「紫お姉ちゃん!トリックオアトリート!」
「はい、これ 弟くんのために作ったチョコレートよ?」
「わーいわーい!食べていい?」
「いいわよ …うふふ…ふふふ…」
「パクッ…モグモグ…ゴクリ」
「どう?美味しいかしら?」
「うん!とっても… でも…何か変な感じ…」
「どうしたのかしら…うふふ…」
「なんだか…めのまえが…ぼやけ…」バタッ
「…ハッピーハロウィン…弟くん…」
「……あれ……?ここは……」
「…目が覚めたのね」
「紫お姉ちゃん…?ここはどこ…?」
「スキマの中、かしらね」
「…そうなんだ……あれ?身体が動かないよ…?」
「ごめんね弟くん…キミは今縛られてるの 少しだけ我慢してね…?」
「お姉ちゃん…?何だか怖いよ…何するの…?離してよ…?」
「ごめんね…もう絶対離さないって決めたの あなたと一つになるまでね…」
「何言ってるの…?」
「弟くん…今からお姉ちゃんが君の身体を私と同じ『スキマ妖怪』にしてあげる… そして私の血をキミにあげる… 私同じ血で生きる私の本当の弟くんにしてあげる…!」
「やめてよ…怖いよ…!」
「大丈夫…怖くなんてないよ…?それに本当の姉弟になっても結婚くらいしてあげるわよ…?あなたが人間のままじゃ結婚してもすぐさよならだもの…」
「わからないよ…」
「それにね…?もうすぐ『◯◯は八雲紫が拾って育てた人間の子供』なんて歴史は消えちゃうのよ…?ううん、消しちゃうの…」
「………」
「キミは正真正銘、私と共に誕生した家族になるんだよ…?結婚なんてその後にすればいいじゃない…」
「………」
「キミが恐れているのは私と結ばれなくなっちゃう事だよね…?そうだよね…?ならそんな心配はいらないよ? 私達が姉弟として結婚しても…きっと皆祝福してくれる 藍も橙も幽々子も…皆ね…」
「何でこんな事するの…?」
「私がキミを愛してるからだよ…?それに『トリックオアトリート』って『お菓子くれたらイタズラしていいよ』って意味なんだよ…?うふふふふ…ふふふふ…」
「そうなんだ…」
「そうなのよ… だから今は安心して私に全てを委ねて?」
「………」
「愛しているわ… 私だけの弟くん… 私だけの旦那様… ちゅっ…」
キミは私の弟くん キミは私の旦那様
歴史は私達のモノになった 私達は幸せな未来を勝ち取った
何も怖くない キミがそばにいてくれるから
最初から私は独りじゃない ずっとキミがいてくれた
これは作り物なんかじゃない これは紛い物なんかじゃない
キミには記憶があるでしょう? 私もキミの記憶があるのだから
誰かが否定しても構わない
これはキミと私が掴んだ真実の歴史…
最終更新:2017年02月07日 21:59