臭い。
更に言うと、彼女が凱旋門賞に通用するとはとても思えなかったからだ。


ルドルフ「・・・成程。ブライアン、君はどう思う?」

ブライアン「・・・そうだな。実力も確かにそうだが・・・一番大事なのは、本人の意思ではないか?」

ルドルフ「ほう・・・」

グルーヴ「ブライアン!?本気で言っているのか!?」

ブライアン「少なくとも、私や会長を倒せるだけの実力は有るんだ。言う程無力とも思えん。何より・・・」

ブライアン「何より、本人が走りたいと願うなら、それを止めるべきでは無いと思う。会長や理事長の信念に反するしな」

ルドルフ「・・・そうだな。まずは本人の意思確認からだ」

グルーヴ「会長!?」

ルドルフ「肝心の本人の意思を無視して決めるのはフェアじゃない。もし本人が嫌がったのなら、その時はそれを理由に断ればいいさ」

グルーヴ「・・・会長」

162:194:2023/11/17(金) 17:26:07 HOST:KD106154150238.au-net.ne.jp
仕方無いと言った感じで、溜息をつくエアグルーヴ。


ルドルフ「よし、ブライアン。すまないが、ツインターボを呼んで来てくれ」

ブライアン「・・・何でアタシが」

ルドルフ「本人の意思を聞くべきと言ったのは君だろう?ならば、君が呼びに行くべきだ」

ブライアン「・・・・・ハァ、分かったよ。行って来る」


面倒臭そうな表情で、ツインターボを呼びに行く事になったブライアン。


~~10分後~~


ブライアンに引っ張られて、生徒会室に来たターボ。
三人のオーラに、どことなく萎縮している。
正直呼ばれる理由が全く分からない。ブライアンも


ブライアン「来れば分かる」


の一言だけで、何も説明してくれなかった。
その様な状況下で、会長が口を開く。


ルドルフ「・・・ツインターボ、君に重要な話がある」


そう語り始める会長に、ターボは嫌な予感が過る。
まさか・・・成績不足で地方へ移籍しろという最後通告だろうか!?
誤解をしたターボはパニック状態となり、泣きながら駄々を捏ねだす。


ターボ「やだやだやだやだやだ!!ターボ地方に移りたくないーーーーー!!」

グルーヴ「・・・は?地方へ移る・・・?」

ターボ「ゴーストと決着を付けないままトリーやカナと別れて地方に行くなんて、絶対に嫌だもん!!」

ルドルフ「・・・・あー、何を勘違いしているのかは知らんが、そういう話ではないぞ」

ターボ「え!?そーなの?」

グルーヴ「・・・・・ブライアン、一体どういう説明をしたんだ?」

ブライアン「どの道こっちで説明するんだから、『来れば分かる』とだけ伝えたんだが?」

グルーヴ「おい!!!!!」

163:194:2023/11/17(金) 17:26:38 HOST:KD106154150238.au-net.ne.jp
ブライアンの雑過ぎる説明に、エアグルーヴが切れかけるが、話を元に戻す為に会長が彼女を宥める。


ルドルフ「まぁまぁ、こちらで詳しく説明しないといけないのは事実なんだ。あ、先に言っておくが、成績面での不足はないぞ」

グルーヴ「・・・実際、以前と比べて成績その物は上がっているからな。・・・まぁ偶に課題の存在その物を忘れるとかはやらかしてはいるが」

ターボ「そーなんだ、よかったぁ」※心底ホッとしている

ルドルフ「さて、本題に移ろう。この度フランスで凱旋門賞が開催されるのだが」

ターボ「凱旋門賞が?」

ルドルフ「その凱旋門賞で、どういう理由かは分からないが・・・ツインターボ、君が逆指名されたんだ」

ターボ「・・・ええーーーーーーーーー!??!ターボ、馬やUMAと走る事になるの!??!?」


予想の斜め上を行く言葉に、思わずズッコケる三人。


グルーヴ「まて!どうしてそうなる!ウマ娘のそれに決まっているではないか!」

ターボ「・・・・・ええーーーーーーーーー!??!?!ウマ娘にも凱旋門賞って有ったのーーー??!?!!!?!?」


更なる予想の斜め上な発言に、再びズッコケる三人。


グルーヴ「お前は何を言ってるんだ!!授業で海外のレースも習うだろうが!!」

ターボ「・・・・・あー。ターボ、その辺りの事聞いてなかったかも」

グルーヴ「はぁ!?」

ターボ「ターボには縁は無いだろうなー・・・・・って思いながら聞いてたら、何時の間にか寝落ちしてた」


悪びれる様子もなく語るターボに、エアグルーヴが遂にブチギレた。


グルーヴ「寝落ちしてた!?お ま え は 授業を何だと思っているんだーーーーー!!」

ターボ「ちょちょちょ痛い痛い痛いーーーーーーーーー?!!!?!?!?!?」

164:194:2023/11/17(金) 17:27:09 HOST:KD106154150238.au-net.ne.jp
ターボに米神グリグリの刑をかますエアグルーヴ。
その痛みに、ターボが溜まらず悲鳴を上げる。
そんなコントを、会長は苦笑しながら止める。


