【戦う山羊を見よ! 闘ヤギ大会in多良間島】
第3話)ゲーム喫茶と配車アプリ
《沖縄旅行記|多良間島|闘山羊|ピンダアース|宮古島|ゲーム喫茶》
「ゲーム喫茶って知ってます?」
多良間島から戻った夜、宮古島の同宿者が問いかけてきた。
「この近くに喫茶Mというのがあって、結構ヤバいんですよ。」
-どうヤバイのですか?
「花札ゲーム機があって、換金できるらしく、昼間から怪しげな人で溢れてるんですよ」
早速ネットで調べてみると、宮古島にはいかがわしげなゲーム喫茶が何軒かあることがわかった。翌朝は宮古島最終日、島を出る便は昼の12時発。それまでの間、僕はその謎のゲーム喫茶を訪ねてみることにした。
まずは宿近くの喫茶M。モーニングでも頂こうと朝8時に訪ねてみる。喫茶Mの入った建物は、思った通りレトロな昭和の香りを強烈に放っていた。そしてこの建物の入口扉を開けるのには大変勇気を必要としたが、思いきって怪しげな入口をくぐり、中にある喫茶Mの扉の前にさしかかる。が、営業している気配は見えない。
扉には「社交飲食業加盟店」のステッカーが貼ってあった、それはこの店がただの飲食店でないことを物語っているが、どうやら「社交」するに朝8時は早すぎたようだ。そして本音をいえば、営業してなくてよかった!と思ったのが正直なところである。
そして、こういうこともあろうかと代案を押さえておいた。空港近くのDンキホーテそばにある喫茶Oである。
Dンキまでは路線バスで移動。ちなみに宮古島の路線バスは本数が少なく、かつ時刻表が大変わかりづらい。その上バス停の名前が変わっても時刻表上では昔の名前のまま乗っているから、もう混乱すること甚だしい。
喫茶Oは喫茶Mに比べるとはるかに巨大な店であった。一見すると昭和の時代によくある喫茶店のように見えるのだが、店のテーブルには花札ゲーム機が設置されている。そして僕は見た、店の一角の不自然な位置に両替機があることを。これこそゲームで勝ったポイントを換金する違法アイテムではないか!!
だが、まさかウエイトレスに「これって違法ゲーム機ですよね」などと尋ねる訳にもいくまい。また、周りの客の様子を観察してみると、朝一番ということでモーニングを楽しむ健全なファミリー層しかいない。
果たして宮古島のゲーム喫茶は怪しいところだったのか?それは謎のまま終わってしまった。
さあ、もう行かなくては。僕はダウンロードしたばかりのタクシー配車アプリDで、喫茶Mから空港までのタクシーを呼んだ。距離にして3km。700円程度とアプリは表示しているが、初回利用で500円オフになるキャンペーンがあるのでラッキーだ。
アプリは盛んに周辺の加盟タクシーを探す。
1分経過、反応なし。
2分経過、反応なし。
3分経過、反応なし。
ヤバイ、宮古島にはこのアプリの加盟タクシーはいないのか。かといって次の空港行きバスではフライトに間に合わない。
残された道はただひとつ。
歩く
こうして僕は10月とはいえ、残暑厳しいサトウキビ畑の道を汗だくになって歩いて空港に向かったのであった。
最終更新:2019年10月12日 23:14