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気が付くと、家の戸や窓が開いている。
草履や靴が、定期的に新品にすり替わっている。
河童に引いて貰った水道から、女性の髪の毛が出て来る。
庭の木や草が自動的に手入れされたり、植えた草花が異常な速度で成長する。
庭の木には鴉やら変な蛇やその他諸々の動物や昆虫が何時も張り付いている。
庭にいつの間にか某神社と某神社の分社が軒を連ねている。
隣の空き家から、何時も視線を感じる。
香霖堂で買い取った冷蔵箱に、何故か霧の湖の氷精が住み着いている。
押し入れや屋根裏、床の下から気配を感じたり、話し声が聞こえたりする。
料理を作ると半分ぐらい誰かに摘み食いされる。
いつの間にか差し入れがあったり、料理が完成している。
詰み将棋をしていて余所見をした瞬間に駒が動いていたりする。
風呂を沸かすと、誰かが先に入ったような跡が残っている。
風呂から上がって暫くすると、風呂のお湯が一滴残らず消えている。
愛用の歯ブラシが常にカピカピだったり、洗面所の鏡を見てると後ろに誰か居るような気がする。
本棚にいつの間にか某図書館の魔術書が入っていたり、幻想郷縁起が入っていたりする。
自室にいつの間にか人形が置いてあったり、蛙の置物やらが置かれている。
厠(小川の上にある水洗)で用を足していると、川の中から気配を感じる。
布団を敷いて少し目を離すと、誰かが寝ていたかのような温もりが残っている。
夜寝ていると淫夢を良く見る。翌朝、物凄くゲッソリする。
布団を畳む時、体液や髪の毛が散乱している。


困った彼は、里長や名家阿求家に相談した。
それでも駄目だったので薄麗神社、守矢神社に相談したけど駄目だった。
白玉楼や永遠亭にマヨヒガ、天界から地霊殿に紅魔館、駄目元で魔法の森にも行った。
全て問題の解決にはならなかった。

「どうしてなんだろうなぁ……?」

今日も、○○の非日常な日常が始まる。


今日は幽々子さんと妖夢さんの招待で白玉楼に着た。
お二人曰く、これからも僕と親しく過ごす為に親睦会を開いてくれたとの事。
前は冥界は怖い所だって先入観を持っていたけど、やっぱり先入観はいけないって思った。

料理は妖夢さんが集めて、幽々子さんが料理したそうだ。
あの幽々子さんが料理したって事だけでも驚天動地なのに、その料理は物凄く美味しかった。

「幽々子さん、物凄く美味しいですよ」
「そうなの、気に入ってくれて嬉しいわ。妖夢、お代わりをドンドン持ってきて頂戴」
「かしこまりました幽々子様。○○も沢山食べてくださいね。ウフフ」
「そうね妖夢。そんなに○○が喜んで食べてくれるから私も嬉しいわ。ウフフ」

2人ともニコニコと僕が出された料理を次々と平らげるのを嬉しそうに、本当に嬉しそうに眺めている。

「ところで、この料理は何ていう料理なんです。里では見た事がありませんけど」
「冥界の大ご馳走ですよ。そうですよね、幽々子様?」
「美味しいでしょ? 黄泉戸喫っていうの。どんどん食べてね♪」


人里の端に位置する一軒家に住む○○。
奇妙な現象が多発する家に住むも、その大らかさ(特に女性に対して)によって特に気にしなかった。
だが、最近になって一部の現象が酷くなった。深夜、酷い悪夢を見るのだ。
連日続く悪夢によって、○○はやせ衰え始めた。知り合いの各所に相談してみたが何故か芳しい返事はない。
頼りにしていた博麗の巫女にもお茶を濁された○○は、弱り果てて職場の先輩に相談した。
その先輩は丁先輩といい、寺育ちで霊感関係において人里では一目置かれる存在だった。
「そりゃ、生き霊だな。しかも複数居るからお前さん最後にはとり殺されるぞ」
「ど、どうしたら良いんでしょ?」「物忌みしろ。物忌み。取り敢えず今夜、仕掛けに行くから」
その晩、丁さんはいろんな道具を持ち込んで○○の寝室に篭もり、1時間程してから出て来た。
「何というか……凄いなお前の家、その内時空が歪みそうだけど。ま、取り敢えず物忌みの準備は終わった」
「あ、ありがとうございます」「今夜は直ぐに寝ろ。朝が来るまで絶対に寝室から出るなよ」

そして、丁さんは帰り○○は床に入った。

『破ぁ―――――――――!!』

凄まじい震動と共に起きた○○は、自宅が激しく揺れている事に気が付いた。
丁さんが置いていった道具が激しく発光し、外側に向かって放出している。
○○は寝室から飛び出したかったが、我慢して布団の中で必死に朝を待つ事にした。

そして翌日、物忌みはあっさり終わりを迎えた。
久し振りに悪夢や淫夢を見る事もなく朝を迎えた○○は、何時も手渡しされる文々。新聞が来なかった事を訝しみつつ職場に出た。
夕方仕事が終わり、帰路に着く途中で鴉天狗が号外を配っていた。
何事かと受け取って読んでみると驚き。
何と今朝方になって幻想郷中の重鎮面子の大半が寝込んでしまっているらしい。
数日休養すれば回復するらしいが、2つの神社の巫女と神様、紅魔館の住人、竹林に住まう者達、地霊殿、
冥界の主従、天界の我が儘娘、胡散臭い管理者と従者、最近人里近くに出来た寺の住人、他にも色々と。

「そう言えば慧音さんの寺子屋も今週は休みだって言ってたな……」

みすちーの屋台に行って、八目鰻でも買って慧音さんの家に持っていくかと○○は思った。
だが、みすちーの屋台も休業中で無駄足になる事を○○は知らない。






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最終更新:2019年02月09日 23:29