784 名前:トゥ!ヘァ![sage] 投稿日:2024/01/06(土) 20:04:26 ID:FL1-133-202-68-250.kng.mesh.ad.jp [89/115]
日本連合 日本 外伝 新時代と言う名の現実



「なあ。コロッセオのこと知っているか?」

「イタリアの?それがどうしたんだ」

「今じゃあそこは昔の仕様に戻っているらしいぜ」

壁勤務のEORS兵士たちの会話。

教皇が火あぶりにされたことで有名なローマにおいて文化財であったコロッセオはかつての姿を取り戻し、日夜人間同士や人間と獣の殺し合いを見に来た人々で満員御礼であった。



「最近自爆してくる奴減ったすね」

「ああ、体の中に爆弾埋め込まれた奴らか。何でも向こうが使える質の良い近代爆薬の在庫が枯渇気味なんじゃないかって噂だ」

壁の警備を続けている兵士たちの会話。

まだ壁が物理的に建造される前の時期では逃げ込んでくる人々の中に無理矢理爆弾を埋め込まれた人間爆弾が混ざっており、対応に苦労させられていた

しかし昨今はそのような人間爆弾も減ってきており、代わりに薬漬けされた人々が嫌がらせ目的でEORS領へと放たれている。
このため現在のEORSでは保護したはいいが、薬物中毒者の治療や処理に幾らかのリソースが食われており、これ以上は“確固たる対応”にするべきという声と、それでは革命軍と同じだと“穏健な対応”を叫ぶ人々で議論が勃発している。

因みに人の身体の中に入れて、尚且つ問題なく起爆できるだけの近代爆薬が目減りしてきたので人間爆弾を使わなくなってきたという話は事実である。



「やれー!殺せー!」

「早く首を落とせー!!」

西欧。フランスのパリの処刑広場に集まる民衆たちの声。

革命軍が支配して以降、各地には不穏分子を処刑するための公的な処刑広場(市民たちが自発的な作った私的なものもある)が作られていた。

フランスでは旧パリ・ディズニーランドを流用しており、ここでほぼ毎日不穏分子の処刑と言う名の鬱憤晴らしを続けている。

この他にはロンドン、ベルリン、マドリード、アムステルダム、ブリュッセルなど各地の首都に類似施設が置かれている。

なお処刑方法はギロチンがメジャーだが場所によっては貴重な銃殺から電気椅子、絞首刑、市民の手による投石、更には馬を使った八つ裂きまでバリエーションに富んでいる。



「千葉のランドの跡地には何が建つんだっけ?」

「日連資本の異世界技術館。因みに大阪のUSJ跡地は新しいジブリパークが建設されるって」

令和日本における人々の話題。

台湾紛争後に経営不振からディズニーランドもUSJも撤退が決まっており、日連が進駐して頃には跡地となって放棄されていた。

日連が進駐後に入ってきた日連系企業の手によりその跡地が買い取られ改めて様々なテーマパークが建てられることとなった。

異世界技術館は日連系資本が建てるテーマパークであり、ゲートを通して繋がった各世界独自の技術や歴史を体験できる総合施設。

ジブリパークは改めてジブリ資本を買収した日連系資本が改めてUSJ跡地に建設した施設。
愛知に存在していたジブリパーク(台湾紛争後に経営悪化で倒産済み)とは違い、夢の国レベルの大型遊園地へと生まれ変わっている。

785 名前:トゥ!ヘァ![sage] 投稿日:2024/01/06(土) 20:05:24 ID:FL1-133-202-68-250.kng.mesh.ad.jp [90/115]
「これが今の夢の国の姿か」

「ミッキーの幸せパウダーとか言って大麻どころか麻薬を一通り配り歩いてやがる」

北米西海岸。リベラリスタンこと自由民主連邦へ潜入した旧米軍兵士たちの会話。

リベラリスタンの支配地域に存在していたテーマパークの類は全て接収されており、上層部や上流階級が望んだ姿へと変わり果てていた。



「人…来ないですね」

「まあ不況続きだからな。ここで遊ぶ余裕はまだ世間にはないんだろう」

フロリダにあるディズニーワールドリゾートのスタッフたちの会話。

東京のディズニーは廃業。西海岸ディズニーはオクスリの楽園へ姿を変え、パリディズニーは大規模処刑場に、上海と香港のディズニーも中国政府が接収した後に日連の攻撃で所在地の上海、香港ごと地図上から消えた。

そんな中で唯一以前通り機能していたのがフロリダのディズニーワールドリゾートであったが未だ不況続きのため閑古鳥が鳴いていた。
このため多くの施設を閉鎖しており、一部のみが形だけの営業を続けている。

ここに人手が戻るようになるには北米が革命家やマフィアから取り戻され、南部政府が他国と改めて国交を締結し、景気が回復してからになる。



「こいつはなぁ。新しい上物となりえるブツ(麻薬)よ」

「確か新型のコンバットドラッグなんでしたっけ?」

南米の麻薬カルテルにおける会話。

崩壊した北米や南米の国々から逃げ出し、自発的にマフィアなどに合流した科学者たちによって新型のコンバットドラッグが開発されていた。

南米マフィア内の最大派閥ともいえるベネズエラカルテルは争いの絶えない今の世の中なら幾らでも売れると目をつけて販売を開始。
元々軍事用だけあって、効果抜群であり民間にすら爆発的に売れ始めていた。
その一部は海を越えて欧州の革命軍にも届いたという。



「まだ…生きてる!!」

「衛生兵!絶対に死なせるな!!」

欧州にて活動しているPMC兵士たちの会話。
革命勢力圏に潜入し、奴隷とされている人々を助ける際の任務にて。

この手の救出作戦は度々行われており、救った数だけ革命軍の人間爆弾や薬漬け兵士の素体を減らせるという意味がある。

この作戦の際に彼らが到着した時には既に大半の救出対象が手遅れであったが、ただ一人幼い子供だけは息が残っていた。

786 名前:トゥ!ヘァ![sage] 投稿日:2024/01/06(土) 20:05:59 ID:FL1-133-202-68-250.kng.mesh.ad.jp [91/115]
投下終了

日連日ネタの幕間みたいな感じで。
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最終更新:2024年03月06日 23:46