アトムを追え!
ゲームボーイアドバンス
「ASTRO BOY・鉄腕アトム~アトムハートの秘密~」
手塚作品と同じくらい"ゲーム"が大好き、という皆さん、お待たせいたしました!
ゲームボーイアドバンス用ソフト「ASTRO BOY 鉄腕アトム~アトムハートの秘密~」が、12月18日(木)にセガより発売されます!
これは、現在放送中の「ASTRO BOY 鉄腕アトム」のキャラクターが活躍する2Dアクションゲーム。しかも、ゲーム中にはマンガ・アニメを問わず、たくさんの手塚キャラクターが登場するので、手塚ファンであればあるほど、細部まで楽しめる趣向になっているのです。
「ASTRO BOY 鉄腕アトム」ファンだけではなく、「手塚マニア」も期待のこのソフト、ぜひスタッフのお話がききたい!ということで、開発担当の株式会社トレジャーさんを訪ねてみました。
【今回お話しをうかがったスタッフの皆さん】
ディレクター |
岡野 哲さん |
(株式会社ヒットメーカー) |
チームリーダー・プログラマー |
八井田 満さん |
(株式会社トレジャー) |
デザイナー |
荻野 誠さん |
(株式会社トレジャー) |
Q.最初にアトムのゲームをやる、と決まった時はどう思われましたか?
岡野:私はバリバリの「手塚マニア」なんです。ですから、「手塚でアトムか、これはもう相手にとって不足なし!」という感じでした。アトムのゲームを、シナリオも含めて自由に作れる機会なんてめったにありませんから、かなり意欲的に取り組みました。
Q.新作アニメの設定だけにこだわったゲームではないようですね。
八井田:そうですね。キャラクターデザインは「ASTRO BOY」に合わせましたけど、内容的にはこだわりませんでした。
Q.ムービーを拝見しましたが、デフォルメのキャラクターがとてもかわいいですね。
荻野:あのデザインはチーフデザイナーの北川さんです。
岡野:北川さんがとっても凝り性で、普通のゲームでは考えられないくらい、たくさんの絵を描いてくれたんです。レーザーを1本撃つアクションにも、間に3枚ぐらい絵があったり。
八井田:ベタベタの2Dアクション物とは考えてなかったんで、小さいけど、格闘ゲームなみの動きをずっと目指してましたから。
Q.副題が「アトムハートの秘密」ですが、何か「心」に関するコンセプトがあるのですか?
岡野:あります。アトムは心を持ったロボットだから、それにちなんだ「心を育成する」部分は必要だろうと思ったんです。そこで、他のキャラクターと出会う事によってその印象を積み重ねる事にして、「印象の積み重ね=心」という形で、原作のアトムのヒューマンな部分を作れないかな、と思ったんです。
Q.それはゲームのストーリーに影響を与えるのですか?
八井田:というよりは、アクションゲームの成長要素として、キャラクターのパワーアップに係わってくる感じですね。
Q.ちょっとマニアックな話になりますが、「七色いんこ」が新作アニメの「カトウ」役ではなく「ホームスパン」役で登場しているようですが?
岡野:私が「七色いんこ」が好きで、新作アニメ中での爆弾魔という扱いはちょっとかわいそうだなと思って、80年のアニメの設定に変えました。ゲーム中ではいろいろと変えて出してますよ。たとえばアトラスの恋人役は「プライム・ローズ」のエミヤなんですよ。それでもステージ3ぐらいまではわりと忠実に新作アニメを追ってるんで、そちらのファンにも違和感を生じさせる事はないと思います。
Q.アトムのお尻のマシンガンも復活していますね。
岡野:あれはぜひ使いたかったので、手塚プロにお願いをしたところ、アニメではアメリカのTVコードに配慮しているけど、ゲームの中ならいいだろうということでOKをいただきました。
Q.登場するキャラクターの絵が手塚先生のタッチに近いですね。
荻野:それはかなり意識しましたから、嬉しいですね(笑)。
岡野:荻野さんが頑張ってくれましたからね。たとえば背景でブラック・ジャックの家が出てくるんですけど、GBAの画面って240×96ドット分の絵しか入らないんですよ。そこに荻野さんが、細かい草むらのペンタッチを全部描いてるんです。もちろん縮小したらほとんど見えませんけど、あるのと無いのではやはり違うんですよ。
Q.「十字架島」がゲームの舞台というのは何か理由が?
岡野:実は僕が最初に読んだアトムが「十字架島」なんです。それから、「十字架島」と「人工太陽球」の両方に金三角が出てるじゃないですか。金三角って憎めない悪役で結構好きなんで、「十字架島」に人工太陽を隠して・・・みたいな絡め方で登場させようかなと。
荻野:単純に人工太陽ならボスキャラとして作りやすそうだ、というのもあったでしょう?一応ボスっぽいじゃないですか(笑)。
岡野:もちろんそれもある。あれは出さないと損だ(笑)。
Q.最後に手塚ファンに一言どうぞ。
八井田:トレジャーのゲームは難しいので、知っている人は尻込みするんですけど、ゲームをはじめる時に「簡単」と「難しい」というのを選べるので、とにかく「簡単」を選んでもらえれば誰でもシナリオを楽しめて、クリアも可能ですので、ゲーム嫌いの人もやってみて下さい。
岡野:アトムも入れて47人の手塚キャラクターが出ますので。V-3号とか・・・あ、それからもっとマニアが喜ぶところでは、「ゴブリン公爵」のロボイドが出ますよ。全国で喜ぶのは30人ぐらいかもしれないけど。
荻野:誰が気付くんだっていうね(笑)。こんな大したディレクターいないですよ(笑)。
岡野:今回のゲームは、手塚先生が作られた「24時間アニメ」みたいに、オールスターの手塚ワールドをゲームオリジナルで作れないかな、という事で、新作アニメの内容に係わらず、自由に作らせてもらえたかな、と思いますので、原作ファンにもおすすめです。
最終更新:2009年10月25日 01:50