【タナトラジャ犠牲祭+αの旅】
第7話)配車アプリGrab
《インドネシア旅行記|タナトラジャ|ランテパオ|マカッサル|ジョグジャカルタ》
タナトラジャで3泊した後、スラウェシ島からジャワ島の古都ジョグジャカルタに飛ぶ。
ランテパオを夜8時に出発したバスは翌朝4時にマカッサル空港に到着。こんなに早く空港に着くとは思わなかったので、僕は午後2時にマカッサルを出る便を押さえていた。さすがに空港で10時間も過ごすのは耐え難い。午前中いっぱいはマカッサルの街中を散策してから空港に戻ろう。
バスの車掌には空港ではなく終点の街中まで行くと伝えておいた。ところでこのバス、マカッサルの街中のどこに着くのか僕は知らなかった。
朝5時、バスはどこかに停まった。まだ朝早い時間なのでバス内で寝て待つ乗客もたくさんいる。オイラももう少し寝ていよう。
そうこうするうち6時を過ぎたので表に出てみると、ここはバス会社の車庫であった。
「ここは街のどの辺り?」
バス会社の職員に尋ねてみるが英語がうまく通じない。どうしたものかと困り果てていると、少年がスマホを片手に表れた。そして翻訳ソフトを開いて意思疎通を試みだした。
インドネシア語と英語の怪しい翻訳のやり取りではあるが、こちらの意図を理解した少年は、今度は地図アプリを立ち上げ、現在地を示してくれた。あらら、今いるところは街中どころか全くの郊外ではないか!!
Bintang Primaの車庫(赤いマーカー)は街の中心から離れている
ともかく、ここから街中までどうやって行くか?
「街中まで行く路線バスがある?」
「ないよ、でもGrabで車を呼んであげるよ。ほら10分後にやって来るよ。4万ルピア(約¥324)だけどいいかい?」
上半身裸のインドネシアの少年が当たり前のように配車アプリを使いこなしている
Grab、ああ聞いたことある。東南アジアを席巻している配車アプリだ。シェアエコノミーの成功例として米国Grabで有名な配車サービスだが、ここインドネシアではGrabとライバルのGo-Jekが市場を席巻していた。
今いる場所と目的地を入力すると、近くにいるGrabと提携したドライバー(東南アジアではバイクライダーのケースも多い)が運賃をオファーしてくるという仕組みだ。そしてそのドライバーの多くが一般人なのだ。
程なくアプリで手配した車がやって来た。何と便利な!!
日本では法律で白タクとなってしまうため配車アプリは本格展開されていないが、ここ数年で東南アジアの交通のあり方をGrabが変えてしまったという。
そしてこの最先端のシステムを、上半身裸のインドネシアの少年が当たり前のように使いこなしているのだ。ネットの世界ではもはや先進国とか途上国とかいった区別は存在しない。知らぬ間に世界はどんどん進化しているを実感したのであった。
最終更新:2018年09月18日 00:36