~大人のお姉さん編?~



〇〇「あぁ~…体の節々が痛い。気怠いし頭がボーッとする…。」

外界から迷い込み、当初は困惑し紆余曲折ありながらも次第に環境に馴染み色々な日雇いの仕事や畑の手伝いで生計を立て人里の外来長屋で暮らしていた。

しかし、いくら環境に慣れても病気はかかるもの。
どうやら彼は只今、風邪を拗らせているみたいだ。

〇〇「やっぱり昨日、湯冷めをしちゃったかな?」独り言を呟きながらも、ふと淡い妄想を考えた。
〇〇(参ったなぁ…。こんな時に誰かに看病されたいなんて贅沢かな?まぁ隣の丁さん【長屋の先輩】に永遠亭の薬を頼んだし、それが届くまで大人しく寝ていよう。)

そう自分で自分を説得し目を閉じた。

ーしばらく寝ていた〇〇だが、ふとヒンヤリとする感覚と異様に強烈な視線を感じ目を開き上体を起こそうした瞬間、「じっとしていなさい。」と声が聞こえた。

ぼやける視界で周りを見ると人里の守護者である上白沢慧音、白玉楼の亡霊姫西行寺幽々子、永遠亭の八意永琳、そして幻想郷の管理人で大妖怪の八雲紫が〇〇を囲み見つめていた。

〇〇「あれ?みなさん一体どうして…?」

慧音「なに、隣の者が私の所へ永遠亭に案内してほしいと頼んで来たから理由を聞けば〇〇が拗らせたと聞いてな、看病してやろうと思ってな。後の全員は何処から嗅ぎ付けたのかついて来ただけだ。全く私だけで十分なのを。」

幽々子「風邪で弱っている〇〇の歴史を弄って夫婦になろうとした人里の守護者様が言うわねぇ。そんなことよりも〇〇、妖夢がお粥を作って待っているわ。一緒に白玉楼へ行きましょう?私がお粥を食べさせてあげるわよ?」

永琳「あなた達は…病人の前でそんな重い雰囲気をするなら今すぐ帰りなさい。だいたい今この場に居るべきなのは薬師である私だけで十分。〇〇、風邪は引き始めが肝心だから、薬だけじゃあ不安だから永遠亭に行きましょう?私が付きっ切りで看病するわ。」

紫「あら、わざわざ何処かへ行ったり多忙な方が看病をしなくとも好調と不調の境界をいじれば済むこと。仮に連れて行くにしてもあなた達では外気に晒されて風邪が悪化したら大変。私ならスキマですぐにマヨヒガに連れて行けるから一番安心で安全。だから〇〇、私と一緒に、ね?」

各々が獣が獲物を見るような目をして〇〇に看病の申し出をするが、〇〇は風邪の症状とは違う悪寒を感じていた。
四人とも自分以外をまるで憎むかのような眼差しで牽制しあっている。
その重圧に〇〇は失神した。
再び目を開けた時に自分の家とは違う光景と、〇〇の目の前にあの四人の中の一人がボロボロの姿で居た。
「やっと起きた〇〇?でも、まだ油断できないからこれからずっとみていてあげるね?」と濁った目と歪んだ笑顔で言われた〇〇だった。

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最終更新:2011年03月27日 22:52