「鈴仙、順調ね。後3ヶ月で出産だから、本邸での事務作業以外の外回りは他の兎に担当させて安静になさい」
「はい、解りました師匠。○○の赤ちゃん、お腹の中蹴ってる……ウフフ」

幸せそうに俺の子が宿ったお腹を擦っている鈴仙が見える。
うう、やっぱりあの時当たっていたのか。てゐの策略とは言え、我が身の節操無し具合の末路と言うべきか。
聞けばてゐの経過も順調だと言う。しかし、主要メンバー、実務担当がこうも産休で良いのかとは思うが。
その辺は永琳の叡智を持ってすれば造作もない事らしい。

しかし、久し振りに外界を見た所為かなぁ。
永琳、確かに引き籠もり生活は嫌いじゃないけどさ。

「あら、何か不満でも?」

いや、そうじゃないけど……何も出来ないってのはねぇ。

「私としては最高なんだけど」

どうして?

「愛しい男を文字通り独り占め出来るもの。
 我が身で囲い、育てる。貴方に直接養分を与え、保護し、形を与えていく。
 貴方の血肉が形成され、これからの永遠を共に生きる存在のデザインが彩られるのよ?
 考えても見てよ○○。貴方は今、自分という存在が創生される経過を知覚するという普通では得られない経験をしてるの。これは奇跡なのよ?」

……そらまー、ねぇ。でも、今の俺に出来る事と言えば考える事か永琳と喋る事か壁を蹴るしかないんだけどねぇ。
あんまり考えすぎるとドグラマグラな夢見そうだし……取り敢えず蹴るか、サマーソルトキック!スピニングバードキック!スパイラルアロー!

「あぁん、もう、そんなに暴れちゃダメよ○○」

しかし、鈴仙の子と同い年……どんな顔して我が子と顔を合わせりゃいいんだろか。

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最終更新:2012年03月20日 13:58