「なあ」
「何かしら」
「いつになったらこの縛鎖は解かれる?
正直腕が痛くてな」
「貴方様が私に心傾けるその日まで」
「……そうかい。それじゃあ無理だな」
「貴方様はどうして私の気持ちに――」
「気付いていたさ」
「ならどうして……こんなにも想っているのに」
「無理なもんは無理だ。俺の心はあんたのもんにはならない。
俺はあいつのもので、あいつは俺のもんだ」
「あら。"こんなもの"に心を重ねるんですの?」
「――っ、手前」
「貴方様が悪いのです。ワタシを愛して下さらない、貴方様が――ね?」
最終更新:2011年03月04日 01:13