「なぁ、本当にそこで良いのか?」
「いいのっ、あたい、ここがいいのっ」

買ってきた冷蔵箱に住み着いたチルノは頑固だった。
確かに、氷室屋から高い氷を買わずに済むのは良い。
だけど、幾ら何でもその為だけに彼女が此処に留まるのは間違いじゃないかと思う。

「でもな、この中にずっと居るのは自由大好きな妖精にとって苦痛だろ?」
「……」
「大ちゃんやルーミアだって心配してると思うぞ?」
「いいのっ、あたいがいいっていってるんだからいいでしょ! あたいは、あんたの役に立ちたいのっ」

ボロボロと涙を流しながら、キ○コをガリガリと囓り始めるチルノ。
おいおい、中身じゃなくて容器囓っても消臭効果は取り込めないぞ。

「冷却だって、脱臭だってするから、あたい、ここがいいの、○○の側で、役に立ちたいの」
「あたい馬鹿だから、これ位しか考えつかないの、だから……」

○○はそっとチルノの手からキ○コを取り上げる。
そして頭を優しく撫でながら、冷蔵箱から彼女を出す。

「無理をしなくてもいい。俺はありのままのチルノがいいから。さ、脱臭剤なんか囓ってないでおやつを食べよう」
「○○……優しいね」
「チルノ?」
「でもね、あたい、○○がそんなだから大好きで、そんなだからこうしたんだ」
「……」
「○○が今のあたいを拒否するなら……○○にこっちに来て貰うから」
「えっ」
最終更新:2011年03月22日 15:25