「今日こそ彼をどうやって手篭めにするか決めるわよ!」
そう言いサニーは机をバンと叩いた。

「ちょっと、写真が汚れるじゃない」とルナ「写真立てに戻しておくからね」
と彼女の持つそこには一枚の写真飾られてあった、写っているのは○○、彼女らの意中の男性である。

「そうは言ってもねぇ」とスター「いつも大して何も決まらないじゃない」
「それを今日決めるのよ!」と再び机を叩く、バン。
「それで、前回はどこまで決まったんだっけ?」と写真を眺めながらルナ「彼をこの家に招くまで?」
「そうね、とりあえずここまでは完璧な計画ね!」
「計画も何もあたりしか決まってないじゃない…」とルナはため息をつく「そこからどうやってわたし達のところへ留めておくか考えないと」
「う~ん…スター、なにかいい案はない?」とサニー
「色仕掛けとかどう?」とスター「わたし達三人で彼をメロメロにして離れられなくしちゃうの」
「い、色仕掛けってスター」とサニーの顔が赤く染まる「そんな最初からしちゃうなんて…でも彼ならいいかな…」
「でしょう?でもわたしが考えた案なんなんだから、もちろん最初はわたしよ」
「そ、そんなのずるいわよ!」
「ずるくないわ、昔から発案者が甘い汁を吸えるって決まってるもの」
「それでもずるいの!」
「盛り上がってるところ悪いんだけど」とルナがキャーキャーと言い合う二人の間に入って言う「彼、小さい子には欲情しないって前に調べたじゃない」
「そうだっけ」と声が重なる。

そう、彼女らはここ数ヶ月○○の行動を密かに観察し続け、朝起きる時間から夜寝る時間まで、食べ物の好み、好きな話題、よく行く場所などを調べつくしていた。

「そうよ」と自慢げにルナ「彼のことならなんでも分かるんだから」
「それじゃあ」とサニー「何かいい案思い浮かぶ?」
「そういえば彼って物凄く諦めがいいのよ」とルナ「幻想郷に流れてきた時も、外に帰る方法なんて調べず、こっちに住むってさっさと決めちゃうくらいに」
うんうんと頷く二人「それで?」
「だからね」とルナ「ここに連れてきたら無理やり縛って監禁しちゃえばいいのよ」
唖然とする二人に気づかず喋り続ける。
「彼ならきっと、とっとと諦めて一緒に暮らしてくれるわよ!そりゃあちょっとは抵抗されるかもしれないけど直ぐに諦めてくれる…ってどうしたの?」
「…ルナ」とサニー「…あんたって結構むちゃくちゃ言うのね…」
「え?そ、そうかしら?」
「さすがにいきなり監禁されたら無理やり逃げると思うわよ?」とスター「それに妖精のわたし達じゃ簡単に逃げられちゃうわよ」
「それじゃあ、わたしの案は却下?」
「却下よ」
「却下ね」
「う~ん…いい案だと思ったのに…それじゃあサニー、今度はあなたが案を出しなさいよ」

「そうねえ…」と腕を組んで考える。「迷った彼をわたし達の家に泊めてあげるの。次の日には帰っちゃうけど、またわたし達で迷わせて家に泊めてあげるってのはどう?」
「何日も帰れなければ彼も諦めてわたし達と暮らすようになるってわけね」とスター「いい案じゃない」
「本当?」とサニー「ルナはどう思う?」
「うん、わたしもサニーの案がいいと思うわ」
「ならこの案で決まりね!」と元気良くサニー「それじゃ早速彼を…どうするの?」
「…とりあえず彼がわたし達の家の近くの森に来ないと…」とルナ「彼ってあんまり森に入らないのよね…人間だし」
「肝心なところが抜けてたわね…」とサニー「それじゃあ早速森に誘い込む方法を――」
「今日はとりあえずいつもみたいに彼のところに行かない?」と遮ってスター「もしかしたら森に入るかも」

そうねと二人は頷いた、手間は少ない方がいいのだ。
そして彼女らはいつものように出かけた、姿を隠して。






ー以下蛇足ー
ヤンでない?
いやいや言動は大分ヤンでる…はず
ー以上蛇足ー
最終更新:2010年08月27日 13:16