質素なベットで身体を休めている青年。名前は○○といった・・・・

「はぁぁぁ・・・うっくっ!くふぁ・・・・・」

青年が嬌声をあげる。
その均整のとれた肢体は汗ばみ、その中性的な面立ちは淫欲に苛まれていた。


旧地獄の貸し間
地霊殿で知り合った鬼 星熊勇儀と○○はよく一緒に酒を飲んでいた。
この貸し間で飲んだこともある。

「鬼と一緒に飲むんなら手の一本や足の一本くらい覚悟しなきゃな。そうだろ?○○」

勇儀はとっくりから直接酒を流し込みながら、一糸まとわぬ姿で○○に跨りぐちゃぐちゃと卑猥な音を立てながら淫らに腰を動かしていた。
何度も組み敷かれ犯されたのか、○○の瞳は何も写さずただ涙が流れていた。

「・・・つまみが無くなっちまったな。」

勇儀の手が○○の腕を掴みそのまま引きぬく。
骨の砕ける音が響き、筋肉が引き裂かれ血管や筋が断裂する。

「ぐっぁぁぁぁっぁぁ!!!!!!!!」

「鬼の女が相手をしてやってんだ。手くらいもらっても足りないくらいさ!」

○○の意識が消える瞬間、見たのは勇儀が口の周りを血に濡らしながら○○の手を貪り喰らう姿だった。


旧地獄 火炎地獄

同じ地霊殿で過ごす仲間として 火炎猫燐の仕事場へはよく行っていた。
罪人の死体を燃やしていることについては未だ嫌悪感は拭えないが、その重要さはよくわかっている。

「お燐~?覚さんが夜食におにぎりを・・・・」

「ふふっやっぱりやめられないわ・・・・」

 脱ぎ捨てられた衣服

 身体を動かすたびに、快楽を刻むたびに揺れ動く二つの尻尾

 お燐の上気した表情

お燐が腐り果てた少年の死体に跨り凌辱していた。

「こんなのって・・・・」

○○がその場から逃げだそうとした時だ。
足元の岩が崩れ、○○はその場に倒れる。

「あはっ!○○だ~」

振り向くと燐が立っていた。


「ぐぁぁぁっぁぁぁっぁ!」
○○が目を覚ますとそこは何時もの部屋だった。
血に濡れた鬼も、淫らな黒猫もそこにはいなかった。
「夢か・・・・」

トントン!

「○○さん入ってもいいですか?」

幼くも威厳のある声が聞こえる。
地霊殿の主 古明地さとりだ。


古明地さとりは○○にとって大恩のある人物だ。
幻想入りし、右も左もわからない旧地獄に落とされた○○を拾い地霊殿に住まわせてくれ、ペットの世話係にしてくれた覚は命の恩人以上の存在だ。

「部屋の中から呻き声が聞こえたので様子を見に来たのですが・・・・そう悪夢ですか」

「ええ申し訳ありません」

「○○さんは人間ですし、ストレスが溜まっていたのでしょう。ブランデーを入れたホットミルクでも作ってきましょう。」

そう言うとさとりがベットから立ち上がった。

「いけません!僕のような使用人にそんなことまで・・・・」

「あなたはもう私の家族なんですよ?家族が家族の心配をしないことなんてないのですよ?」

「・・・はい」

「あなたにできることは身体をしっかりと休め、明日の仕事をがんばることです。」

覚の持ってきたホットミルクを飲むと、○○は再び眠りに落ちた。


何もない空間

熱くもなく寒くもなく、暗くもなく明るくもない

「?!」

母親の胎内を思わせる空間に○○は一糸まとわぬ姿でそこに立っていた。
悪夢の続きかと○○は身構えるが、先程のような血や死の匂いはなかった。

「○○さん・・・・」

自らを呼ぶ声に振り向くと、生まれたままの姿になったさとりが立っていた。

「これは一体?」

「これは夢よ。私はあなたの心が生み出した幻影。だから・・・・」

さとりは屈み○○自身を柔らかな舌で愛撫する。

「くふぅっはぁ・・・駄目だこんなぁ・・・あぁん」

「私に貴方の伽をさせて?」

吸い込まれるようなさとりの瞳に見つめられ、○○は彼女を抱きしめ・・・そして。


「○○さん・・・夢だからってこんな・・・」

○○の自室
そこにはさとりが自らの花弁を愛撫し自慰をしていた。
さとりのはだけられた胸から延びる「第三の目」の触手は○○の延髄に吸いついて絶えず脈動を繰り返していた。
全ては覚が引き起こしたことだった。
ライバルを蹴落とすため、夜な夜な○○の部屋に入り込み○○に○○と親交のある女性の出てくる悪夢を見せ続けていたのだ。
夢を通じて刻み込まれたトラウマはやがて花開く。
きっと勇儀と酒を飲みに行くことはないだろう。
さとりは心の中でほくそ笑みながら、夢の中の○○と同時に達した。

翌朝

「○○~おはよ~!」

その日、お燐はいつものように○○の手を握る。

「!」

○○はお燐の手が腐肉にまみれたように見えた。
その瞬間、お燐の手を払いのける。

「○○~?」

「ごめんなさい!ついぼうっとして・・・」

「そう・・・・今日はステラー海牛のゆかりん17歳ちゃんの水槽掃除だから気をつけてね。」

「あ・・ありがとう・・・」

「じゃあ・・・行くね」

二人のやりとりを眺めながら、さとりは満足気に微笑んだ。

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最終更新:2013年05月18日 23:30