人里に家を借りられなかったとある○○の話

食料もろくにない希望も無い
なので自棄 勢いで向日葵畑に行ってみると。
それはそれは美しい女性と出逢ったのだ。
やる事も無いとばかり、雑談を試みると「いい度胸ね」と返される。
軟派だったろうか、と気に病むも病まずに更に話題を振っては誉め、振っては誉め。
ほおづきの様にお嬢さんの頬が染まるの見たと思った瞬間には、
目の前には火花が散り、何処かの屋敷のベッドで寝かされていた。
横を見ると、大鎌を携えた可愛らしい門番さんが解放してくれていたようだ。
「すみません、あの方の我侭で」と、苦笑しながら言っていたが、状況がよく掴めない。
何となく分かったのは、寝床が確保出来たかもしれないと言う事だった。やった!
「ほんとに恐れ知らずね、あなた」「ねえねえ、私達の玩具になる気は無い?」
よく似た姉妹が門番さんの出した料理と良く似た二人の姉妹と一緒に食べた。
なんとなく妹さんのが可愛いねとか言ったら、恐らくお姉さんの方が、何か凄い事をしていた。何か凄い事をしていた。多分。
ちょっと外を眺めると大きな黒い翼の生えた少女が手を振ってこっちにやってきた。
「あっ、起きたんだ。……ねぇねぇ、吸わせてよ」断る。即答する。
ぽかんとした彼女の顔が可愛かったのでおでこを吸ってやると、真っ赤な顔して往復ビンタして倒れた。
純だなぁ。で、自分の横にくっ付いてるこのオレンジはなんだ。

あの方が帰ってきたと門番さんが言っていたので顔を見ると、
そこには向日葵畑であった女性の顔。「ふふっ」
自信たっぷりに、しかし少し照れた様子で此方を見ると微笑んだ。
自分も微笑み返し、こう答えた。

「家主さんですか?ありがとうございます。名前なんでしたっけ」


俺は、吹っ飛んだ。

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最終更新:2013年01月08日 14:28