「・・・はぁ、師匠は本当に意地悪だ」
○○さんが帰った後に『夕食の材料買ってきて』だなんて
し、しかも○○さんと距離を縮めたらなんて・・・
む、無理!絶対無理!恥ずかしい!そんなことしたら・・・?
その時、人混みが見えた
何かの宣伝をしてるのかな?
そう思って行くと、周りの人が少し騒いでいる
「痣だらけで酷い顔だ」「何か気持ち悪い・・・」「けっ、めんどくさい事を・・」
怪我人かな?しかたない。お使い中だけど仕事を
「お、おい!しっかりしろ○○!」
・・・え?○、○ですって?嘘
私はその言葉を聞き、不安になって走り出す
人混みからでると、慧音さんと、商店で見た女性そして
傷や痣だらけで倒れている○○さんだった
な、なんでこんなことに
「う、嘘・・・どうして」
ふいにそんな言葉が漏れる
「お、お前は確か永遠亭の・・・」
さっきの言葉で慧音さんは私に気付き、こちらを向き頭を下げている
「頼む!○○を助けてくれ!」
「僕からも頼む・・・いや、お願いします」
隣の女性まで、私に頭を下げてきた
なんで?何でこの人達はこんなに○○さんを・・・いや、それより
「・・・わかりました、急いで永遠亭で治療します」
そう告げて、○○さんを背負って走る
『余計な事をしやがって』
『慧音さん達も見殺しにすればいいものを・・・』
『里の殻潰しが死ねば生活が少しは楽になるのに』
後ろの罵倒に怒り狂いそうになるのを耐えながら・・・

・・・ん?ここは、どこだ?
俺が目を覚ますと、見慣れない天井が見えた
「どこだここ、俺は一体・・・っ」
身体を動かそうとすると、鋭い痛みが全身を襲う
・・・冷静に考えてるが、これ意外と辛い。
その時入り口?が開き、一瞬で抱きつかれた
「よ、よかっだ。○○ざんじんじゃったら:@%#>+」
よく見たら、鈴仙か・・・途中何言ってんだ?というか
「痛い痛い!涙が傷に沁みる!」
そういうと、鈴仙はすぐ離れてくれた
あぁ・・・一瞬ぼんやりだが小町が見えた

「どうだ?落ち着いたか?」
起きてから十分程、鈴仙をなだめていた
何故起きてすぐに、子守(妖怪だけど)しないといけない
「だ、大丈夫、です」
鈴仙の言葉は歯切れが悪く、顔を赤らめている
「・・・恥ずかしいのか?」
「ち、違います」
あれ?外れたか。じゃあ・・・何でだ?
「だって○○さん、三日も寝てたから・・・
もし、もうこのまま目覚めなかったらって」
「へぇ・・・って、三日!?」
やばい、三日分の仕事サボっちまった!
元々0に近い信用が0どころかマイナスに・・・
「ははは、終わった・・・俺の何でも屋(主に運搬)人生が・・・」
「だ、大丈夫です!依頼者さんに言って置きました」
マジで?よかった~・・・けど
「またこうならない様に対策を考えないと」
今度は、確実に潰しに来るだろうな
いっそ、常に短刀を携帯するか
「ああ、それも大丈夫です」
「え、何でだ?」
まさかずっと護衛してくれるとか?
「だって・・・もうそんなことする奴はいませんから」

・・・今、何て言った?もう居ない?
それってまさか
「おい!一体何をした!」
「何って、簡単ですよ」
鈴仙は一呼吸おいて、笑顔を交えて言った
「ただ、目を見て話し合っただけですよ」
「嘘をつくな!それだけで収まるわけが・・・!」
いや、こいつならそれで解決できる
少し、いやかなり怖いが鈴仙に訊く
「どうして・・・いなくなった」
「単純です、目を見てた人達の視覚を狂わせて
お互いが化物に見えるようにしたんです
とても滑稽でしたよ?仲間同士で殺しあってたあの醜い姿は
仲間を殺した後に能力解除をしたら『あ・・ああ・・』って絶望した顔は
でも、仕方ないですよね?それ以上の事を○○さんにしたんですから
ずっと生き地獄のような状態にするよりましじゃないですか?」
「だからって・・・何も殺すことは」
「殺す理由があるんですよ」
鈴仙は、似合わない程の妖艶さと狂気を含んだ笑みで答える
「だって好きな人に危害を加えられたんですよ?それは怒り狂いますよ」
「え・・・」
鈴仙が、俺を好いている?
「でも、○○さんも悪いんですよ?
ちゃんとアピールしてるのに毎回、茶化した態度でいて
それなのに、××さんや慧音さんとは積極的に関わってる
なんでですか?私の方が愛しているのに、○○さんの事知ってるのに
私、あなたの為なら何でもできますよ?
殺せと言われたら、誰だろうとどんな手を使っても殺します
して欲しいことがあるなら、どんな難題もして見せます
だから、私を愛してください、その眼で私だけを見て下さい
その耳で私の声だけを聴いて下さい、私だけを感じてください」
鈴仙のその姿を見て俺は・・・

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最終更新:2015年10月08日 23:44