特徴的な服。ショートカットの髪。スタイルのいい体。そして最初に目を引く尻尾。俺を縛り付けていた張本人、藍。あいつがまさか宴会に来てるとは思わなかった。

俺が藍から目を離せずにいるとあちらも気付いたらしく、膝の上にいた猫を降ろし、俺に近づいてくる。俺はまだ目を離せなかった。
藍「私に何か用か?」
目の前まで来た藍に俺はただ、
「いや、別に・・・」
としか答えれなかった。
藍は俺に興味を失わずにそのまま喋りかけてきた。

藍「お前は私が愛した男にどこか似てるな」
藍は俺を覗き込みながら言う。それは何かの当てつけだろうか?それとも確信を得て言ってるのだろうか?いずれにせよ俺の緊張は解かれない。

藍「こうしてやると恥ずかしがってな」
藍はいきなり俺を抱きしめて強く引き込んだ。それは俺に過去を思い出させるには十分すぎるもので、全身に危険信号が送られた。

俺は恐怖によって、慌てて藍の腕からもがいて抜け出した。抜け出した時に藍の顔を見ると納得したような顔をしていた。まるで「やっぱりな」と、思わせるような。

霊夢「あぁ、あんた来てたの・・」
博霊の巫女がなにか言っていたが、それどころじゃない。あいつに知られてしまったからには、早く手を打たなければ大変な事になる。俺は急いで基地へと走り始めていた。

俺が基地に駆け込むと何人かが驚いたらしく、何があったか聞いてきたが、それどころじゃない。早く態勢を整えなければ、基地の崩壊は止められない。隊員達にとにかく銃を持って防御態勢をとるように指示する。隊員達はいつもと違う事が分かるとすぐに準備に取り掛かった。

△△「相手はなんですか?」○○「狐だ!」
△△「狐?」
○○「あぁ、尻尾を何本も持ってるやつだ」

話し掛けてきた△△にそう言うと、そいつは一瞬硬直したが、すぐに銃を構え直した。構えている手が震えているところをみるとなにかあったのだろうか。だが、今はそんな事を気にしてる場合じゃない。いつ突撃してくるか分からないのだ。気が抜けない。

突然、正面の扉が吹き飛ばされた。藍かとも思ったが、あいつの弾幕の中に一発で固い扉を破壊できるものは無かったはず。もくもくと立ち込める煙の中で出て来たのは緑の髪で、日傘を差している女だった。女は少し見渡した後、何かを見つけたらしく、そちらに飛び掛かった。□□の方だと分かった時には遅く、既に連れ去られた後だった。
「ちっ!みんな気をつけろ」そう言った途端に、今度は窓を突き破って白狼天狗が飛び込んできた。一気に銃を構えて発砲するが、盾で塞がれてしまい、当たらない。そちらに気をとられているうちに上から侵入されたらしく、ドガンッと鈍い音がした。入って来たのは鬼女で、××が必死の抵抗をしていたが、かつがれて連れていかれた。

次々に仲間は連れていかれてしまい、残るは俺と△△だけだった。ありったけの装備をして身構える。
壊れた扉から入ってきたのは割と知っている顔だった。橙だ。藍の命令で俺を捕まえにきたのか?よく見るとのその目は俺ではなく、△△を捕らえていた。

橙「まったく、わたしになにも言わないで何処かに行っちゃうなんて。許さないよ!」
橙は△△を睨んでいるが、その目のどこかに嬉しさがあるように見える。獲物を見つけた時のようだ。

藍「やっぱりここだったか、○○。探したぞ」
本命が来てしまった。銃を構える。△△は・・・俺の後ろで震えている。

橙「藍様~」
藍「よく見つけたぞ、橙。いい子だ」
橙「えへへ~嬉しいです」
○○「なぁ、藍。なんで△△は橙を怖がってるんだ?」
藍「私がお前を愛していた時に橙も自分もなにか欲しいと言ったからな。ちょうど良く幻想郷に△△が来たから橙にやったんだ。想像以上に愛されたみたいだがな」
○○「止めようとは思わなかったのか?」
藍「愛を与えているのにそれを止める必要があるのか?」
主がこれじゃあ、下もそうなるわけか。俺は藍に銃を向けた。

藍「私にそんな物を向けるなんてなぁ。お仕置きが必要かな?○○」
藍に銃身を掴まれる。とんでもない力で引っ張られ、銃は取り上げられてしまった。

藍「前逃げた時みたいに私の隙をついて攻撃したらどうだ?」
俺は言われたとおりにナイフを取り出して藍に飛び掛かった。だが、藍に攻撃がとどく前に地面にたたき落とされた。

藍「やっぱりお前は無力だな、○○。あれもまぐれだったか・・・心配しなくていいぞ?力を使わなくても私がお前の力になってやる」
藍は○○を包み込んだ。強く、魂さえも逃がさないように。

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最終更新:2010年10月11日 04:03