ミスティア・ローレライの屋台

様々な妖怪が赤い提灯につられて足を向ける、この屋台には暗黙のルールがあった。

それは・・・・

「チルノちゃんそこの席は駄目だよ!」
「大ちゃんなんで?」
「いいから!」
「へんなの~」

右側端の席に座らないこと、それがルールだ。

東の空が白く輝く明け方、誰もいなくなった屋台でミスティアの白い手は粗末な椅子に頬ずりしていた。

「○○さん・・・・」

○○とは、白黒の魔法使いと一緒に屋台を訪れた青年だ。
何でも、キノコの栽培をしているらしく此処へは販売ルートの開発に訪れたと話していた。

自分が外界から幻想入りしてきた、外来人であること

魔理紗からは護身術程度の魔法を学んでいること

忌み嫌われた人食いである、自分でもフランクに話す○○にミスティアは関心を持った。
それから、何度か○○と話したりキノコを購入したりした。
しかし、○○が夜に飲みに来ることはなかった。
彼がミスティアの屋台で飲んだのはただ一回だけ。

彼が何処へ行ったか?それは誰も知らなかった。
曰く、妖怪に喰われた
曰く、外界へ帰った

今では右端の少しくたびれた椅子だけが○○とミスティアの思い出だった。

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最終更新:2012年11月20日 11:06