「ねぇねぇ○○、私が貴方の事を驚かせる事が出来たらさ、1つお願い聞いてもらって良いかな?」
最近知りあった唐傘お化けの妖怪、多々良小傘がいきなりそんなことを言ってきた。

彼女は、本人曰く「心を食べる妖怪」。
人を驚かせて、その感情を糧に生きているらしい。…のだが。

正直言ってしまって、今どき唐傘お化けがする行為で驚く方が難しいのではないかと思う。
日本人の考えたのホラーは世界でも通じる程の物だ。ジャパンホラー映画舐めんな。
そとの世界でメジャーな作品をいくつか知っている程度だが、
幻想郷の生活水準であのレベルのモノが出来るとは思えない。

どうせまた落ち込む小傘を慰める事になるんだろうなぁと先の展開を予想していたが、
断るのもあれなんでやらせてみる事にした。
つうかお前、性格人懐っこすぎて驚かせたり恐がらせたりするのそもそもからして向いてないだろ。
そう思った○○ではあったが、そこは言わぬが華だろう。

「じゃあいくよ?そろそろ体型変わってきちゃうから教えるけど、
○○の子供がお腹にいるから、名前考えておいてね?
多分あと半年くらいだと思うから」

彼女の言葉にぎょっとする。

「…あはは、やったね♪驚いたでしょ」

…なんだ嘘か。つうかホラー関係ねぇだろそれ。
いきなりの事に驚いたのは事実だが、流石にそういう嘘はあまり関心しないぞと窘める。

「え?嘘じゃないよ?実際出来るまで毎日夜這いに行ってたし、
月のモノ来なくなってから永遠亭で見てもらったもん。
それで私からのお願いなんだけど、子供も生まれる訳だしちゃんと責任取ってねってだけだから、簡単でしょ♪」

彼女の眼がぐるぐるぐるぐる濁っているのが見てわかる。その姿に恐怖を感じ、思わず首が縦に動いてしまった。

「ん、よろしい。じゃあ言質もとったし、今日から同棲って事でよろしく」
そういうと彼女は○○の腕に抱きついたのであった。

後日、彼女の話を聞いて似たような事を実行する女怪が増え、多くのカップルが出来たそうだ

-了-

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最終更新:2015年02月03日 11:39