萃香話。初めての作品ですので見苦しいかと思いますが…

 やあ○○、あんたも一杯どう?あんたの顔はいい肴になるよ。何杯飲んだかわかんないさ。
そんなにキョトンとしないでよ。2週間近く一緒にいたのにさ。
覚えが無い?ひどい事言わないで。まぁ、気付けないだろうけど。
分かった。教えてあげるよ。

 一月ほど前に初めて会った時、あたしはあんたを一目見ただけで雷に打たれた。自分でも初めての感覚だったもんだから、どうしたか分からないよ。ただあんたと一緒にいたい。そう思った。心の中にあんたが孕んでいったんだ。あたしとしたことが、孕まされた。あんたの勝ち。
 だからこそ、あたしはあんたが欲しかった。あんたと同じ世界を見たい、あんたと結ばれたい、あんたをもっともっと知りたい。そう思った。どうすればいい?悩んだよ。
 あたしは決意した。

 2週間前の夜、あたしはあんたの家に、行った。きれいな夜だったよ。寝ているあんたの顔、すっごくきれいだった。そしてあたしは…

 自分を霧にして、あんたの体の中に入ったんだ。

 だらしないね、口閉じな。そんな奴を好きになった覚えは無い。
あたしは自分を霧状に霧散させる事ができる。その力を使って、あんたの皮膚の穴からあんたの体の中に入り、居座った。
おかげであんたの事色々知ることができた。幸せだったなぁ。愛しい人と同じ世界を共有している。同じ世界を見ている。一つになっていられる。あんた鈍感だから気づかなかったみたいだけどね。時々酒を飲もうとして、あんたが寝静まるのを待って外へ出てたんだよ?

 卑怯?そうだね、あたしは鬼として失格だ。でも「恋」は落ちるもの。最初から腹はくくってたさ。

 さて、今回なんであんたが起きてるときに出てきたか分かる?あんたの事はもうほとんど知った。だから今度は、あんたにあたしの事をもっと知ってほしいの。勿論二人っきりでね。そろそろ霊夢が感づくだろうから、今の内にね。鬼は人を攫うものだから…

 じゃあ、行こう?○○。私の恋人さん。

ジャラジャラジャラジャラジャラジャラジャラジャラジャラジャラジャラジャラジャラジャラジャラジャラジャラ
最終更新:2011年02月11日 15:57