幾重にも響く彼女の声。
もう、止めてくれ。もう止めてくれ。
何度もお願いしたのに、彼女は笑顔でこういうのだ。

「これは○○に対する私の愛の挨拶だよ。挨拶は心のオアシス。
 ○○にずっと挨拶をし続けてると思うと、私の気持ちの中がすっごく満たされるんだぁ」

じゃあ、お昼までにお仕事終わらせるからね、と言い残して彼女へ出ていった。
彼女の口に含まれ口移しされた朝食の味は、もう分からなくなってきた。
彼女の言葉は、ささやきは、叫びは、寝言すら僕の中で無限に半数していく。

彼女は一切暴力を振るわなかった。
彼女は全てに置いて僕の世話をしてくれた。
彼女は、告白を保留した僕を管理者用の小屋に閉じ込め、支配している。

寝ても醒めても僕の中で彼女の声が木霊し続ける。
あの子は、自分の声が僕の中で反響し続けている事を確認しては満足げに微笑む。
こうする事で、自分が僕を掌握しているのを確認するように……。

「響子」
「なぁに○○」

何時しか声が僕の中で響かなくなっていた。
僕は今日も管理人の小屋にいて、彼女が来るのを待っている。

「愛してる」
「愛してる」
「愛してる」
「愛してる」
「愛してる」「愛してる」「愛してる」「愛してる」「愛してる」
「愛してる」「愛してる」「愛してる」「愛してる」「愛してる」
「愛してる」「愛してる」「愛してる」「愛してる」「愛してる」
「愛してる」「愛してる」「愛してる」「愛してる」「愛してる」

交互に、響き合うように僕と響子は伝え合う。
自分の中の、響きは止んだ。
その代わり、僕は彼女と一緒に自分の気持ちを響かせる事にしている。

「愛してる」「愛してる」「愛してる」「愛してる」「愛してる」
「愛してる」「愛してる」「愛してる」「愛してる」「愛してる」
「愛してる」「愛してる」「愛してる」「愛してる」「愛してる」
「愛してる」「愛してる」「愛してる」「愛してる」「愛してる」
「愛してる」「愛してる」「愛してる」「愛してる」「愛してる」
「愛してる」「愛してる」「愛してる」「愛してる」「愛してる」
「愛してる」「愛してる」「愛してる」「愛してる」「愛してる」
「愛してる」「愛してる」「愛してる」「愛してる」「愛してる」

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最終更新:2011年07月09日 22:33