その後、萃香の後について行って博麗神社に着いた。
時間が時間だったが、萃香が神社の主である博麗霊夢という・・・女の子を起こしてくれた。こんな少女がここを切り盛りしてるんだな。どこの世も世知辛ぇ。
しかし、起きてはくれたが今日は遅いから・・・ということで、神社に泊まることになった。新鮮な感覚だが、・・・俺がこんな場所に居ていいのか疑問に思うこともある。
畳の上で直接寝る・・・か、少々痛いがなかなかいいものだ。日本人だからか?

「お~、一人で寒そうだね」
「・・・なんで萃香もここにいるんだ?」

そう、眠りかけたところでなぜか萃香が襖を開けて入って来た。

「〇〇は知らないと思うけど、鬼は人間にいっぱい数を減らされちゃったんだ。集落とか無いからここに居候してるの」
「・・・・・・・・・」
「・・・おっと、ごめんよ。こんな話するつもりじゃなかったんだけど」
「いや・・・大丈夫だよ」
「それでね、なんて言いたかったというと・・・えいっ!」

萃香が俺の腹に落下してきた。

「イデッ!・・・なんなんだよ」
「えへへへ、温かい抱き枕が欲しかったんだ。霊夢にやると頭に針刺されるから」
「・・・意味わからん。それに今夏なんだけど?」
「そういう意味の温かいじゃないよ!とりあえず、私はこれで寝るからね!」

そう言うと、俺の首に手をまわした。・・・もう寝息が聞こえやがる。のび太かこやつは。

「まぁ、あんなこと聞いた後に断る理由なんて持ち合わせてないしな。・・・仕方ないか」

俺は萃香の背中に手をまわ・・・すはずもなく、自分にかかる温かな重みを感じながら両の手を枕替わりにして眠りについた。



・・・初めて会ったのに・・・懐かしい香りがする。・・・〇〇・・・温かい・・・・・・手放したくないな。
最終更新:2013年06月23日 11:29