【プロ勢とのクリスマスパーティーでぼっち気味ののよりんの相手をする京太郎 それを見て、ぐぬぬのプロ勢】
京太郎「……やっぱり場違いだったんじゃなかろうか?」
俺はそう思いながら近くのオードブルに手を付けた
流石麻雀協会主催のクリスマスパーティーである。普通じゃ食べられない豪華なものが並べられているみたいだ
……よくわからないけど
そもそも何故ただの学生である俺がこんな場違いのパーティーに居るのかと言うと
クリスマスだと言うのに何の予定も無く一人寂しく家に篭もっていた俺に咏さんから突然誘いの電話がやってきたからである
なんでも暇なら女子プロのクリスマスパーティーに連れて行ってやるとのことだった
渡りに船と二つ返事で頷いた俺だったが、咏さんは偉い人に挨拶まわりをしなければならないらしく、暫く待ってるように言われ、現在に至る訳である
京太郎(まぁその間に健夜さんや靖子さん、良子さんにはやりさんにも出会ったんだが)
京太郎(……と言うか咏さんってよく俺を誘うけど友人いないんだろうか)
などと失礼なことを考えていた俺だったが、会場を見渡しているとある事に気付いた
京太郎「ところで隅の方で一人寂しく食べてるのってもしかしてーー」
京太郎「……理沙さん?」
理沙「京、ぐんっ!?」
京太郎「わ、わ、水です!はいこれ!」
理沙「……」ゴックン
理沙「……感謝!」
京太郎「いえ、俺がいきなり声をかけたのが悪いんですから」
理沙「っ、こんばんは!」
京太郎「こんばんは。理沙さんもいらっしゃってたんですね。って当たり前か」
理沙「一応プロだから!」プンプン
京太郎「ですよねー」
俺の失言に流石の理沙さんも怒っているようだ
……いつも怒ってるように見えるからあまり変わらないのは秘密だが
理沙「なんで此処に?」
京太郎「ああ、実は咏さんに連れてきて貰ったんですよ」
京太郎「最も咏さんはえらい人達に挨拶まわりをしなければならないらしく、ここで待ちぼうけを食らってるんですけどね」
理沙「大変!」
京太郎「ですね。大人になるとこういう事も大切なんでしょうけど」
理沙「仕方ない!」
京太郎「そう言えば理沙さんは終わったんですか?」
理沙「終わった!」
理沙「……私口下手だから」ションボリ
京太郎「そ、そうだ!理沙さんは他に何か食べたい物有ります?俺、取ってきますよ!」
そう言って理沙さんは肩を落とした。……きっとこういう人だし普段から色々苦労してるんだろうな
そう思った俺は、せめてこの場は彼女の為に何かしてあげようと思ったのだった
一方その頃他のプロ達は――
咏「あー毎年の事とはいえ、めんどくさいねぃ。ま、京太郎を誘う口実になったからいいけどねぃ」
咏「適当に切り上げてご飯でも奢ってやって、あとは……」
咏「うん、バッチリ。さぁて京太郎はどこかねぃ」
健夜「うーん。断れないとはいえ年々参加するのキツいな。周りは少しずつ結婚していくし……」
健夜「京太郎君、この後暇かなぁ。暇ならお洒落なレストランに連れて行ってあげようかな」
健夜「そして良いムードになったら……エヘヘ」
靖子「パーティーとか柄じゃないんだが、こればかりは外せないのがプロの面倒なところだね」
靖子「あとやっぱりオードブルぐらいじゃ駄目だな。京太郎でも誘ってカツ丼食べに行くか」
良子「やっと解放されました……」
良子「挨拶回りはベリーハードですね。そうですね……この疲れを癒す為にも、このあと京太郎を誘ってデートしましょうか」
良子「そうと決まれば善はハリーアップです」
はやり「んー疲れました。でもスポンサーの事もありますから無碍には出来ませんし……」
はやり「そう言えば京くんが居ましたね……。抜け出しちゃいましょうか☆」
はやり「京くんはどこかな?」
そして――
全員『京(くん)太郎君』
全員『え!?』
理沙「あーん」
京太郎「はい。どうぞ」
理沙「……」パクッ
理沙「美味!」
京太郎「それは良かったですね」ニコッ
理沙「京くんもあーん」
京太郎「……」パクッ
京太郎「本当に美味しいですね」
理沙「うん!」
はやり「おかしいですね。はやりには二人がイチャついてるように見えます。やっぱり疲れてるのかな☆」ゴシゴシ
咏「ま、まぁ野依さんなら大丈夫さ」
健夜「そ、そうだよね」
良子「京太郎は面倒見がグッドですから」
靖子「……本当にそうなんだろうかね」
理沙「……」チラッ
理沙「……」ニヤリ
全員『!?』
全員『ぐぬぬ』
……実はノーマークだった人が一番手ごわかったと言うのはよくある話である
そしてこの後、女子プロによる麻雀史に伝説に残る聖夜の争奪戦が有ったとか無かったとか
カン
最終更新:2013年02月04日 16:16