up0289




「うぐぇっ!」
「あらあら、案外スキーに慣れてないのかしら?」
「最後にスキーなんてやったのは十五、六年ほど前の話ですよ!」
「それは意外ね、○○のことだからてっきりスイスイ楽に滑るのかと思ったのだけど」
「受験生の前で滑るなんて言わないで下さいよ、紫さん」
「あら、これは失礼」
「でもスキーをすると言われて、着いて来たのは誰かしら?」
「いや、それはそうですけど……」
「ならいいじゃない?それに、どうせもう貴方はココから逃げられないのよ?」
「逃がしてくれないのは誰のおかげでしょうね?」
「あなたの目の前のかわいい美少女の仕業じゃないかしら?」
「なにせ、ほら、『神隠しの主犯』というあだ名もあることだし」
「自分で自分を犯人と言いますか……。というか、紫さんはかわいい美少女という歳は越えてるでしょうに」
「なら、どう言うのが合ってるのかしら?」
「えーっと……麗しい女性?」
「嬉しいこと言ってくれるじゃない、それに、貴方の頼みなら私は聞いてあげないこともないわよ?」
「その代償は?」
「……今後百数年のあなたの自由?」
「聞いてあげるだけで自由にはさせてくれないんですか……」
「後、僕はそこまで生きては居ませんよ、きっと」
「ああ、そのことなら大丈夫よ。」
「あなたは既に妖怪だもの、ココから逃げても行き場所は無く、いずれ人間を喰らって人間に殺される存在」
「―なら、居場所はココしかありませんわ」
「……いきなり拉致して自分の家に住まわせて珍しく外に出したらソレですか」
「ええ、一応契約は済ませてあるでしょう?」
「泥酔状態で騙して名前を書かせたあの書類ですか?」
「そう、その通りよ」
「ちなみに、あの書類の名前は婚約届ですわ」
「さて、結婚式はどこで挙げようかしら?」
「ウェディングドレスでもいいし、白無垢でもいいわね」
「……疑問に、思わないんですね」
「これでも私は永く生きた妖怪、あなたの心ぐらい解りますわ」
「さあ、行きましょうか、○○」
「私達の新しい家、幻想郷に―」




感想

名前:
コメント:




+ タグ編集
  • タグ:
  • 標準的なヤンデレ
  • 転生
  • 脅迫

このサイトはreCAPTCHAによって保護されており、Googleの プライバシーポリシー利用規約 が適用されます。

最終更新:2019年01月26日 20:12