ルドルフ「その辺にしておけ、エアグルーヴ」

ブライアン「そうだぞ、ツインターボが泡を吹いているぞ」


会長達に指摘されて、止む無く手を止めるエアグルーヴ。
頬を軽くペシペシと叩いて、ターボを起こす。
ターボの意識がはっきりしたのを確認して、会長は話を戻す。


ルドルフ「ゴホン。より詳しく言うとだな、つい先程フランスの組織・フランスギャロから連絡が入って来たのだが」

ルドルフ「今回、我が国から三名分の枠が宛がわれたのだが・・・どういう訳か、その内の一枠にツインターボが逆指名されていた、と言う訳だ」

グルーヴ「最初はトリプルターボ辺りと間違えているのかと思って、数回にわたって問い合わせたが・・・」

ブライアン「返ってきた答えは、ツインターボで間違いない。という物だった」

ターボ「マジで!?」

グルーヴ「ああ。私個人で言うなら、ツインターボが逆指名される理由が分からないし、能力的にもどうなのかと思うのだがな・・・」

ルドルフ「だが、肝心の本人の意思を聞かない事にはと思って、こうして来て貰った訳だ」

ターボ「そうだったんだ・・・。確か凱旋門賞って、世界最強を決める闘いだっけ?」

ルドルフ「・・・少し違うな。凱旋門賞は『欧州ウマ娘以外は勝利した事が無い』と言われているレースで、実に100年以上の歴史を誇る権威あるレースなんだ」

グルーヴ「我が国で言うなら、ジャパンカップがそれに相当するな」

ターボ「成程」

ルドルフ「それでだ、今回のこの戦い・・・君は参加するのk」

ターボ「する!凱旋門賞に出る!」


即答だった。

165:194:2023/11/17(金) 17:27:39 HOST:KD106154150238.au-net.ne.jp
ルドルフ「・・・即答だな」

ターボ「だって向こうが逆指名してるんでしょ?それだけターボが評価されているって事じゃん!」

グルーヴ「・・・私は、そうとは思えないんだがな」

ターボ「それにトリーやカナ、何よりゴーストも勝利した事があるレースでしょ?なら、ゴーストに勝つには避けて通れない訳じゃん!」

ターボ「ここで勝利出来ない様じゃ、ゴーストに勝つなんて夢のまた夢だもん!ならターボは、このレースに出る!」


ターボの意志は固い。
その事を直に感じ取った会長は、話を纏める。


ルドルフ「・・・・・分かった。では、先方には出走すると返事をしておこう」

ターボ「うん!よーし、ターボ、頑張るぞー!これ聞いたら、テイオーは驚くかなー?トリーやカナは喜んでくれるかなー?」

グルーヴ「・・・本当に良いのですか?会長」

ルドルフ「・・・さっきブライアンが言った通りだ。本人が出る気な以上、それを止める事は出来んよ」

ターボ「めっちゃ漲って来たぞー!!よし!さっそく特訓を」

ブライアン「待て」


生徒会室から飛び出そうとするターボの首根っこを掴み、呼び止めるブライアン。


ターボ「グヘッ!?・・・ちょっとブライアン!いきなり首根っこ掴まないでよー!」

ブライアン「お前、海外のウマ娘を碌に知らないだろ。最低最有力候補のフランスのウマ娘だけでも、頭に入れておけ」

166:194:2023/11/17(金) 17:28:11 HOST:KD106154150238.au-net.ne.jp
ブライアンの言う通りだった。
なので、仕方無く生徒会室に留まる事に。


ルドルフ「さて、フランスの有力ウマ娘だが全部で四人居る。まずはモンジュー」

ターボ「そのウマ娘って強いの?」

グルーヴ「ああ。最強の一角とも言われている。かつて凱旋門賞に挑んだエルコンドルパサーを、あと一歩の所で差し切ったりもしている」

ブライアン「また、ジャパンカップにも殴り込んできたりもしている。まぁその時は、スペシャルウィークが返り討ちにしたが」

グルーヴ「彼女が『日本総大将』と呼ばれる所以だな」

ターボ「成程・・・あ、でもスペシャルウィークは去年の有馬記念で勝ったから、ターボの方が強いな!!」


エッヘン!と胸を張るツインターボに、エアグルーヴは頭を抱え、会長とブライアンは苦笑している。


ルドルフ「それ以外にも、モンジューの弟子で天賦の才を持つヴェニュスパークや、同じく世界最強と呼称された事の有るリガントーナ」

ルドルフ「そして・・・情報がそれ程出回っていないが、急速に頭角を現しつつあるウマ娘が居る」

ターボ「それって、何て名前のウマ娘なの?」

ルドルフ「・・・ラファールルージュ、それがそのウマ娘の名前だ」

ターボ「ラファールルージュ・・・」


かつてフランス競馬界で、「モンジューの再来」と呼ばれた馬と同じ名前を持つウマ娘。
彼女がこの後に起こる、一大騒動の中心人物の一人となるとは、この時の彼女達に知る由は無かった。

167:194:2023/11/17(金) 17:28:43 HOST:KD106154150238.au-net.ne.jp
以上です。前回困惑していた生徒会でしたが、最終的に本人の意思が大事という事で、ターボ師匠を生徒会室に呼ぶ事に。
勘違いや偏った知識に生徒会メンバー達も思わずズッコケたりもしていますが、最終的に本人は出走する事を決断。
その前段階として、最有力候補のフランスウマ娘の情報をターボ師匠に教える事に。
その中に、随分前に存在が示唆されていたラファールルージュの名が。彼女が一体何をやらかす事となるのかは、後のお楽しみという事で(ヲイ)
あ、先に言っておきますがヴェニュスパークとリガントーナの二人は、拙作中では実質モブ扱いです(ヲイ)。人数多過ぎても書ききれないので(汗)
そして次回ですが、今回ターボ師匠が逆指名された裏事情を始めとした回となります。
少々?胸糞悪い展開も有りますので、苦手な方はご注意を。それでは。
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最終更新:2023年11月22日 15:29