【二輪で行こう! 五島列島の旅】
第1話)電動自動車に挑戦?

《五島列島|下五島|奈留島|久賀島|福江島》

コロナによる行動制限のないゴールデンウィークが3年ぶりに訪れた。その行き先に選んだのは長崎の五島列島。この島々には隠れキリシタンの信徒が建立した教会群が点在し、その一部は近年世界遺産にも指定されている。国内にあって異国情緒も漂うこの不思議な島々を訪ねてみることにした。

まず博多から夜行フェリーで列島の一つ奈留島(なるしま)を目指す。船はスイートルームも備えた立派なものだが、当然2等席のオイラは他の乗客と仲良く雑魚寝だ。

五島列島 旅行記|MAP
五島列島 旅行記|奈留港に到着するフェリー
奈留港に到着するフェリー

朝7時半奈留港に着くと、オイラの名前が書かれたプレートを持ったレンタカー会社のオジサンが待っていた。今回お願いしたレンタカー会社にはコムスと言う一人乗り電動自動車があり、1日¥2,000で電池が切れるまで乗り放題で借りられる。あちこち気ままに島巡りをしてたった¥2,000なら使うしかないと飛び付いた。

 「こちらがコムスです。乗り方は簡単です。Dが前進、Rがパックのボタン。」

しまった!! 一人乗り自動車ということでオイラは勝手にトゥクトゥクみたいなバイクをベースにした乗り物と勝手に思い込んでいた。だがこのコムスは違った。

 「これ、普通の車と同じハンドル車なのですね」

五島列島 旅行記|一人乗り電動自動車 コムス
一人乗り電動自動車 コムス

普段車に乗ってる人なら何の問題もないのだろうが、オイラは筋金入りのペーパードライバー。最後に四輪を運転したのははるか昔の20世紀で、今世紀に入ってからハンドル車は触れたことすらない。

 「どうします? 原付バイクに替えますか?」

慣れない離島で慣れないハンドル車を運転するのはリスクが高い。だがスクーターなら4年前にインドネシアで乗ったから大丈夫だろうという根拠のない自信があった。原付バイクは1日¥2,500。当初より予算がアップしたのと非エコなのは残念だが、安全を考えて原付に替えた。

五島列島 旅行記|奈留島MAP
奈留島の見どころをスクーターで回る

颯爽と風を切って、島の名所を巡る。まずは山中にある城岳(しろんたけ)展望台に行ってみる。途中「イノシシ注意(!!)」の標識がある山道を昇って展望台に到着。そこからは五島列島の素晴らしい眺望が広がっていた。

五島列島 旅行記|展望台途中「イノシシ注意(!!)」の標識
展望台途中「イノシシ注意(!!)」の標識
五島列島 旅行記|城岳(しろんたけ)展望台からの眺め
城岳(しろんたけ)展望台からの眺め

雄大なパノラマを楽しんだ後、展望台の駐車場に戻り原付のイグニッションキーを押す。

 あれれ、おかしいエンジンがかからない(汗)!!

何度もトライするが、点火してくれない。こんなところに取り残されたら嫌だ。イノシシに襲われたくない!! ああ、でも何度やってもエンジンがかかってくれないぞ!!

仕方なくオイラはレンタカー会社に電話をした。

「なんかうまくエンジンが点火しないんですけど?」

「そんなことないと思うのですけど。例えば左手のブレーキをかけながらエンジンをかけてます?」

あれれ、バイクのエンジンって左手のブレーキをかけないと点火しない構造だったっけ?

言われるままに試してみる。すると、

 ブルルルルル~

一発でかかった。ああ良かった。な~んだ、それだけの話だったのか。一番最初は無意識にブレーキをかけながらスタートしていたので気付かなかったが、ともかくエンジンは回るようになった。

おかげでこの後も世界遺産・江上天主堂をはじめ、あのユーミンが校歌を書き下ろしたという奈留高校の歌碑など、奈留島の名所を無事訪れることができたのであった。

めでたしめでたし。

五島列島 旅行記|ユーミンが書き下ろしたという奈留高校の校歌歌碑
ユーミンが書き下ろしたという奈留高校の校歌歌碑

五島列島 旅行記|江上天主堂
無事に世界遺産・江上天主堂も訪れることができました。

(続く)


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最終更新:2022年05月22日 20:35