【デートの終わりにこのまま帰りたくないレジェンドがまだ一緒にいたいと素直に言いだすか迷う話】
晴絵「あー楽しかった」
京太郎「それは良かったです。振り回されたかいがありました」
晴絵「ほー。京太郎はそんな風に思ってたわけだ」
京太郎「あ、いや、今のは言葉の文というか何というか……」
晴絵「あはは。分かってるって」
京太郎「……晴絵さん、からかいましたね?」
晴絵「さーてどうかなー」
京太郎「まったく、晴絵さんには敵いませんよ」
そうやって彼は苦笑いした
さて見ての通り私――赤土晴絵は、彼――須賀京太郎と付き合っております
歳の差10歳差は正直淫行と言われても仕方有りません、はい
では何故こんな事になったかと言うと――
ある日の事、ひょんな事から京太郎と出会った私はご飯を奢ってあげる事になった
二人で色んな事を話しながら私はお酒を飲みテンションがどんどん上がり、ついに話題は恋愛へ
あんまり内容は覚えてないけれど、最終的に確かモテないのは女の子と付き合った事が無いせいだと言う事になったのであった
だから冗談で
晴絵「だったら――私と付き合ってみる?」
晴絵「なんて――」
京太郎「お願いします」
晴絵「え?」
と言う訳である。我ながらなんともムードの無い事だろうか
しかし更なる問題は、私が未だかつて男性と交際をした経験がないことである
大人の女の余裕を見せる為に毎回どれだけ苦労した事か……
晴絵「全部自業自得なんだけどね」
京太郎「え?」
晴絵「ううん、何でもない」
京太郎「はぁ……」
そう言ったが彼は微妙に納得してない顔だ
まぁここで深く追求しないのが彼の良い所であると思う
さて今日はクリスマスイヴ。あちらを見ればカップル、こちらを見ればアベック、360度恋人だらけである
……私達も一応その中の一人な訳だが
そして時刻はそろそろ午後九時。いわゆるそのあれだ、うん
京太郎「晴絵さんこれからどうしましょうか?」
彼がそんな事を聞いてくる。――分かってて聞いてるのだろうか?
と思ったが彼は意外と見た目に反してシャイなのでそんな事は無いなと考えを一蹴した
しかしどうしようか。そんな話は別にしてまだ一緒に居たいのは事実である
だがそんな事素直に言えるわけが無い。彼はまだ高校生だし、一応年上としてそんな彼を夜中まで連れ回すわけにも行かない気がする
とは言えここで「はい、さようなら」はあまりに寂しい。聖夜にこのまま何もなく帰れば、一応恋人同士としてそれはどうかと思う
京太郎「あの……晴絵さん?」
何も返事をしない私を不審に思った彼が再度尋ねる
――そろそろ答えを出す時間か
晴絵「ねぇ京太郎――」
私が何と言ったかは神のみぞ知る
カン
最終更新:2013年02月04日 16:18