【最後の旅行支援で行く沖永良部】
第2話)¥200で牢屋? 島の西郷隆盛・経済圏
《鹿児島|沖永良部島|和泊》
沖永良部は地理的にも気候的にも鹿児島よりも沖縄に近い。だが観光に関しての文化的な売りは西郷隆盛だ。なんでも30代の頃に捕らわれた西郷は沖永良部島に流され牢獄生活を送る。その際、牢屋の中から島民に学問を教え、島民から慕われた。それを記念して牢屋後が記念館になっていた。
泊まった宿から記念館は徒歩3分と近いので訪れてみる。記念館の表には当時の牢が復元されていたが、その牢屋というのが凄まじい。木の枠で囲っただけの東屋で、横殴りの雨や風に晒されたら防ぎようがない。こんなところに囚われていたなんて信じられない。2ヶ月ほどこの酷い牢に囚われていたが、さすがに役人も見るに見かねて、後にもう少しまともな牢に移されたらしい。
ともかくオイラは入館料¥200を払う。すると係のおじさんが、
「さっき外の牢屋を見ましたか?」
「はい」
「あそこに入れますよ。入ってみますか?」
え、そんなとこに入っていいの? でも係員が言うのであるから問題ないだろう。
オイラは牢獄の中に入る。すると係員のおじさんは
「さっき入れるとは言いましたけど、出れるとは言ってませんよね」
と恐ろしいこと言ってきた。このおじちゃんが日本一洒落のわかる資料館員で助かった。牢屋の中で記念撮影をさせてもらい資料館を後にしたが、まさか¥200で牢屋に入れられるとは思わなかった(笑)。
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沖永良部島と西郷隆盛といえばもう一つ名物がある。西郷丼(せごどん)である。西郷隆盛が上陸したとされる港の近くに西郷食堂というべたな名前の店がある。昼しか営業しないその店の名物が西郷丼(せごどん)だ。
いったいどんなものかとレンタルバイクを飛ばして昼時に店を尋ねるともう予約で満席であった。
店:「もし、お店が空いたら電話しますよ」
お店の人の厚意に甘え、オイラはしばし近くの資料館などを訪れているうちに「空きました」と携帯に連絡が入った。店に入ると大きな生簀にはでかい伊勢海老がうじゃうじゃ。
メニューの西郷丼(せごどん)の写真には、その伊勢海老が1/2匹載った豪勢な海鮮丼定食が¥1750と都会では考えられない値段で提供されていた。そりゃー予約で一杯になるわな。当然オイラもこれを頼む。そして数分後、届いた丼を見てオイラは驚愕した。
伊勢海老が1/2匹ではなく、丸ごと一匹載っていた。さらに店員が「伊勢海老はこちらの皿に移してお召し上がりください」と言ってたので、丼の上の伊勢海老を脇の皿に移す。するとその下にはさらに様々な刺身満載の海鮮丼が現れた!!
これで¥1750でいいんですか?
全く¥1750で豪勢な伊勢海老一匹丸ごと海鮮丼が食べられたり、¥200で牢屋に入れたりと、この島で西郷隆盛にゆかりのある経済圏では色んな事が起きていた。
最終更新:2024年01月13日 23:29