Cosmic Travelers
サークル:XL Project
Number | Track Name | Arranger | Vocal | Original Works | Original Tune | Length |
01 | Fall In | estha | 東方永夜抄 | 永夜抄 ~ Eastern Night. | [02:42] | |
02 | Afternoon Tea Time feat.mintea -star mix- | estha | mintea | 東方紅魔郷 | 上海紅茶館 ~ Chinese Tea | [07:46] |
03 | Transmition | ziki_7 | 大空魔術 | G Free | [06:59] | |
04 | PA | bugs(Ryo Ohnuki&Yu Ohnuki) | bugs | 東方永夜抄 | プレインエイジア | [05:38] |
05 | The milky way part.1 | estha | 東方地霊殿 | 渡る者の途絶えた橋 | [03:45] | |
06 | The milky way part.2 | estha | 東方地霊殿 | 渡る者の途絶えた橋 | [07:08] | |
07 | The milky way part.3 | estha | 東方地霊殿 | 渡る者の途絶えた橋 | [08:20] | |
08 | Endless Festival feat.mintea -star mix- | estha | mintea | 東方紅魔郷 | 魔法少女達の百年祭 | [07:27] |
09 | Fall Out | estha | 東方永夜抄 | Eternal Dream ~ 幽玄の槭樹 | [02:25] |
詳細
レビュー
- Red Albumではあのようなことを書いたが、こちらではそれぞれRed Albumで言えばIntro、End.に当たるだろう、Fall In、Fall Outの導入、終幕の意図は割合成功しているように思われる。どちらも宇宙という神秘的、不思議な空間を連想させるようなもの。ただ、やはり役割的に尺は短く、それ以上のアレンジとしての魅力は少ないか。
このアルバムにおいても、ゲストのziki_7氏及びRyo Ohnuki氏(こちらではYu ohnuki氏とコンビのようだが)は、それぞれの個性を発揮している。Tr.3のG Freeアレンジは原曲そのものが無重力という宇宙をイメージさせるものであるし、そのイメージをより深化させたような透明感のある好アレンジとなっている。Tr.4のプレインエイジアアレンジは、流石というべきか、原曲をほんのり残す程度のアレンジになっており、想像もしなかったことに男性ヴォーカルのロックである。かなりインディーズ臭い楽曲となっているが、宇宙を全く感じさせない雰囲気であるのはアルバムコンセプト的には如何なのか。宇宙といっても、個人個人の見方があるので何とも言えたものではないが。ただ曲単体としては好みには入った。
Tr.5~7は同原曲アレンジでの連作。総計で言えば、19分もの大作で、気合の入っているのが分かる。キラキラとした音に包まれ、宙に浮遊するかのような感覚でイントロから入り、ギターと硬質なドラムが現れ動的な演出を聴かせるPart.1。その後は打って変わったように、鳴り響く低音が印象的で無機質な曲調となり、コーラスも現れる。宇宙に限らず、どこか深いところ、暗いところを連想させられる。Part.2とPart.3は一旦区切れているのだが、連続していると見ても問題はないだろう。Part.3は野太いシンセベースが、それまでの平坦な感じを払拭するかのように疾走感を出すトランスとなっている。そこまで目覚しい展開やメロディーなどはないが、なかなかのものだろう。なお、ヴォーカルが入っているのだが、estha氏自身がfeat.minteaと記述していないようにヴォーカルアレンジとして見るべきではない。あくまでコーラスのようなもの。
Tr.2と8のRed AlbumのヴォーカルアレンジのRemixは個人的には要らないと感じた。特にTr.8は同時発売のRed Albumの方でもRemixしている上にだ。これでは水増しのように取られてしまっても仕方ないのではないか。そうでなくても、無理に宇宙というコンセプトに合わせたようで、失敗したような感じを受ける。
今回は、いつものKyu氏やTaishi氏が理由は分からないが不在の分、estha氏が比較的多くのアレンジを手掛けているが、それなら二枚のアルバムを同時に出すことはしない方がよかったのではないだろうか。質自体はなかなかのものであろうが、どうにも無理をして、そこかしこに半端な感を出してしまっているような印象を私は受けた。次回に期待。
録音についても少し触れよう。
一聴して、まあこんなものかといったところ。可もなく不可もなく、だろう。ドンシャリバランスだが、高音の刺さりが耳に付きにくい点は、評価すべき。ただ、例によってベースのラインは不明瞭で潰れがちであるし、そのせいで透明感が薄れてしまっているのは残念。音圧もそれほど高くはなく、聴きやすい仕上がりではある。
同人音楽は、音源自体がどうしようもない、ということはほとんど無いように思われる。なんといっても環境なのだ。そのために、録音、ミキシング、マスタリング等の作業の困難というのはやはり大きなものなのだろう。それでも、果敢に挑戦を続けていってもらいたいものである。
-- まの人 (2008-08-25 22:58:13)