「外の世界へ帰ったら、幻想郷から手紙が届くと思うが……絶対に封筒を開けるな。必ず、燃やせ」
幻想郷から外の世界から帰る直前に、博麗の巫女が帰還の準備を終えるの待っているとき、彼がそう言っていた。
「どういうこと」と質問すると彼は、ラジカセから流れる音楽(Another One Bites the Dustという曲らしい)を聴きながらこう続ける
「開けたり、読んだりしたら、今までの苦労がすべてが水の泡になるよ」
「水の泡ってどういう事ですか?」
「理解する必要がないよ。一年以内に幻想郷から届く手紙を読まずに焼却処分するだけでいい話さ」
僕の疑問に彼は、そう簡単に答えた。
胡散臭いが彼の目は、本当だと言っているように見えた
その後、帰還の準備が終わり、外の世界に帰ろうとした直後、僕が幻想郷で仲良くなったお空の声が後ろから聞こえてきた
振り向くと顔を涙でぐしゃぐしゃにして、しゃくりを上げるお空がいた。
「○○!」
「お空さん!」
「○○にお別れを言いに来たの、さよなら、を」
「……さよなら」
涙を流しながら、別れを告げるお空に僕も小さく別れを告げると罪悪感を感じつつ、僕は外の世界へ帰った
それから半年が経ったある日、一通の手紙が届いた
その手紙には、住所も消印もなく、「幻想郷」としか描かれていなかった
それが彼女からの手紙だとすぐに分かった
僕は彼に言われたように燃やそうと思った。
が、急にあの時のお空の顔が頭に浮かんだ
お空……どうしているんだろう。ちゃんと灼熱地獄の管理はしているのかな?
そう思った瞬間、僕は心配になり、封筒を開けた
彼の忠告を守ろうという考えは、すでに無かった。
封筒の中身は数枚の手紙だった
とりあえず、手紙を読んでみると「○○に会いたい」というお空の気持ちが痛いほど伝わる内容だった
涙を流していたのか、文字が滲んでいた。
罪悪感を感じつつ、最後の一枚を見た瞬間、僕は手紙は放りだし、その場に座り込んでしまった
手紙には、女性、人里で世話になった村娘の生首を持ちながら、濁った目をして笑うお空が写った写真が貼り付けいた
そして、血文字でこう書かれていた
「手紙を読んているということは、○○は幻想郷に戻らなきゃいけないんだよ。
博麗のお兄さんが、あなたを連れ戻しにくるんだよ
私、待っているから
帰ったら、一緒に番になって、幸せになろう
私の邪魔をする雌猫はもう■したから、○○の幸せを邪魔する奴はいないよ
安心して、幻想郷に戻ってきて
この手紙も私の血で書いたんだよ
本当に待っているから
空より」
彼女の狂気を感じ、恐怖で動けなくなった僕に追い打ちを掛けるように血文字のすぐ下に文字が浮かび上がった
Bites the Dust,A liar!!!{負けて死ね、嘘つき!!!}
その文字を読んだ瞬間、写真から無数の手が飛び出し、僕の身体を掴んだ
そして、僕をすさまじい力で写真の中に引きずり込もうとする
「なんだ、これは!!!!!」
僕は抵抗してみたが、全く駄目であっという間に写真の中に引きずり込まれた
その瞬間、お空と会えるという奇妙な幸福感以外は、なにも感じなくなった
「おかえり、○○いや旦那様」
「ただいま、お空」
「どうだった、霊夢?」
「彼もだめだったわ。ここに戻ってきたわ。また、人間と妖怪の結婚式が予定が入る」
「そうか……それは、残念だ。これで、10人目だな。僕の罠にはまった外来人は」
「えがつないわね、手紙にかけた呪いで幻想郷に対する執着心を試そうなんて」
「自覚はあるよ……でも、いないんだよね。この罠を突破出来た外来人は……」
最終更新:2013年07月04日 10:52